家族の一員では無いみたいなので、伯父さんに助けを求めたら王女になりました

みちこ

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 ウィリアムお兄様達が来たことで、使用人達がテーブルに豪華な料理を並べ始めた

「今日は朝から豪華だな」

「今日はシルビアの初登校日だからな。去年もウィリアムとアンリの初登校日も豪華だっただろ?」

「そう言えば俺とアンリの好物ばかりだったな。今回はシルビアの好物が並べられてるってことだな」

 ウィリアムお兄様の言う通りで、テーブルには私の大好きなものばかりが並べられていた

「私の大好きなベーコンとポテトのパイとチキンソテーがありますね。だから一週間前にシェフが好きな料理を聞いてきたんですね」

「私もこのパイが1番好き!!グラタンみたいで美味しいよね~」

 ジャンヌも好物が朝から出たことが嬉しいのか、朝からすごくテンションが高いわね

「冷めないうちに食べよう。すべての命と作り手に感謝を」

「「「「「「感謝を」」」」」」」

 はぁ~、幸せ

 夢中で食べてると視線を感じて顔をあげると、クリスお父様とソフィーお母様が私を優しい顔で見ていた

「クリスお父様?そんなに見られたら食べづらいですわ。どうしたんですか?」

「ここに来たばかりの頃は食が細くて、半分も食べれなかったシルビアが沢山食べれるようになって良かったって思ってたんだ」

「そう言えばあの頃は凄い心配されてましたね」

「ジャンヌの半分も食べれないのを見たら心配もするさ。今も多いわけではないけど、当初と比べたら食べれるようになったから安心してる」

 確かに当時の私はジャンヌが食べてる量の半分も食べれなかったわね

 ジャンヌの食べてる量が多かったわけではない、私が極端に食べてる量が少なかっただけ、当時の私はあの家で3食ちゃんと食べていたけど、いま考えると1食の量が少なかったことがわかる

「数年前のシルビア姫はそんなに食べる量が少なかったんですね」

「そうなのよ。私達が保護するまでこの子の生活環境が悪かったせいなのよ。今でも私達はもっと早く助けられたんじゃないかって後悔してるわ」

 今でもソフィーお母様とクリスお父様が後悔してることは知ってた、お母様のお墓に月命日になると朝から晩まで懺悔してることも知ってる

 だけど二人は何も悪くない

 あの男は父親として失格だったとしても、父親であることに間違いなかった

 お母様が亡くなったばかりの頃のあの男には、私の引き取りを拒否する程の問題は何もなかった

 愛人やその家族を実の家族より大切にしてたけど、政略結婚をする貴族にとってそれは問題にならない

 生活費と生活場所さえ与えてれば何も問題ない

 あの男が私を引き取ると言っていたから、クリスお父様達がそれを拒否出来なかったのは仕方ない

 それに国では感染病で騒動になってたから、私だけに構う余裕はなかったのも今ならわかる

「皆に話さないといけないことがある。エリック達は学園にブルーノ•メリルが通ってることを知ってるな?」

 そっか………、

 王宮に立ち入り禁止にしてるけど、私の元家族は学園には入学してるんだよね

 従兄弟のブルーノ兄様は私に暴力とかは振るわなかったけど、私のことを嫌ってたのは何となくわかっていた

 そんな相手と同じ学園に通わないといけないのか

「クラスは違うので話したことはないけど、メリル家の跡取りが通ってることは知ってます」

「私も知ってるわ」

「俺も」

 エリックお兄様は無表情で答えるけど、ウィリアムお兄様とアンリお姉様はすごく嫌そうな顔をしていた

「シルビアと同い年のリディア•メリルもこれから通うことになる。流石に何か危害を加えてくることはないと思うが、シルビアは二人と関わらないように気を付けなさい。学園には二人と同じクラスにならないように言ってあるから、同じクラスになることはないはずだ」

 貴族の血が流れてないリディアをあの男があの学園に通わせるかな?

 これから通う学園は貴族しか通わない学園だから、貴族の血が流れてないリディアが通うにはつらい環境なはず、あの男はリディアを可愛がってたから、そんな辛い場所にリディアを通わせるとは思えないけど?

「俺たちはシルビアがその二人と接触しないように守ればいいの?」

「そういうことだ。兄として守ってやってくれ」

 皆に迷惑をかけないためにも自分でも気をつけよう
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