14 / 38
14
しおりを挟む
布団をかぶっているが、隣の声が聞こえる。グリードは気にった。
『今夜はグリードもよびましょうか』王女の甘い声がした。
グリードの血の気が引く。王女の相手なんて死んでもしたくない。王女に中に入れる事を想像したら、グリードのモノが小さく縮こまった。
「気持ちが悪い」
『お待ちください。私は王女殿下と2人がよいです。私だけを見てください』団長は声がした。
まるでグリードを庇う様な団長の声に涙が出て来た。
城の環境は最悪であったが、団長に会えた事は幸運だ。
彼が団長であった事にグリードは救われた。
翌朝、「おはよう」と昨日事情があった事など思わせない、爽やかな団長が部屋に来た。
グリードは団長の爽やかな様子に少し戸惑いながら、挨拶を返した。
「昨日はうるさかっただろ。迷惑かけた詫びよう」
少し声を潜め言った。
団長の詫びの言葉に顔を赤らめ「い、いえ...大丈夫です」と答えた。
グリードは魔王の事ばかり考え追いかけてきたため、そういった経験がない。
『勇者』となり、女性に誘われる事があった。しかし、グリードは魔王を優先し興味すら持たなかった。
「あの……」
団長は見透かした様に鼻で笑う。
「魔王は人間からの侵略をうけ、無差別に攻撃をしていた。しかし、20年前から攻撃が変化した。昨日見せた様に民にとって不都合な場所への攻撃に変わった。20年前何があったかわかるか?」
突然、話が変わり戸惑った。
団長はニヤリと笑う。
20年前と言えば、僕が生まれた頃……?
しかし、団長の問いに答えられるモノを持っていなかった。
団長はグリードの様子を見て口を開く。
「魔族と言われているが、『魔族』も『魔王』も人間がつけた名だ。相手は悪だという意味を込めてね。
グリードも『魔王様』と呼ぶね。彼は呼ばれてどう思うだろう? ただ、魔王の名前は誰も知らないし、最近では自ら『魔王』と名乗っているね」
「――ッ」
考えた事もなかった。
『魔王』はグリードが生まれた瞬間から『魔王』でありそれ以外の呼び名を知らない。
相手の名前を知らずに『好きだ』と言っていたのが恥ずかしくなった。それと同時に魔王の名知りたくなった。
『今夜はグリードもよびましょうか』王女の甘い声がした。
グリードの血の気が引く。王女の相手なんて死んでもしたくない。王女に中に入れる事を想像したら、グリードのモノが小さく縮こまった。
「気持ちが悪い」
『お待ちください。私は王女殿下と2人がよいです。私だけを見てください』団長は声がした。
まるでグリードを庇う様な団長の声に涙が出て来た。
城の環境は最悪であったが、団長に会えた事は幸運だ。
彼が団長であった事にグリードは救われた。
翌朝、「おはよう」と昨日事情があった事など思わせない、爽やかな団長が部屋に来た。
グリードは団長の爽やかな様子に少し戸惑いながら、挨拶を返した。
「昨日はうるさかっただろ。迷惑かけた詫びよう」
少し声を潜め言った。
団長の詫びの言葉に顔を赤らめ「い、いえ...大丈夫です」と答えた。
グリードは魔王の事ばかり考え追いかけてきたため、そういった経験がない。
『勇者』となり、女性に誘われる事があった。しかし、グリードは魔王を優先し興味すら持たなかった。
「あの……」
団長は見透かした様に鼻で笑う。
「魔王は人間からの侵略をうけ、無差別に攻撃をしていた。しかし、20年前から攻撃が変化した。昨日見せた様に民にとって不都合な場所への攻撃に変わった。20年前何があったかわかるか?」
突然、話が変わり戸惑った。
団長はニヤリと笑う。
20年前と言えば、僕が生まれた頃……?
しかし、団長の問いに答えられるモノを持っていなかった。
団長はグリードの様子を見て口を開く。
「魔族と言われているが、『魔族』も『魔王』も人間がつけた名だ。相手は悪だという意味を込めてね。
グリードも『魔王様』と呼ぶね。彼は呼ばれてどう思うだろう? ただ、魔王の名前は誰も知らないし、最近では自ら『魔王』と名乗っているね」
「――ッ」
考えた事もなかった。
『魔王』はグリードが生まれた瞬間から『魔王』でありそれ以外の呼び名を知らない。
相手の名前を知らずに『好きだ』と言っていたのが恥ずかしくなった。それと同時に魔王の名知りたくなった。
1
あなたにおすすめの小説
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王
ミクリ21
BL
姫が拐われた!
……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。
しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。
誰が拐われたのかを調べる皆。
一方魔王は?
「姫じゃなくて勇者なんだが」
「え?」
姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる