10 / 40
第一章
7
しおりを挟むお祖母ちゃんとお祖父ちゃんはちゃんとした人だったんだ。
子供に全く会いに来ないお父さんの親だから、その親もちょっと問題がある人なのかと思った。
それか王族は子育てに全く手を出さないのが、この国での常識かと思ってたんだよね。
お祖母ちゃんの話を聞いてる感じだと、お祖母ちゃんや伯父さんのお嫁さんは、子育てに参加してるんだよね。
「母上そのぐらいにしてあげてくれ、レイラはや弱いから両立なんて無理だ。それに赤子には乳母が居るんだから問題ないだろ?赤子の世話をさせるために乳母が居るんだから、仕事を奪うのは上に立つ者としてイケないだろ」
「あのね~、乳母は保険なのよ!!忙しくて側に居られない時の為に用意してますのよ。王族だって貴族だって、基本的には夫婦で子育てをするものなのよ」
赤ちゃんから目を離すのはイケないから、普段から忙しい人が乳母を雇うのは仕方ないよね。
乳母が居るからって育児放棄するのは絶対に駄目!!
私が前世の記憶を持ったまま転生したから精神年齢高いおかげで、この2人が親だって周りの会話で理解してるけど、普通に考えたら私からしたら見知らぬ2人なんだよね?
普通に考えたら、ミリーを母親って勘違いしてもおかしくないよね?
もうそれで良いんじゃないかな?
このまま2人が私を放置するなら、本気で2人を拒否しても良いんじゃない?
見知らぬ他人ってことで良いんじゃない?
今の私は赤ちゃんだし、周りの空気を読む必要ないよね。
うん!!
そうしよう。
これから私のママはミリーが良い。
ミリーの本当の子供には悪いけど、ミリーの子供は私の兄弟で良いよね。
「ジェイミー~、お義母様~、私のために喧嘩しないで~、私が1人で完璧にやれないのがイケないんです。これからはもっと頑張るので喧嘩は止めてください~」
イラッ!!
こういう女は嫌い。
私の為に喧嘩しないでって本当に言う人が居るんだ。
今絶対に鳥肌立ってる気がする。
お祖母ちゃんとお祖父ちゃんもドン引きしてるからね。
お父さんは顔を赤くしてお母さんを抱きしめてるけど、ベタ惚れなんだね。
私のお母さんがあんな人なんて受け入れたくない。
うん…………、私の記憶からあの人がお母さんってことを抹殺しよう。
今ならあの人の自業自得ってことで許されるはず。
「お待たせしました。陛下?王妃様?どうしたのですか?」
声のした方を見ると2人の男性と1人の女性が立っていた。
3人とも美男美女だから目の保養になる。
「今は家族だけなのだから畏まらなくて良い。息子に陛下なんて呼ばれるのは寂しいからな。」
息子?
じゃあ、この人が私の伯父さんなんだ。
王太子様なんだよね?
偉い人が勢揃いしてる。
「父上は相変わらずですね。僕が父上を陛下って呼ぶのは10年以上経つんですから、そろそろ慣れてくださいよ」
「寂しいものは寂しいんだよ。普段から周りに距離を作られて寂しいんだから、家族にぐらいは気軽に接してほしいだろ」
お祖父ちゃんが可愛い。
寂しがりやなのかな?
お祖父ちゃんって王様なんだよね?
大丈夫なのかな?
「父上がそう望むなら仕方ないですけど、僕は仕事の時とそうじゃない時の差が激しくて、たまに混乱するんですよ」
「仕事の時は仕方ないだろ?息子だからって甘くしたら、結果的に困るのはお前と国民だからな」
「分かってますよ」
公私混同はしてないって事か。
王様として当たり前か………
公私混同するような人では、王様には向いてないよね。
そんな人をトップにはしたくない。
お祖父ちゃんとの会話に満足したのか、伯父さんは私の方に視線を向ける。
私を見た伯父さんは優しい顔をする。
「この子が僕の姪だね。まだ生まれて7か月なのに大人しいですね」
「そうですわね。シャロンとアランがこのぐらいの年齢の時は大変でしたからね。知らない人が居るだけで大泣きしてましたから」
イケメンと美女にそんなに見つめられたら照れる。
ずっと黙って私を見てる男性が私の顔を覗き込み、私の頬を突っついてくる。
「ジェイミーの子供にしては賢そうですね。このぐらいの年齢の子供はすぐに泣くから苦手でしたけど、この子なら可愛がれそうです」
『ばぁぶぅ~~、あぁ~』
もう!!
そんなに突っつかないでよ。
111
あなたにおすすめの小説
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
元チート大賢者の転生幼女物語
こずえ
ファンタジー
(※不定期更新なので、毎回忘れた頃に更新すると思います。)
とある孤児院で私は暮らしていた。
ある日、いつものように孤児院の畑に水を撒き、孤児院の中で掃除をしていた。
そして、そんないつも通りの日々を過ごすはずだった私は目が覚めると前世の記憶を思い出していた。
「あれ?私って…」
そんな前世で最強だった小さな少女の気ままな冒険のお話である。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる