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ジークフリード偏
アルヴィン・レイヤーズ
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“あーーーーっ、清々した!”
俺はたった今、婚約者から破棄を言い渡されてきたところだ。
元々苦痛な婚約だった。
俺の婚約者、いや元婚約者がαの実力者で、たまたま俺の父親の会社の社長で、
その息子のΩの俺が、たまたま目を付けられて承諾するしかなかったんだ。
一体俺のどこが気に入ったのか、いまだに理解できない。
見た目も普通で何の取柄もない俺の、どこが良くてあんなに強引に迫ってきたんだ?
それが今日、無理やり連れてこられたパーティー会場で、
俺はいきなり婚約破棄を言い渡されたんだ。
「アルヴィン・レイヤーズ、私は今ここで、お前との婚約を破棄する。」
降って湧いた朗報は急には信じられず、俺はその場に固まった。
やがてじわじわと喜びが体を巡っていく。
今こいつ何て言った?
いや、俺との婚約を破棄するって言ったよな。
俺は確かに聞いた!
茫然と俺達を見守っている奴らは、絶対に今の言葉を聞いていた筈だ。
見ると、いつの間にか奴の隣には、グラマラスな女がいて、
薄ら笑いを浮かべながら、男に縋るように凭れ掛っていた。
多分、破棄の原因はこの女だろう。
ありがとうございます。
しかしこいつのどこが良いいんだ?
だってこいつは60歳近い、頭も薄くなったデブだぞ。
金か?金だろうな。
水を差しかねないから言わないけれど、このオヤジ性格もかなり悪いぞ。
確かに一代で中堅規模の会社を起こしたのだから、それなりの能力は会ったんだろうけど、
俺にとって、こいつの女房になれという事は、死刑宣告にも等しかったんだ。
これから何を言うのか分からないけど、今の俺にはもう怖い物なんて無い。
何でも来いだ。
「アルヴィン、Ωであるお前は私の婚約者で有る筈なのに、
一向にその自覚も無く、私の傍に居ようともせず尽くそうともしない。
そんな時、私はこの女性カロリーヌに出会った。
私の秘書である彼女は、いつ何時も傍で私を支え、尽くしてくれた。
同じΩでありながら、お前とはなんという違いだろう。
そんなカロリーヌと私の間に、愛情が生まれたのは自然の成り行きだ。
依って私は、おまえアルヴィンとの婚約を破棄し、カロリーヌとの婚約を宣言する。」
言った!また言いましたよね。
皆さん聞きましたよね。
俺との婚約を破棄するって言ったよね。
大体にして俺はまだ学生だよ。
学校に行かなきゃならないんだよ。
確かに結婚は卒業を待ってからにしてもらったさ。
それなのにいつも傍に居ろって言うのはおかしいだろう。
おまけに嫌な相手に体求められても絶対無理!
しかし、相手は秘書さんか。
だったらいつも一緒にいるのって当たり前の事じゃんか。
それも四六時中って、24時間べったりって事?
まあ、細かい事はどうでもいいや。
とにかく自由だ!
俺は嬉しくて、その場で大笑いしたかった。
だがさすがにそれは顰蹙を買うと思い、顔を下に向け、
ゆがむ顔を必死に隠しながら笑いをこらえた。
だがその姿は、皆には悲しみに涙を堪えていると勘違いされたようだ。
「あー、確かにお前に悪いところが有ったとは言え、これは私からの一方的な申し出だ。
お前も今回の事で身に染みただろう。これからは心を入れ替え、
もし見つかればだが、この先夫となる人間にはもっと尽くすよう助言しよう。」
余計なお世話だ。
俺は今回の事で結婚に幻滅したんだ。
最初はお前もあの手この手で俺を懐柔しようとしただろ?
俺も、あれ?もしかしてこいつっていい奴?って勘違いしたぐらいだ。
それが婚約が本決まりになった途端、まるで手のひらを反すようにα風を吹かせ、
わがままを言いたい放題。Ωを馬鹿にし放題。
なあ、そこでしなを作っているお姉さん。
あんた今、婚約を宣言されて舞い上がっているんだろうけど、
これから大変だと思うよ。
未だに下を向いたままの俺を、奴は哀れに思ったのか、まるで温情を掛けるかのように言った。
「その反省する態度に免じて、お前の家族には何の責も負わせないことを約束しよう。」
そりゃどーも。助かります。
元々俺たち家族には、何の責任も無いと思うけど。
あんたなら難癖付けて、色々言ってきかねないからな。
ちゃんと言質は取ったぞ。
父親に、何も言わず言う通りに婚約してくれと、一方的な言い分で泣きつかれたとしても、
一応、今まで育ててもらった恩がある。
それに学校を卒業し、独り立ちするまでは親に頼るしかないからな。
本当はこの婚約の話が出た時点で、俺は家を飛び出したかったけれど、
下の兄弟の事を考えると、親を無職にする訳にはいかなかったんだ。
「それと…。一度婚約を破棄されれば、そうそう次の話は来ないだろう。少しではあるが金も恵んでやろう。」
そんなものいらねー!と言いたかったが、家計も厳しいみたいだし、
弟たちの事も有るからここは我慢して貰っておこう。
「あ、ありがとうございます。」
礼など言いたくは無かったが、貰うと決めた以上、一応礼儀としてそれぐらい言わなけりゃダメだろ。
「ふん、所詮Ωか。」
悪かったなΩで。
だがな、Ωのどこが悪い。
Ωだからって俺は俺だ。
バース何て自分じゃ決められないんだからさ。
ちなみに一番下の弟はαだぜ。
それでも兄ちゃん兄ちゃんと慕ってくれる。
あんただって、たまたまαに生まれただけだろう?
考えてみりゃあ、不公平だよな。
αに生まれただけで周りには一目置かれるし、状況が良くなっていく。
生まれた時の運が良かっただけだよな。
だけど、Ωに生まれたから運が悪いって、誰が決めたんだ。
そりゃ平均にすれば、αの出来がいいっていうのは事実らしいけど、
だからってΩがお前たちに、踏みつけられるのは不公平だ。
お前もΩに生まれ変わってみればいいんだよ。
そうすれば俺達の気持ちが分かる筈だ。
て、ダメだ。
俺の思考がだんだんネガティブになっってきた。
普段の俺は、こんなんじゃ無いんだ。
とにかく婚約破棄だゾ。
生まれてから最大のラッキーじゃないか。
学校でαと婚約しているからって、遠巻きにされる事も無くなるし、
色々な事に何の気兼ねもせず生活できるじゃないか。
やったーーー!
「婚約破棄が成立した以上、ただのΩとなったお前は此処に居る資格は無い。さっさと帰るがいい。」
はいはい、αのつまらない集まりに、パートナーのいないΩは居ちゃダメなわけね。
言われずと、こんなところ出ていくさ。
俺は婚約者だったくそったれと、二人で入ってきた扉を、
今度は一人で、無様に見えぬよう真っすぐに姿勢を正し出て行く。
ようやく外気にさらされた俺は開放感たっぷり、
スキップをしたいくらい浮かれていた。
だが、そこで一つの問題にぶち当たった。
「俺、どうやって帰ればいいんだ?」
会場に来るには、奴の運転手付きの車に乗って来たから、此処がどこなのかすら全然分からない。
多少の小遣いは有るけれど、バスの停留所とか、近くに交通機関が有るのかさえ知らないしなぁ。
「どうしようかな。」
まあ、やっぱり一番手っ取り早いのは、奴の車で送ってもらう事だな。
此処に連れてきた以上、その責任ぐらいはあるはずだよな。
そう思い、奴の車を探すことにした。
「確か、ボーイは裏に駐車場が有るから、車はそこに停めるよう言ってたな。」
俺は、多分駐車場が有るであろう方向へ、足を向けた。
裏と言ったからには、駐車場は屋敷の裏手に有るのだろうとふんだ俺は、
屋敷をぐるりと回るように歩いた。
しかしそこに有ったものは、広い裏庭だった。
とても手入れが行き届いていて綺麗だ。
季節の花が咲き乱れ、テラスにはツタが巻き付いていて、赤い花が咲いている。
その花々の香りで、まるでむせ返るようだ。
気が付くと、ひときわ艶やかな香りがする。
「どの花の匂いだろう。」
俺はどうしても、その花の正体が知りたくなってしまった。
片っ端から花の香りを嗅いでいく。
だけどどうしてもその香りが見つからない。
見る限り広い庭だ。
花も色々な種類が有るんだろう。
俺はもう、その花を探す事で頭の中が一杯になってしまい、
不意にその香りが強くなる。
風向きのせいだろうか?
俺は顔を上げて、強くなった香りのする方に振り返った。
しかし、その先には花ではなく、一人の男性が立っていた。
本来なら、すぐにそこを立ち去らなければならない筈だが、
どうしてもそこから動けない。
やがてその男はゆっくりと俺に近づいて来た。
「君か……。」
その男性は、俺を見つめそう言った。
俺はたった今、婚約者から破棄を言い渡されてきたところだ。
元々苦痛な婚約だった。
俺の婚約者、いや元婚約者がαの実力者で、たまたま俺の父親の会社の社長で、
その息子のΩの俺が、たまたま目を付けられて承諾するしかなかったんだ。
一体俺のどこが気に入ったのか、いまだに理解できない。
見た目も普通で何の取柄もない俺の、どこが良くてあんなに強引に迫ってきたんだ?
それが今日、無理やり連れてこられたパーティー会場で、
俺はいきなり婚約破棄を言い渡されたんだ。
「アルヴィン・レイヤーズ、私は今ここで、お前との婚約を破棄する。」
降って湧いた朗報は急には信じられず、俺はその場に固まった。
やがてじわじわと喜びが体を巡っていく。
今こいつ何て言った?
いや、俺との婚約を破棄するって言ったよな。
俺は確かに聞いた!
茫然と俺達を見守っている奴らは、絶対に今の言葉を聞いていた筈だ。
見ると、いつの間にか奴の隣には、グラマラスな女がいて、
薄ら笑いを浮かべながら、男に縋るように凭れ掛っていた。
多分、破棄の原因はこの女だろう。
ありがとうございます。
しかしこいつのどこが良いいんだ?
だってこいつは60歳近い、頭も薄くなったデブだぞ。
金か?金だろうな。
水を差しかねないから言わないけれど、このオヤジ性格もかなり悪いぞ。
確かに一代で中堅規模の会社を起こしたのだから、それなりの能力は会ったんだろうけど、
俺にとって、こいつの女房になれという事は、死刑宣告にも等しかったんだ。
これから何を言うのか分からないけど、今の俺にはもう怖い物なんて無い。
何でも来いだ。
「アルヴィン、Ωであるお前は私の婚約者で有る筈なのに、
一向にその自覚も無く、私の傍に居ようともせず尽くそうともしない。
そんな時、私はこの女性カロリーヌに出会った。
私の秘書である彼女は、いつ何時も傍で私を支え、尽くしてくれた。
同じΩでありながら、お前とはなんという違いだろう。
そんなカロリーヌと私の間に、愛情が生まれたのは自然の成り行きだ。
依って私は、おまえアルヴィンとの婚約を破棄し、カロリーヌとの婚約を宣言する。」
言った!また言いましたよね。
皆さん聞きましたよね。
俺との婚約を破棄するって言ったよね。
大体にして俺はまだ学生だよ。
学校に行かなきゃならないんだよ。
確かに結婚は卒業を待ってからにしてもらったさ。
それなのにいつも傍に居ろって言うのはおかしいだろう。
おまけに嫌な相手に体求められても絶対無理!
しかし、相手は秘書さんか。
だったらいつも一緒にいるのって当たり前の事じゃんか。
それも四六時中って、24時間べったりって事?
まあ、細かい事はどうでもいいや。
とにかく自由だ!
俺は嬉しくて、その場で大笑いしたかった。
だがさすがにそれは顰蹙を買うと思い、顔を下に向け、
ゆがむ顔を必死に隠しながら笑いをこらえた。
だがその姿は、皆には悲しみに涙を堪えていると勘違いされたようだ。
「あー、確かにお前に悪いところが有ったとは言え、これは私からの一方的な申し出だ。
お前も今回の事で身に染みただろう。これからは心を入れ替え、
もし見つかればだが、この先夫となる人間にはもっと尽くすよう助言しよう。」
余計なお世話だ。
俺は今回の事で結婚に幻滅したんだ。
最初はお前もあの手この手で俺を懐柔しようとしただろ?
俺も、あれ?もしかしてこいつっていい奴?って勘違いしたぐらいだ。
それが婚約が本決まりになった途端、まるで手のひらを反すようにα風を吹かせ、
わがままを言いたい放題。Ωを馬鹿にし放題。
なあ、そこでしなを作っているお姉さん。
あんた今、婚約を宣言されて舞い上がっているんだろうけど、
これから大変だと思うよ。
未だに下を向いたままの俺を、奴は哀れに思ったのか、まるで温情を掛けるかのように言った。
「その反省する態度に免じて、お前の家族には何の責も負わせないことを約束しよう。」
そりゃどーも。助かります。
元々俺たち家族には、何の責任も無いと思うけど。
あんたなら難癖付けて、色々言ってきかねないからな。
ちゃんと言質は取ったぞ。
父親に、何も言わず言う通りに婚約してくれと、一方的な言い分で泣きつかれたとしても、
一応、今まで育ててもらった恩がある。
それに学校を卒業し、独り立ちするまでは親に頼るしかないからな。
本当はこの婚約の話が出た時点で、俺は家を飛び出したかったけれど、
下の兄弟の事を考えると、親を無職にする訳にはいかなかったんだ。
「それと…。一度婚約を破棄されれば、そうそう次の話は来ないだろう。少しではあるが金も恵んでやろう。」
そんなものいらねー!と言いたかったが、家計も厳しいみたいだし、
弟たちの事も有るからここは我慢して貰っておこう。
「あ、ありがとうございます。」
礼など言いたくは無かったが、貰うと決めた以上、一応礼儀としてそれぐらい言わなけりゃダメだろ。
「ふん、所詮Ωか。」
悪かったなΩで。
だがな、Ωのどこが悪い。
Ωだからって俺は俺だ。
バース何て自分じゃ決められないんだからさ。
ちなみに一番下の弟はαだぜ。
それでも兄ちゃん兄ちゃんと慕ってくれる。
あんただって、たまたまαに生まれただけだろう?
考えてみりゃあ、不公平だよな。
αに生まれただけで周りには一目置かれるし、状況が良くなっていく。
生まれた時の運が良かっただけだよな。
だけど、Ωに生まれたから運が悪いって、誰が決めたんだ。
そりゃ平均にすれば、αの出来がいいっていうのは事実らしいけど、
だからってΩがお前たちに、踏みつけられるのは不公平だ。
お前もΩに生まれ変わってみればいいんだよ。
そうすれば俺達の気持ちが分かる筈だ。
て、ダメだ。
俺の思考がだんだんネガティブになっってきた。
普段の俺は、こんなんじゃ無いんだ。
とにかく婚約破棄だゾ。
生まれてから最大のラッキーじゃないか。
学校でαと婚約しているからって、遠巻きにされる事も無くなるし、
色々な事に何の気兼ねもせず生活できるじゃないか。
やったーーー!
「婚約破棄が成立した以上、ただのΩとなったお前は此処に居る資格は無い。さっさと帰るがいい。」
はいはい、αのつまらない集まりに、パートナーのいないΩは居ちゃダメなわけね。
言われずと、こんなところ出ていくさ。
俺は婚約者だったくそったれと、二人で入ってきた扉を、
今度は一人で、無様に見えぬよう真っすぐに姿勢を正し出て行く。
ようやく外気にさらされた俺は開放感たっぷり、
スキップをしたいくらい浮かれていた。
だが、そこで一つの問題にぶち当たった。
「俺、どうやって帰ればいいんだ?」
会場に来るには、奴の運転手付きの車に乗って来たから、此処がどこなのかすら全然分からない。
多少の小遣いは有るけれど、バスの停留所とか、近くに交通機関が有るのかさえ知らないしなぁ。
「どうしようかな。」
まあ、やっぱり一番手っ取り早いのは、奴の車で送ってもらう事だな。
此処に連れてきた以上、その責任ぐらいはあるはずだよな。
そう思い、奴の車を探すことにした。
「確か、ボーイは裏に駐車場が有るから、車はそこに停めるよう言ってたな。」
俺は、多分駐車場が有るであろう方向へ、足を向けた。
裏と言ったからには、駐車場は屋敷の裏手に有るのだろうとふんだ俺は、
屋敷をぐるりと回るように歩いた。
しかしそこに有ったものは、広い裏庭だった。
とても手入れが行き届いていて綺麗だ。
季節の花が咲き乱れ、テラスにはツタが巻き付いていて、赤い花が咲いている。
その花々の香りで、まるでむせ返るようだ。
気が付くと、ひときわ艶やかな香りがする。
「どの花の匂いだろう。」
俺はどうしても、その花の正体が知りたくなってしまった。
片っ端から花の香りを嗅いでいく。
だけどどうしてもその香りが見つからない。
見る限り広い庭だ。
花も色々な種類が有るんだろう。
俺はもう、その花を探す事で頭の中が一杯になってしまい、
不意にその香りが強くなる。
風向きのせいだろうか?
俺は顔を上げて、強くなった香りのする方に振り返った。
しかし、その先には花ではなく、一人の男性が立っていた。
本来なら、すぐにそこを立ち去らなければならない筈だが、
どうしてもそこから動けない。
やがてその男はゆっくりと俺に近づいて来た。
「君か……。」
その男性は、俺を見つめそう言った。
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