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しおりを挟むソフィーお母様に怒られるのは流石に嫌だと思ったみたいで、拗ねた顔をしてるけどジャンヌも大人しくなった
「ジャンヌにお願いがあるんだけどいいかしら?」
「シルビアお姉様のお願いなら何でも聞くよ」
「ワンちゃんを動物のお医者様に見せたいの、だからソフィーお母様に動物のお医者様が来てもらえるようにお願いしてきてくれる?」
「うーん、シルビアお姉様とこの人を二人っきりにするのは嫌だけど、ワンちゃんの怪我は酷そうだから仕方ないか。シルビアお姉様の服に血が付いてるけど、全部ワンちゃんの血だよね?シルビアお姉様は怪我してない?」
ジャンヌは改めてワンちゃんの怪我の様子に気が付いたみたいで、痛そうな顔をしながら私とワンちゃんの心配をする
「私はどこも怪我をしてないよ」
「なら良かった。でも王宮にいる医者では駄目なの?王宮に医者を呼ぶのは時間が掛ると思うよ?」
確かに王宮に医者を招くのは、色々手続きや向こうの準備とかあるから時間は確実にかかる
1時間以上掛かる可能性もあるのよね
「王宮内に動物の怪我を見れる人が居るならその方がいいけど多分居ないはずよ。警備犬の為だけに動物のお医者様を王宮で雇ってるとは思えないわ」
「確かに聞いたことない。でも手当てするぐらいなら普通の医者でも良いんじゃない?」
「人間と動物では体の作りが違うから駄目よ。人間なら大したことないことでもワンちゃんだと致命的かもしれないでしょ?そういうことは専門家に見てもらうほうがいいわ」
もしも間違った判断をして、ワンちゃんの一生を駄目にしてしまうかもしれない
「わかった!!お母様にお願いしてくる。庭師のおじちゃんは私が帰ってくるまで、勝手に帰っちゃ駄目だからね。シルビアお姉様とセドリック様を二人っきりにしたら許さないから!!」
ジャンヌは叫ぶように言ってから、走ってこの場を去って行った
あんなに全力疾走したらソフィーお母様に怒られるんじゃないかしら?
ソフィーお母様は普段は優しいけど、マナーにはとても厳しいのよね
1回目は優しく注意されるだけだけど、同じことを2回注意される時は別人に見えるぐらい怖くなる
ジャンヌは私達兄弟の中で1番怒られることが多いのに、何故かすぐに忘れて同じことするのよね
「あれは絶対に怒られるよな」
「妹は元気が良いので」
私は笑って誤魔化しながら、ジャンヌが動物のお医者様が来るまでやることがないので、私達は部屋で大人しくすることにした
「君達兄弟はみんな性格が違うよな。でも芯が強いところはみんな同じだけどな」
「そうですか?」
そんなに私達って性格が違うかな?
私はジャンヌ達の従姉妹だから性格がちょっと違うのは分かるけど、ジャンヌ達はそんなに変わらないと思うけど?
本来の性格は違うかもしれないけど、普段は王族として恥じないように皆の見本になれるように過ごしているはず。本来の姿を見せるのは家族の前だけだから、セドリック様にバレてるとは思わなかった
いや……、アンリお姉様とジャンヌは意外と本来の性格で接してるかも?
「エリック殿は真面目で優しいけど曲がったことをする者が嫌いだろ?敵には容赦ないタイプだな。腹黒な一面がある気がする」
「よく分かりましたね。エリックお兄様は意外と腹黒いです。周りに穏やかな面しか見せてないのもわざとだと本人が言ってました」
私も最初は騙されたのよね
エリックお兄様は家族の前以外では絶対に怒った姿を見せない、怒らずに穏やかな面だけを見せると、周りが簡単に油断すると本人が言っていた
何をされても怒らないでいると、周りはどちらかの行動に出るとエリックお兄様は楽しそうに話してくれた
寛大な人だと尊敬するか、エリックお兄様を侮って無理難題を言ったり、言葉巧みにエリックお兄様を操ろうとするらしい
エリックお兄様にとっての今は本当に信用出来る家臣を見極めてる最中らしい、エリックお兄様の側近は本当に信用出来る人たちだと言っていた
周りに怒らないせいで舐められているエリックお兄様に、このままでは駄目だと苦言を言ってくれた人達だと教えてくれた
エリックお兄様は将来国王になることが決まってる自分の側近には、もしも自分が間違ってることをしてたら注意してくれる人が必要だと言っていた。
国王の側近が国王にヘコヘコして、国王の言うことに全て従ってたら側近の意味がないと教えてくれた
エリックお兄様は自分の害になりそうな人を見極めている最中なのよね
おそらくエリックお兄様が国王になったら、エリックお兄様を傀儡にしようとしてる人たちを廃除するところから始まるんだろうな
イヤ………、もしかしたらエリックお兄様が国王になる前に、クリスお父様に告げ口して今から廃除するかもしれないわね
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