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人生を破壊する存在との出会い
7話 お昼ご飯
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3人がそれぞれ趣味に没頭して・・・・・・半日が過ぎた。
令菜さんは相変わらずスマホに夢中。
やることがなくて暇潰しって感じじゃない。
本当にそれに夢中って感じ。
明子さんは趣味が多彩なようだ。
タブレットでトレンディドラマを見たら急に怒り出して誰かに電話。
多分キャバ嬢仲間。
電話相手とトレンディドラマの展開に憤慨して盛り上がる。
そのあとは彼氏らしき人に電話。
甘えた声で近況報告。
「大丈夫大丈夫。まあでも手伝い来てくれるんなら来てね」
「・・・・・・」
「そうね。アルバイトの子たちも揃ったよ」
俺たちアルバイトの話題も出てる。
「さて、と」
急に明子さんが立ち上がる。
さっと視線をそらした。
薄着の服がめくれて一瞬パンツが見えそうになる。
「お昼にしよ」
「はい」
「私がまた自慢料理披露するわ」
「・・・・・・楽しみです」
一応本音を語った。
今朝のショウガ焼きや味噌汁は本当に美味しかった。
しかし気になる事もある。
「あの明子さん」
「なに?」
思い切って聞いてみることにした。
「寝ました?」
「そういや寝てない。やること溜まってて」
「・・・・・・」
「どうしよ。ドラマの続きは気になるし、ファッション誌も最新チェック・・・・・・ここの顔なじみにも挨拶しにいかなきゃ」
「あの、最後に寝てから何時間起きてます?」
「んー? たしかクリスマスイブはオールで、その前の天皇誕生日は客が多くて・・・・・・仮眠は要所要所でとったんだけど・・・・・・」
「まず、寝ましょう?」
「そ、そう?」
こういうタイプはよく知ってる。
妹の太恵とか隣の家の康夫とかそのタイプだ。
やることが多すぎて絞れなくて寝る時間を削ってくタイプ。
「お昼は今回は俺に作らせてください」
「ええ? あなたも令菜も長旅で疲れてるでしょ?」
「俺は昨日いっぱい寝てるんで」
「そう? じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。冷蔵庫の材料は自由に使っていいから」
そういうと、明子さんは残りの缶チューハイを飲み干してから長座布団に横になる。
・・・・・・ここで寝るのか?
個室の意味は。
「ちょっ明子さん。お腹に毛布くらいかけましょう?」
「・・・・・・エアコンかけてるから大丈夫」
「そういうこと言っちゃう人が風邪ひくんですよ」
「ちっ、わかったわよ」
雇い主を少し怒らせてしまった。
明子さんはのそのそと立ち上がり、押し入れを開けて毛布を取り出す。
そのまま長座布団の上に座り、俺に言われた通り毛布を腹にかけて寝た。
本当に寝た。
3分もしないうちに軽くイビキをかき始めた。
「さてと」
立ち上がる。
令菜さんと目があった。
「令菜さんは食べられないものとかある?」
これだ。
一応聞いておかないと。
・・・・・・なんとなくそういうの多いタイプに見えた。
「んー、基本的にアレルギーとかはないよ。あっさりしたものよりこってりしたのが好き」
「そう」
「チャーハンとか食べたいな」
「了解」
・・・・・・意外だ。
元いじめられっ子ってさっき言っていたが・・・・・・そういう人たちって食べ物の好き嫌いが激しいイメージだった。
偏見か。
「太一くん、私も手伝う」
「本当? じゃあ令菜さんは玉ねぎ切ってよ」
「令菜!」
「は?」
急に令菜さんはムスッとした顔になる。
なんだか可愛い。
「同じ年なんだし、呼び捨てでいいよ。もしくはちゃん付け」
「ああそう?」
まあこっちもそのほうがやりやすいが。
しかし、なんだこの違和感は?
この子、今のところまったくおかしな点がない。
なんでいじめられてたんだろう。
「・・・・・・」
ただ、やはり暗い雰囲気は放ったままだ。
そう、時折見せる本来の彼女の魅力を半減させるような退廃的な目。
それがやたら気になる。
†††††
令菜の要望通り、チャーハンを作った。
玉ねぎと卵とひき肉のシンプルなチャーハン。
野菜が足りない気がしたので、令菜にトマトも切ってもらった。
「わあ、美味しそう」
令菜がそういいながら台所からテーブルまで皿を運ぶ。
なんだかいい感じだ。
思ってたのと少し違うけど、住み込みバイトって楽しいかもしれない。
「ふ、ふごっ!?」
明子さんが目を覚ます。
「美味そうな匂いね」
「ああ、急に起きないほうがいいですよ。とりあえず水分補給しましょう?」
真っ青な顔で立ち上がろうとしたので制止した。
コップに麦茶をついで差し出す。
「太一。あなた私の彼氏と雰囲気似てるかも」
「え? そうなんですか?」
彼氏さんどんな人なんだろう。
少し気になる。
「とにかく食べよ」
「え? 食べれるんですか?」
「なにが?」
あまりに具合が悪そうだったので意外だった。
明子さんはチャーハンを食べる気まんまんだ。
「いや、疲労と二日酔いが溜まってそうに見えたんで」
「酒はまだ飲んで数時間しか経ってないよ」
「・・・・・・?」
「まあお子様にはその辺の微妙なとこわからないかな」
本当にわからない。
二日酔いとは寝て起きたら起きるものじゃないのか。
「令菜ももう座って」
「あ、はい」
そうして、3人で食事することになった。
「絶妙な固さね。太一、やるじゃない」
「本当ですか? ありがとうございます」
「本当美味しいよ」
「良かった」
2人に俺の料理は好評だ。
「ん?」
俺のスマホが鳴る。
「LINEか。誰から? 彼女かな?」
明子さんに茶化される。
もちろん違うが。
「多分妹ですよ。彼女とかいないんで」
「そう。で、妹さんからの要件は?」
「うまくやってるかって・・・・・・そんな感じです」
「よし、妹さん安心させるためにスクショ送ろう」
「え、ええ?」
「うちらを撮って撮って!」
「わ、私もですか?」
・・・・・・令菜はともかく、明子さんのその際どい恰好の画像送ったら別の心配が発生しそうだが。
とにかく、バイト先のオーナーと同僚紹介ってことで太恵に画像を送った。
令菜も意外にノリノリだ。
令菜さんは相変わらずスマホに夢中。
やることがなくて暇潰しって感じじゃない。
本当にそれに夢中って感じ。
明子さんは趣味が多彩なようだ。
タブレットでトレンディドラマを見たら急に怒り出して誰かに電話。
多分キャバ嬢仲間。
電話相手とトレンディドラマの展開に憤慨して盛り上がる。
そのあとは彼氏らしき人に電話。
甘えた声で近況報告。
「大丈夫大丈夫。まあでも手伝い来てくれるんなら来てね」
「・・・・・・」
「そうね。アルバイトの子たちも揃ったよ」
俺たちアルバイトの話題も出てる。
「さて、と」
急に明子さんが立ち上がる。
さっと視線をそらした。
薄着の服がめくれて一瞬パンツが見えそうになる。
「お昼にしよ」
「はい」
「私がまた自慢料理披露するわ」
「・・・・・・楽しみです」
一応本音を語った。
今朝のショウガ焼きや味噌汁は本当に美味しかった。
しかし気になる事もある。
「あの明子さん」
「なに?」
思い切って聞いてみることにした。
「寝ました?」
「そういや寝てない。やること溜まってて」
「・・・・・・」
「どうしよ。ドラマの続きは気になるし、ファッション誌も最新チェック・・・・・・ここの顔なじみにも挨拶しにいかなきゃ」
「あの、最後に寝てから何時間起きてます?」
「んー? たしかクリスマスイブはオールで、その前の天皇誕生日は客が多くて・・・・・・仮眠は要所要所でとったんだけど・・・・・・」
「まず、寝ましょう?」
「そ、そう?」
こういうタイプはよく知ってる。
妹の太恵とか隣の家の康夫とかそのタイプだ。
やることが多すぎて絞れなくて寝る時間を削ってくタイプ。
「お昼は今回は俺に作らせてください」
「ええ? あなたも令菜も長旅で疲れてるでしょ?」
「俺は昨日いっぱい寝てるんで」
「そう? じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。冷蔵庫の材料は自由に使っていいから」
そういうと、明子さんは残りの缶チューハイを飲み干してから長座布団に横になる。
・・・・・・ここで寝るのか?
個室の意味は。
「ちょっ明子さん。お腹に毛布くらいかけましょう?」
「・・・・・・エアコンかけてるから大丈夫」
「そういうこと言っちゃう人が風邪ひくんですよ」
「ちっ、わかったわよ」
雇い主を少し怒らせてしまった。
明子さんはのそのそと立ち上がり、押し入れを開けて毛布を取り出す。
そのまま長座布団の上に座り、俺に言われた通り毛布を腹にかけて寝た。
本当に寝た。
3分もしないうちに軽くイビキをかき始めた。
「さてと」
立ち上がる。
令菜さんと目があった。
「令菜さんは食べられないものとかある?」
これだ。
一応聞いておかないと。
・・・・・・なんとなくそういうの多いタイプに見えた。
「んー、基本的にアレルギーとかはないよ。あっさりしたものよりこってりしたのが好き」
「そう」
「チャーハンとか食べたいな」
「了解」
・・・・・・意外だ。
元いじめられっ子ってさっき言っていたが・・・・・・そういう人たちって食べ物の好き嫌いが激しいイメージだった。
偏見か。
「太一くん、私も手伝う」
「本当? じゃあ令菜さんは玉ねぎ切ってよ」
「令菜!」
「は?」
急に令菜さんはムスッとした顔になる。
なんだか可愛い。
「同じ年なんだし、呼び捨てでいいよ。もしくはちゃん付け」
「ああそう?」
まあこっちもそのほうがやりやすいが。
しかし、なんだこの違和感は?
この子、今のところまったくおかしな点がない。
なんでいじめられてたんだろう。
「・・・・・・」
ただ、やはり暗い雰囲気は放ったままだ。
そう、時折見せる本来の彼女の魅力を半減させるような退廃的な目。
それがやたら気になる。
†††††
令菜の要望通り、チャーハンを作った。
玉ねぎと卵とひき肉のシンプルなチャーハン。
野菜が足りない気がしたので、令菜にトマトも切ってもらった。
「わあ、美味しそう」
令菜がそういいながら台所からテーブルまで皿を運ぶ。
なんだかいい感じだ。
思ってたのと少し違うけど、住み込みバイトって楽しいかもしれない。
「ふ、ふごっ!?」
明子さんが目を覚ます。
「美味そうな匂いね」
「ああ、急に起きないほうがいいですよ。とりあえず水分補給しましょう?」
真っ青な顔で立ち上がろうとしたので制止した。
コップに麦茶をついで差し出す。
「太一。あなた私の彼氏と雰囲気似てるかも」
「え? そうなんですか?」
彼氏さんどんな人なんだろう。
少し気になる。
「とにかく食べよ」
「え? 食べれるんですか?」
「なにが?」
あまりに具合が悪そうだったので意外だった。
明子さんはチャーハンを食べる気まんまんだ。
「いや、疲労と二日酔いが溜まってそうに見えたんで」
「酒はまだ飲んで数時間しか経ってないよ」
「・・・・・・?」
「まあお子様にはその辺の微妙なとこわからないかな」
本当にわからない。
二日酔いとは寝て起きたら起きるものじゃないのか。
「令菜ももう座って」
「あ、はい」
そうして、3人で食事することになった。
「絶妙な固さね。太一、やるじゃない」
「本当ですか? ありがとうございます」
「本当美味しいよ」
「良かった」
2人に俺の料理は好評だ。
「ん?」
俺のスマホが鳴る。
「LINEか。誰から? 彼女かな?」
明子さんに茶化される。
もちろん違うが。
「多分妹ですよ。彼女とかいないんで」
「そう。で、妹さんからの要件は?」
「うまくやってるかって・・・・・・そんな感じです」
「よし、妹さん安心させるためにスクショ送ろう」
「え、ええ?」
「うちらを撮って撮って!」
「わ、私もですか?」
・・・・・・令菜はともかく、明子さんのその際どい恰好の画像送ったら別の心配が発生しそうだが。
とにかく、バイト先のオーナーと同僚紹介ってことで太恵に画像を送った。
令菜も意外にノリノリだ。
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