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謁見の間にいた騎士に、騎士宿舎に案内された。
宿舎にいくと、筋肉質の中年男性がいた。「私は騎士団長ミハエル。国王直々の推薦。期待してる」
騎士団長は豪快に笑った。含みのない笑顔に安心する。
グリードは礼儀正しく頭を下げ「初めまして、ミハエル団長。グリードです」と挨拶をした。
騎士団長に一通り騎士組織について説明をうけた。グリードは1番隊にはいる事を告げられた。
説明を聞きながらも、どこか上の空。もうは魔王だ。
「わかりました。最善を尽くします」グリードは少し考えて質問した。「任務の内容と……、外出の自由はどの程度あるのでしょうか?」
魔王に会える方法を考えながら「できるだけ早く組織に慣れたいとので」と理由づけした。
「それは私から、1番隊、隊長のカズマだ。よろしく」
表情豊かな団長とは違い、隊長は無表情で冷たい目を向けられた。どう見ても歓迎されていない。
魔王様……。
グリードは隊長に「カズマ隊長、よろしくお願いします。グリードです」と元気良く挨拶をした。
隊長の冷たい視線が突き刺さる。
「新任騎士は共同生活だ。外出は申請が必要。所属の隊長と団長の許可が必要となる。任務は訓練を基本とするがお前の場合、王女の護衛任務が入っている。光栄なことだな」
隊長は淡々と説明した。
グリードは『王女の護衛』と聞いて一瞬表情が曇るが、すぐに取り繕う。
「王女様の……。そうですか。責任重大ですね。それで、外出申請はすぐに出せますか? あと、休日はありますか?」
魔王に会いたい一心で聞いた。
隊長は面倒くさそうに、目を細める「半年前に申請が必要。二ヶ月おきに取得できる。休日は……まぁその都度」
その言葉を聞いて、一瞬表情が固まる。更に、休日を曖昧にされたところから『ない』に等しいのだろう。
気持ちが落ちる。
「わかりました」気持ちを切り替える。少し考えて、更に質問する。「任務中の行動範囲とか、手紙どうなってますか?」
なんとか、魔王に連絡が取りたいと気持ちがあせる。
「訓練日程も教えていただけると助かります」
「日程?」隊長は心底嫌な顔をした。「まだ、確定はしてないが、お前はほぼ王女殿下の護衛だな。手紙は好きに送っていいが、内容は全て確認される。問題があれば破棄される」
一気に早く口で話す。それは、聞かせるためではなく聞かれた事を答えなければならないとう義務感があった。
日程と手紙の事を聞いて表情が曇る。泣きたくなるが、必死に耐えた。平静を装い笑顔を作る。
「そうですか」
「質問はないか」と嫌そうな顔で、隊長が聞いた。グリードが首をふると、グリードの部屋に案内された。
一番端にグリードの部屋であった。部屋には若い騎士が6人いた。
「仲良くやれ」一言いうと隊長は去った。
グリードは気合いを入れる。
「グリードです。よろしくお願いします」
笑顔を作り挨拶をすると、冷たい視線が一気に集まってきた。
「王女殿下の護衛いいね」や「さすが勇者様」と言う言葉が飛んできた。グリードの挨拶への返事はない。
国家直属の騎士となるにはいくつもの試験がある。試験を受けるための条件があり、孤児院出身のグリードではまず受けられない。更に『王女の護衛』ときた。良く思われないのは理解できる。
同室の騎士たちに照れたような笑顔を向ける。
「いやいや、勇者なんて大げさですよ。僕はただの……」少し考えて言葉を選びながら「皆さんはどんな任務についてるんですか? この騎士団の日常とか教えてもらえると嬉しいです」
友好的に振る舞うが同室の騎士らからの返答は冷たい。
「俺等も新人だしな」と一人が言うと全員が同意する。
「勇者様って、平民だよな」
「あー、なんで騎士になれたんだ?」
「勇者様は特別なんじゃない?」と言う声が上がると、他の騎士が笑った。
グリードが勇者として有名だ。孤児院育ちと言う事も知れ渡っている。グリード自身隠すつもりはなく、むしろ孤児院に感謝していた。
「特別ですか?」少し表情が硬くなるが、再度笑顔を作る。折角、入ったのだから仲間となりたかった。
「人を守りたい気持ちは同じです。皆さんと力を合わせて頑張りたいです」
グリードの言葉に一瞬静まるが、すぐに笑い声が聞こえた
「流石勇者様、ご立派で」揶揄うような言葉。
「勇者様のお手を煩わせるなって滅相もない」バカにする言葉。
途方に暮れていると、部屋の扉を叩く音がしたかと思うと、中からの返事を待たずにあいた。
「お前、こい」
騎士の制服を着た男性に呼ばれた。
「はい、行きます」
返事をすると同室の騎士たちに「失礼します。また後で」と頭を下げた。
宿舎にいくと、筋肉質の中年男性がいた。「私は騎士団長ミハエル。国王直々の推薦。期待してる」
騎士団長は豪快に笑った。含みのない笑顔に安心する。
グリードは礼儀正しく頭を下げ「初めまして、ミハエル団長。グリードです」と挨拶をした。
騎士団長に一通り騎士組織について説明をうけた。グリードは1番隊にはいる事を告げられた。
説明を聞きながらも、どこか上の空。もうは魔王だ。
「わかりました。最善を尽くします」グリードは少し考えて質問した。「任務の内容と……、外出の自由はどの程度あるのでしょうか?」
魔王に会える方法を考えながら「できるだけ早く組織に慣れたいとので」と理由づけした。
「それは私から、1番隊、隊長のカズマだ。よろしく」
表情豊かな団長とは違い、隊長は無表情で冷たい目を向けられた。どう見ても歓迎されていない。
魔王様……。
グリードは隊長に「カズマ隊長、よろしくお願いします。グリードです」と元気良く挨拶をした。
隊長の冷たい視線が突き刺さる。
「新任騎士は共同生活だ。外出は申請が必要。所属の隊長と団長の許可が必要となる。任務は訓練を基本とするがお前の場合、王女の護衛任務が入っている。光栄なことだな」
隊長は淡々と説明した。
グリードは『王女の護衛』と聞いて一瞬表情が曇るが、すぐに取り繕う。
「王女様の……。そうですか。責任重大ですね。それで、外出申請はすぐに出せますか? あと、休日はありますか?」
魔王に会いたい一心で聞いた。
隊長は面倒くさそうに、目を細める「半年前に申請が必要。二ヶ月おきに取得できる。休日は……まぁその都度」
その言葉を聞いて、一瞬表情が固まる。更に、休日を曖昧にされたところから『ない』に等しいのだろう。
気持ちが落ちる。
「わかりました」気持ちを切り替える。少し考えて、更に質問する。「任務中の行動範囲とか、手紙どうなってますか?」
なんとか、魔王に連絡が取りたいと気持ちがあせる。
「訓練日程も教えていただけると助かります」
「日程?」隊長は心底嫌な顔をした。「まだ、確定はしてないが、お前はほぼ王女殿下の護衛だな。手紙は好きに送っていいが、内容は全て確認される。問題があれば破棄される」
一気に早く口で話す。それは、聞かせるためではなく聞かれた事を答えなければならないとう義務感があった。
日程と手紙の事を聞いて表情が曇る。泣きたくなるが、必死に耐えた。平静を装い笑顔を作る。
「そうですか」
「質問はないか」と嫌そうな顔で、隊長が聞いた。グリードが首をふると、グリードの部屋に案内された。
一番端にグリードの部屋であった。部屋には若い騎士が6人いた。
「仲良くやれ」一言いうと隊長は去った。
グリードは気合いを入れる。
「グリードです。よろしくお願いします」
笑顔を作り挨拶をすると、冷たい視線が一気に集まってきた。
「王女殿下の護衛いいね」や「さすが勇者様」と言う言葉が飛んできた。グリードの挨拶への返事はない。
国家直属の騎士となるにはいくつもの試験がある。試験を受けるための条件があり、孤児院出身のグリードではまず受けられない。更に『王女の護衛』ときた。良く思われないのは理解できる。
同室の騎士たちに照れたような笑顔を向ける。
「いやいや、勇者なんて大げさですよ。僕はただの……」少し考えて言葉を選びながら「皆さんはどんな任務についてるんですか? この騎士団の日常とか教えてもらえると嬉しいです」
友好的に振る舞うが同室の騎士らからの返答は冷たい。
「俺等も新人だしな」と一人が言うと全員が同意する。
「勇者様って、平民だよな」
「あー、なんで騎士になれたんだ?」
「勇者様は特別なんじゃない?」と言う声が上がると、他の騎士が笑った。
グリードが勇者として有名だ。孤児院育ちと言う事も知れ渡っている。グリード自身隠すつもりはなく、むしろ孤児院に感謝していた。
「特別ですか?」少し表情が硬くなるが、再度笑顔を作る。折角、入ったのだから仲間となりたかった。
「人を守りたい気持ちは同じです。皆さんと力を合わせて頑張りたいです」
グリードの言葉に一瞬静まるが、すぐに笑い声が聞こえた
「流石勇者様、ご立派で」揶揄うような言葉。
「勇者様のお手を煩わせるなって滅相もない」バカにする言葉。
途方に暮れていると、部屋の扉を叩く音がしたかと思うと、中からの返事を待たずにあいた。
「お前、こい」
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返事をすると同室の騎士たちに「失礼します。また後で」と頭を下げた。
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