18 / 38
18
しおりを挟む
魔王城に着くと、魔族が出てきたが普段、森にいる雑魚ばかりだ。
魔王の部下は全て人語を話し知性がある。彼がいないのが不思議であった。
「魔王城とはこんなものか?」団長が首を傾げる。次々と魔物を倒していく。
周囲の状況を観察しながら、進む。
「変ですね……。本当の魔王城なら」
グリードが、魔王城に遊びにいった時も魔族はいなかった。それは、魔王が二人きりで会いたいためだと思っていた。しかし、今日は違う。
警戒しながらも前進し、魔王に会えるという期待で胸が高鳴る。
あっという間に玉座の間につく。
魔王は玉座に座っていた。
「来たか」
団長は剣を構えると嬉しそうに、魔王に向かった。
「じゃあな」
「えっ……」グリードは団長の行動に驚いた。団長の強さは分からないが、単身で魔王に勝てるとは思えない。
団長が魔王に向かう表情は、魔王を倒す人間の顔ではない。まるで死を望む人間だ。
「団長」叫んだが、団長は止まらない。
「それが貴様の願い」魔王は団長の思いを悟ったように言うと一瞬で団長を消滅させた。
魔王の姿を見て動悸が激しくなる。彼の力を目の当たりにして、興奮した。
団長を殺した魔王に、恐怖や憎しみといった負の感情は浮かばない。
「魔王様」
声が震える。会いたかった存在。
剣を捨て、魔王にゆっくりと近づく。相変わらずの美しいご尊顔に心臓が速くなる。
団長が一瞬で消滅したことにより、騎士たちが逃げ出した。
「ふん」魔王は逃げる騎士を見ているだけで、手を出さない。周りの騎士たちが逃げる中、グリードだけがその場から動かない。
魔王の姿をじっと見つめ、一歩前に出る。
緊張と喜びが入り混じった表情で「魔王様」と呼ぶ。
心臓が激しく鼓動し、ようやく念願の対面に興奮を抑えられない。
「お前もしつこいな。」魔王はため息をつき、人ひとり消したと思えないほど軽い調子で話す。
魔王の言葉に喜びを抑えられず、満面の笑みで魔王に近づく。「僕、魔王様に会いたくて……」
「お前は『魔王討伐』をしに来たんじゃないのか?」
団長を目の前で消した事を恐れるどころか、変わらず好意を抱くグリードに驚きを通り越して呆れるが少し期待した。
グリードは恥ずかしそうに頭をかく。
「その……、看板だけです。僕、魔王様を倒す気なんて、ありません」
真剣な表情で魔王を見る。
「むしろ、魔王様を守りたいんです」
「守る? 説得しにでも来たか」鼻で笑う。「あんな王家に屈する気はない」
「僕は王家のために来たのではなく、魔王様のために」
一歩前に出て、真摯な眼差しでグリードは気持ちを必死に伝えようとする。
「魔王様が何をしたいのか。その望みを叶える手伝いがしたいんです。人間と魔物が、共存できる方法を……」
魔王の反応を見ながら、言葉を選びながら話す。
「貴様に、王家を見せただろ。アレと協力しろってか?」冷たい目でグリードを見る。
魔王の冷たい視線に、心を震わせながらも訴える。
「確かに王家は酷いです。だからこそ...変えたいんです」王家の腐敗を認めつつも、希望を捨てたくはなかった。「魔王様と共に新しい世界を作れないでしょうか」
「私は王家の首がほしい。アレがなくなれば国は変わるかもな」
魔王の言葉に、心臓が止まるほど驚いた。
グリードは王女や隣国の王子に受けた仕打ちを思い出す。更に、農村にいる民の酷い生活を思い浮かべた。
騎士になったのは王家に脅されたからだ。
王女の行いは『悪気がない』だけでは許されるモノではない。
確かに、腐った王家がなくなれば魔王と民が共存できる可能性は高い。
「王家の首」決意を固める。「わかりました」
魔王の目をしっかり見つめ、忠誠を誓うように膝をついた。
「魔王様の理想のために、僕の剣を使ってください。王家の悪政は終わらせましょう」
魔王は一瞬ニヤリと笑ったがすぐに、無表情になる。
「反逆者になる。失敗すれば、村は勿論、私もグリードも命はない」
魔王の懸念に対してグリードは微笑んだ。
「反逆者でも構いません」
王家……、あの王女に従うつもりはない。あの王女の慰み者になるのも、生まれ育った村いつ破壊させるのかと怯える生活もうんざりだ。
「人間を殺せるのか? 人を殺したことないだろ」
心配そうな表情をする。「私は国王や王女の首を切るつもりでいる」
魔王の問いに少し考え込む。「悪政を敷く者なら」決意を固める。「正義のためならできます。王家が苦しめた民のことを思えば」
力強く言うグリードに魔王は目を細める。
「民な……」ひっかかる言い方をする。
グリードは脇にある双剣に触れる。
「民だけではありません。魔王様の望みを叶えるなら、僕は躊躇いません」
魔王の心配に応えるように力強く頷く。
「民と私か……」
魔王が何を思ってのセリフか分からなかったが、王家を倒し革命をすることで魔王と民とが幸せに暮らせればいいと思った。
「王家を倒し『革命』とするならば遺体が必要になる。私は魔力を使えば、人間を簡単に殺せるが消してしまう」
グリードは団長が一瞬で消えたのを思い出した。
「魔王様の手を汚させません」役割をしっかりと理解した。「民に示すべき姿があるならそれは僕の仕事です」
魔王の部下は全て人語を話し知性がある。彼がいないのが不思議であった。
「魔王城とはこんなものか?」団長が首を傾げる。次々と魔物を倒していく。
周囲の状況を観察しながら、進む。
「変ですね……。本当の魔王城なら」
グリードが、魔王城に遊びにいった時も魔族はいなかった。それは、魔王が二人きりで会いたいためだと思っていた。しかし、今日は違う。
警戒しながらも前進し、魔王に会えるという期待で胸が高鳴る。
あっという間に玉座の間につく。
魔王は玉座に座っていた。
「来たか」
団長は剣を構えると嬉しそうに、魔王に向かった。
「じゃあな」
「えっ……」グリードは団長の行動に驚いた。団長の強さは分からないが、単身で魔王に勝てるとは思えない。
団長が魔王に向かう表情は、魔王を倒す人間の顔ではない。まるで死を望む人間だ。
「団長」叫んだが、団長は止まらない。
「それが貴様の願い」魔王は団長の思いを悟ったように言うと一瞬で団長を消滅させた。
魔王の姿を見て動悸が激しくなる。彼の力を目の当たりにして、興奮した。
団長を殺した魔王に、恐怖や憎しみといった負の感情は浮かばない。
「魔王様」
声が震える。会いたかった存在。
剣を捨て、魔王にゆっくりと近づく。相変わらずの美しいご尊顔に心臓が速くなる。
団長が一瞬で消滅したことにより、騎士たちが逃げ出した。
「ふん」魔王は逃げる騎士を見ているだけで、手を出さない。周りの騎士たちが逃げる中、グリードだけがその場から動かない。
魔王の姿をじっと見つめ、一歩前に出る。
緊張と喜びが入り混じった表情で「魔王様」と呼ぶ。
心臓が激しく鼓動し、ようやく念願の対面に興奮を抑えられない。
「お前もしつこいな。」魔王はため息をつき、人ひとり消したと思えないほど軽い調子で話す。
魔王の言葉に喜びを抑えられず、満面の笑みで魔王に近づく。「僕、魔王様に会いたくて……」
「お前は『魔王討伐』をしに来たんじゃないのか?」
団長を目の前で消した事を恐れるどころか、変わらず好意を抱くグリードに驚きを通り越して呆れるが少し期待した。
グリードは恥ずかしそうに頭をかく。
「その……、看板だけです。僕、魔王様を倒す気なんて、ありません」
真剣な表情で魔王を見る。
「むしろ、魔王様を守りたいんです」
「守る? 説得しにでも来たか」鼻で笑う。「あんな王家に屈する気はない」
「僕は王家のために来たのではなく、魔王様のために」
一歩前に出て、真摯な眼差しでグリードは気持ちを必死に伝えようとする。
「魔王様が何をしたいのか。その望みを叶える手伝いがしたいんです。人間と魔物が、共存できる方法を……」
魔王の反応を見ながら、言葉を選びながら話す。
「貴様に、王家を見せただろ。アレと協力しろってか?」冷たい目でグリードを見る。
魔王の冷たい視線に、心を震わせながらも訴える。
「確かに王家は酷いです。だからこそ...変えたいんです」王家の腐敗を認めつつも、希望を捨てたくはなかった。「魔王様と共に新しい世界を作れないでしょうか」
「私は王家の首がほしい。アレがなくなれば国は変わるかもな」
魔王の言葉に、心臓が止まるほど驚いた。
グリードは王女や隣国の王子に受けた仕打ちを思い出す。更に、農村にいる民の酷い生活を思い浮かべた。
騎士になったのは王家に脅されたからだ。
王女の行いは『悪気がない』だけでは許されるモノではない。
確かに、腐った王家がなくなれば魔王と民が共存できる可能性は高い。
「王家の首」決意を固める。「わかりました」
魔王の目をしっかり見つめ、忠誠を誓うように膝をついた。
「魔王様の理想のために、僕の剣を使ってください。王家の悪政は終わらせましょう」
魔王は一瞬ニヤリと笑ったがすぐに、無表情になる。
「反逆者になる。失敗すれば、村は勿論、私もグリードも命はない」
魔王の懸念に対してグリードは微笑んだ。
「反逆者でも構いません」
王家……、あの王女に従うつもりはない。あの王女の慰み者になるのも、生まれ育った村いつ破壊させるのかと怯える生活もうんざりだ。
「人間を殺せるのか? 人を殺したことないだろ」
心配そうな表情をする。「私は国王や王女の首を切るつもりでいる」
魔王の問いに少し考え込む。「悪政を敷く者なら」決意を固める。「正義のためならできます。王家が苦しめた民のことを思えば」
力強く言うグリードに魔王は目を細める。
「民な……」ひっかかる言い方をする。
グリードは脇にある双剣に触れる。
「民だけではありません。魔王様の望みを叶えるなら、僕は躊躇いません」
魔王の心配に応えるように力強く頷く。
「民と私か……」
魔王が何を思ってのセリフか分からなかったが、王家を倒し革命をすることで魔王と民とが幸せに暮らせればいいと思った。
「王家を倒し『革命』とするならば遺体が必要になる。私は魔力を使えば、人間を簡単に殺せるが消してしまう」
グリードは団長が一瞬で消えたのを思い出した。
「魔王様の手を汚させません」役割をしっかりと理解した。「民に示すべき姿があるならそれは僕の仕事です」
0
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~
双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。
なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。
※小説家になろうでも掲載中。
※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる