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応接の室。
隣国の王子を招くだけあり、豪華な家具や置物がある。
王女が座ったその後に団長とグリードが立った。ローテーブルを挟み、隣国の王子その後ろに王子の護衛騎士がいた。
「お久しぶりですね」王女は丁寧な話し方をしているが、どこか威圧的であった。それに対し王子は「ご無沙汰しております」と頭を下げる。力関係ははっきりしている。
王女は、王位継承者であるが隣国の王子の王位は第3位。王女と結婚できれば王配となれる。
「カナリア様、後ろ騎士は新任ですか?」
王子はグリードを睨みつけるように見た。グリードは王子の視線を感じ、落ち着いた表情で周囲を観察し警戒していた。
「あぁ、勇者グリードですよ」はうっとりとした目でグリードを舐めるように見た。
その視線に寒気がしたが、表情に出さない様に注意した。
王子はそれが不満な様で「はぁ」と言いながらグリードを睨み「お気に入りですか」と刺ある言い方をした。
『お気に入り』という王子の言葉に複雑な思いをしながら、魔王の事を考えた。会えないと余計に会いたくなる。
王子は立ち上がると、「私は気に入りません」と言いグリードの近くにきた。王子はグリードより身長が低いため、見下ろす形になるが、威圧的な態度は取らず、敬意を示す表情を作った。
王子は不快感を表にし「王子の私を見下ろすのか?」と怒鳴った。
王子は「跪けよ」とグリードの横にある壁を蹴った。
その様子を王女は楽しそうに見ている。団長は微動だにせず、まるで置物のようだ。
王子の目を見つめ、静かに膝をつく。
「カナリア様、コイツは平民ですか? 礼がなっていませんよ」王子はグリードの顔を蹴った。
突然の蹴りに顔を背けるが、必死で耐える。痛みを感じながらも表情を崩さず、ただ静かに膝をついたまま動かない。
「そうですね。しつけがまだなのですよ。次までに、靴を舐めるくらいできるようしますね」王女が笑うと、王子は頷き同じように笑う。
グリードは王子と王女の会話を耳にし、心に怒りを感じるが表には出さない様に耐えた。
頬の痛みを感じ、こんな人たちのために戦う価値があるのか疑問に感じた。
目を伏せ、自分の立場と使命を思い出そうとするが、王子と王女の笑い声を聞くと揺らぐ。
屈辱を感じつつも、冷静さを失わないよう自分を制御した。
「勇者グリードと言えば、有名ですよね。隣国まで、話が来ます」王子は王女に話し掛けながら、グリードの頬を足で軽く叩く。
「それくらいでなくては私の側にはおきません」王子の行動を止める事なく、まるでアクセサリーの様に言う王女に苛立ちが止まらない。
「まぁ、そうですね」王子がグリードの胸ぐらを掴む。「お前は幸運だな。お優しいカナリア様の側にいれて」
グリードは王子の手の感触に嫌悪感を覚え、顔の痛みと屈辱感で全身が震えそうになるのを、必死に抑え込み表面上は従順な態度を保つ。
ずっと沈黙を綱抜いていた団長が王女の近くと跪き耳打ちした。
王女は嬉しそうに微笑み「そうですね。お前は気が利く」団長の頬に口づけをする。「王子。あの話を」
「そうでした」王子はハンカチを出すとグリードに触れた手を拭いた。まるで汚いものを触った後の態度だ。
王子は元の席に戻る。
魔王が遠隔透視魔法の水晶をのぞく。
「どうしたのですか? 顔が怖いですよ」レッドが魔王に近づくと頷く。「あぁ、グリードの頬ですか」
「心配などしてない。奴を傷つけていいのは私だけだ」苛立った様子で目を細める。
隣国の王子を招くだけあり、豪華な家具や置物がある。
王女が座ったその後に団長とグリードが立った。ローテーブルを挟み、隣国の王子その後ろに王子の護衛騎士がいた。
「お久しぶりですね」王女は丁寧な話し方をしているが、どこか威圧的であった。それに対し王子は「ご無沙汰しております」と頭を下げる。力関係ははっきりしている。
王女は、王位継承者であるが隣国の王子の王位は第3位。王女と結婚できれば王配となれる。
「カナリア様、後ろ騎士は新任ですか?」
王子はグリードを睨みつけるように見た。グリードは王子の視線を感じ、落ち着いた表情で周囲を観察し警戒していた。
「あぁ、勇者グリードですよ」はうっとりとした目でグリードを舐めるように見た。
その視線に寒気がしたが、表情に出さない様に注意した。
王子はそれが不満な様で「はぁ」と言いながらグリードを睨み「お気に入りですか」と刺ある言い方をした。
『お気に入り』という王子の言葉に複雑な思いをしながら、魔王の事を考えた。会えないと余計に会いたくなる。
王子は立ち上がると、「私は気に入りません」と言いグリードの近くにきた。王子はグリードより身長が低いため、見下ろす形になるが、威圧的な態度は取らず、敬意を示す表情を作った。
王子は不快感を表にし「王子の私を見下ろすのか?」と怒鳴った。
王子は「跪けよ」とグリードの横にある壁を蹴った。
その様子を王女は楽しそうに見ている。団長は微動だにせず、まるで置物のようだ。
王子の目を見つめ、静かに膝をつく。
「カナリア様、コイツは平民ですか? 礼がなっていませんよ」王子はグリードの顔を蹴った。
突然の蹴りに顔を背けるが、必死で耐える。痛みを感じながらも表情を崩さず、ただ静かに膝をついたまま動かない。
「そうですね。しつけがまだなのですよ。次までに、靴を舐めるくらいできるようしますね」王女が笑うと、王子は頷き同じように笑う。
グリードは王子と王女の会話を耳にし、心に怒りを感じるが表には出さない様に耐えた。
頬の痛みを感じ、こんな人たちのために戦う価値があるのか疑問に感じた。
目を伏せ、自分の立場と使命を思い出そうとするが、王子と王女の笑い声を聞くと揺らぐ。
屈辱を感じつつも、冷静さを失わないよう自分を制御した。
「勇者グリードと言えば、有名ですよね。隣国まで、話が来ます」王子は王女に話し掛けながら、グリードの頬を足で軽く叩く。
「それくらいでなくては私の側にはおきません」王子の行動を止める事なく、まるでアクセサリーの様に言う王女に苛立ちが止まらない。
「まぁ、そうですね」王子がグリードの胸ぐらを掴む。「お前は幸運だな。お優しいカナリア様の側にいれて」
グリードは王子の手の感触に嫌悪感を覚え、顔の痛みと屈辱感で全身が震えそうになるのを、必死に抑え込み表面上は従順な態度を保つ。
ずっと沈黙を綱抜いていた団長が王女の近くと跪き耳打ちした。
王女は嬉しそうに微笑み「そうですね。お前は気が利く」団長の頬に口づけをする。「王子。あの話を」
「そうでした」王子はハンカチを出すとグリードに触れた手を拭いた。まるで汚いものを触った後の態度だ。
王子は元の席に戻る。
魔王が遠隔透視魔法の水晶をのぞく。
「どうしたのですか? 顔が怖いですよ」レッドが魔王に近づくと頷く。「あぁ、グリードの頬ですか」
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