家族の一員では無いみたいなので、伯父さんに助けを求めたら王女になりました

みちこ

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「例え人間でも簡単に入ることは無理ですからね。この犬は王宮で飼われてる警備犬だと思われます」

庭師のおじさんが気まずそうに私の言葉を訂正してから、ワンちゃんの情報を教えてくれた

「警備犬?そう言えばこの子より大きいワンちゃんをたまに散歩させてる人が居たような?でもこの子よりもっと大きいわよ?」

「姫様が見かけたのは見回り中の警備犬でしょうね。この子はまだ生まれて数ヶ月の子犬だと思われます」

これで子犬?

でもあの犬が成犬ならこの子が子犬でもおかしくないかな?

大きいけど………

「なら子犬が居なくなって、警備犬の担当をしてるものは慌ててるだろうな。子犬とは言え十分大きいからな。もしも人に危害を加えたら大問題だ」

「そうですね。急いで知らせに行く必要がありますね。万が一があるので姫様とセドリック様はここを離れたほうがよろしいと思います。罠を仕掛けたものの目的がわかりませんから」

庭師の言ってることは理解できる

でも……

「ワンちゃんをここに残していくのは嫌………、ワンちゃんを一旦私の部屋で保護するわ」

「姫様!?流石にそれは反対です!!この犬はまだ小さいので躾が行き届いてるかわかりません。もしも姫様に何かあったら」

「大丈夫だよ。こんなにいい子なのよ?それにこのワンちゃんも私のこと大好きみたいで、今もこんなに甘えてるんだから私は危険じゃないわ」

私はそう言って、ずっと私の近くに居るワンちゃんの頭を撫でると嬉しそうに尻尾をふる

『アンッアンッ、くぅ~ん』

「ほらっ、この子もいい子にするって言ってるわ」

「姫様………」

むぅ~、何でそんなに痛い子を見るような視線を送ってくるの?

「取り敢えずは俺がシルビア姫についてるから、警備犬の担当の者に知らせたほうが良いんじゃないか?その後でも良いから陛下達にも知らせてほしい。俺たちはシルビア姫の部屋に居るから」

「はい。すぐに知らせてきます!!」

私が言ったときはあんなに心配そうにしていたのに、セドリック様が言ったら何ですんなり言うこと聞くの?

私とセドリック様は1つしか歳が違わないのに依怙贔屓だ

「そんなに仏頂面してどうしたんだ?ここに居てなにかあったら困るから、早くここから離れよう」

「はい。ワンちゃん立てる?」

『くぅ~ん』

無理そう

抱っこしてあげたいけど、結構大きいから私では無理

誰か大人に助けを求める?

「俺が抱っこするよ」

セドリック様はそう言ってから、ワンちゃんを抱っこして歩き始める

だけどセドリック様でも重いみたいでふらふらしているわね

「私も手伝います」

「俺一人で大丈夫だ。俺は男だからな!!これぐらい一人で運べる」

「私とセドリック様は1つしか歳が違わないんだから、変な見栄を張らないでください。ワンちゃんを連れて行くのは私の我儘なのですから手伝わせてください」

「はぁ~、少しだけだからな。(一人で運べないなんてかっこ悪すぎ)」

最後の方なんて言ってたのかしら?

まぁ、今はワンちゃんを安全な場所に連れて行くのか先決ね

庭園を離れてしばらく歩くと、いつもこっそり私の護衛をしてる騎士に出会した

「シルビア姫!?ドレスに血が!?」

「私の血じゃないから心配しないで、この子が罠に掛かって怪我をしているの」

「庭園の中に罠ですか!?そんなはずわ…………、申し訳ありません。私の確認ミスです」

そう言えば彼は真面目だったわね。

私が庭園に行くときは数時間前に行くように知らせてるから、私が行く前に数人で庭園の中の安全を確認してるみたいだから、罠を見逃したことを後悔してるのかもしれないわね

「完璧な人は居ないわ。もしも後悔してるなら同じミスをしないように、次に活かせばいいと思うの。怪我をしたのは私ではないですし、セドリック様でもないから大丈夫よ」

私達の代わりにワンちゃんが怪我をしてしまったけど、今はそれを言うのは酷だよね

こういう人に怪我をしなかったんだから、気にしないで良いって言っても無理なのは分かっている

次に活かせば良いって言うのが正解よね

「起きたことをうじうじ考えても成長に繋がらないぞ。そんなにシルビア姫に申し訳なく思うなら、この犬をシルビア姫の部屋まで運んでくれ」

「はい!!」

騎士のお兄さんは元気よく返事すると、私達に代わって軽々とワンちゃんを抱っこしてくれた

『くぅ~~~ん。くぅ~』

抱っこされたワンちゃんは凄く不安そうだけど、今はお兄さんの為にも我慢してもらおう

騎士のお兄さんが少しでも気持ちを軽くさせるために、セドリック様が気を使ってくれたのだから

チラッとセドリック様を見ると、セドリック様はワンちゃんと騎士のお兄さんを見て苦笑いをしていた
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