【完結】愛しの魔王様~魔王(依存・執着)×勇者(積極的わんこ)~

黒夜須(くろやす)

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布団をかぶっているが、隣の声が聞こえる。グリードは気にった。
『今夜はグリードもよびましょうか』王女の甘い声がした。
グリードの血の気が引く。王女の相手なんて死んでもしたくない。王女に中に入れる事を想像したら、グリードのモノが小さく縮こまった。
「気持ちが悪い」

『お待ちください。私は王女殿下と2人がよいです。私だけを見てください』団長は声がした。
まるでグリードを庇う様な団長の声に涙が出て来た。
城の環境は最悪であったが、団長に会えた事は幸運だ。
彼が団長であった事にグリードは救われた。

翌朝、「おはよう」と昨日事情があった事など思わせない、爽やかな団長が部屋に来た。
グリードは団長の爽やかな様子に少し戸惑いながら、挨拶を返した。
「昨日はうるさかっただろ。迷惑かけた詫びよう」
少し声を潜め言った。
団長の詫びの言葉に顔を赤らめ「い、いえ...大丈夫です」と答えた。
グリードは魔王の事ばかり考え追いかけてきたため、そういった経験がない。
『勇者』となり、女性に誘われる事があった。しかし、グリードは魔王を優先し興味すら持たなかった。
「あの……」
団長は見透かした様に鼻で笑う。
「魔王は人間からの侵略をうけ、無差別に攻撃をしていた。しかし、20年前から攻撃が変化した。昨日見せた様に民にとって不都合な場所への攻撃に変わった。20年前何があったかわかるか?」
突然、話が変わり戸惑った。
団長はニヤリと笑う。

20年前と言えば、僕が生まれた頃……?

しかし、団長の問いに答えられるモノを持っていなかった。
団長はグリードの様子を見て口を開く。
「魔族と言われているが、『魔族』も『魔王』も人間がつけた名だ。相手は悪だという意味を込めてね。
グリードも『魔王様』と呼ぶね。彼は呼ばれてどう思うだろう? ただ、魔王の名前は誰も知らないし、最近では自ら『魔王』と名乗っているね」
「――ッ」
考えた事もなかった。
『魔王』はグリードが生まれた瞬間から『魔王』でありそれ以外の呼び名を知らない。
相手の名前を知らずに『好きだ』と言っていたのが恥ずかしくなった。それと同時に魔王の名知りたくなった。
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