そんなに私の婚約者が欲しいならあげるわ。その代わり貴女の婚約者を貰うから

みちこ

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 皆と話してると、我が家がどれだけ非常識なのか実感するわね。

 学園に通うまでは、私は自分の家でのことは当たり前のことだと思っていた。

 不満がなかったわけではないけど、何処の家も我が家みたいなもので、跡取りは厳しく育てられて、弟や妹は甘やかされてると思っていたのよね。

 学園に通うまで、私の環境がおかしいと言ってくれる大人は居なかった。

 居なくて当たり前なのよね。

 私の周りには家族と使用人しか居なかった。

 使用人は雇い主がお父様だから、お父様に意見をしたり、私を庇ったりすることはない。

 仕事が失くなったら困るからそれが普通よね。

「話がかなり脱線してしまったな。メアリー嬢はこれからどうするつもりなんだ?1度婚約してしまったら、婚約破棄は難しいぞ?」

「それなら考えがあります。エミリーは私の持ってるものなら何でも欲しがるんです。小さい頃は私が持ってる持ち物でしたけど、最近は私の友人等や跡取りの座を欲しがるようになりましたわ」

 ジェシカに近づいたのも、私がジェシカと仲良いのを知ったからでしょうね。

「メアリー嬢の婚約者も絶対に欲しがるってことだな?」

「そう言うことですわ。私がちょっとでも興味のあるフリをしたら、どんな手を使ってでも手を出すはずです。最近の私はあの子の前では、興味があるものや仲良い相手をバレないようにしてますから」

 生徒会のメンバーとも、この部屋を出たらあまり話さないようにしている。

 それでもエミリーがジェシカに絡んだのは、ジェシカが私以外で生徒会に居る唯一の女性だから、仲良くしてるはずって思ったんでしょうね。

 生徒会のメンバーで1番に仲良くなったのはジェシカですから、その予想は当たってますけどね。

「だからメアリーはレオン兄様をご家族に紹介してないんですね。2人とも跡取りですから、交際を認めてもらうのは難しいから紹介してないんだと思ってましたわ」

「その理由も確かにありますわ。もしも紹介したら、親はレオンにエミリーを紹介するはずです。跡取りである私を手放すはずはありませんし、でもマクミラン侯爵との繋がりも逃したくないって考えるはずですから」

 お父様達はエミリーを過大評価してますから、私が恋人になれたならエミリーも落とせると考えるはず

 エミリーにレオンを奪われるなんて絶対にイヤ

 他のものを奪われてもいいけど、レオンだけは絶対に譲れないわ。

「でもエルガー家の次男とメアリー先輩の妹さんが不貞をしたとして、絶対に婚約破棄できるのかな?」

「難しいだろうな。エルガー家はこの婚約を潰したくないはず、そしてシルフォード家は大金を手放したくないはず、だけど1番可能性が高いのは、メアリー嬢の妹とエルガー家の次男を結婚させて、メアリー嬢を当主代理にする可能性もある」

 跡取りをエミリーに変わるってことね。

 それは私もずっとその可能性があると思っていた。

 エミリーとエルガー家の次男では、当主の仕事は難しいから私を手放すわけがない。

「メアリーの気持ちはどうなりますの?そんなの酷すぎる。自分を裏切った者とずっと近くに居ないといけないなんて、どんな事よりも耐えられないわよ。ずっと勝手な人達に利用され続けるなんて、そんなのメアリーの親友として許せないわ!!」

「それは同じ気持ちだ。メアリー嬢みたいな優秀な者が、あんなどうしようもない者たちに利用されるなんて許されない。だが彼女の親なら彼女を犠牲にすることに躊躇しないはずだ」

 この学園に通えてよかった。

 ううん、……生徒会に選ばれてよかった。

 生徒会に選ばれたから、私にはこんなに心配してくれる仲間が出来た、そして愛する人が出来た。

「メアリー先輩を助けることは出来ないのかな?僕はメアリー先輩とレオン先輩には絶対に結ばれて欲しい。2人は僕の憧れなんです」

「心配してくれてありがとうございます。でも大丈夫ですわよ。そのことについては私にも考えがあるんです。私一人では無理ですけど、レオンのご両親に協力して貰うことになっておりますの」

 エミリーとエルガー家の次男の浮気だけでは、婚約破棄は出来ても私が自由になるのは難しいかもしれないけど、レオン達に協力して貰えたら可能性がある。

 おじ様達と考えた計画を1から説明すると、皆はやっと納得してくれましたけど、ジェシカだけは最後まで渋い顔をしていたわね。

 リオン王子とジェシカは、手伝えることがあったら手伝うと言ってくれた。

 リオン王子とジェシカが味方だと頼もしいわね。

 王子と公爵令嬢が味方なら、ちょっと無茶なことをしても大丈夫だと安心できる。

 私達の計画だと、レオンは表立って私の味方は出来ない。

 レオンは私に興味がないように見せないといけない。

 私もレオンに興味がないように接しないといけないから、レオンに頼ることは出来ないのよね。

 だからリオン王子とジェシカが味方になってくれると、とても助かるのよね。

 授業が始まる時間が迫ってたから、簡単にしか説明出来なかったのよね。

 今は全ての授業が終わり、お父様達の命令通りにすぐに帰ることになった。

 おじ様達には直ぐにでも婚約の申し込みをして欲しいってお願いしたけど、思ってたよりエルガー家の行動が早いから、エルガー家との婚約が決まってから、マクミラン侯爵家からの婚約の話が入ってきそうね。

 エルガー家は直ぐにでも息子を追い出したいのかしら?

 私はまだ学園に通ってるから、結婚するのには数年必要だけど理解してるかしら?

 昔なら学園に在学中に結婚して、妊娠したら退学する生徒も居たみたいだけど、今ではそんな生徒は滅多に居ないのよね。

 在学中に結婚して途中で退学する生徒は、周りから計画性がないと思われてしまう。

 名誉にも関わってくるから、流石にお父様達もそれは許可はしないわよね?

 1人で居ると色々と良くない想像してしまうわね。

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