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第一章 『秘められた異次元(シークレットディメンション)』への扉!
第11話 ドワーフの剣闘士試練!
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エルフ達が正気に戻り、村の状況を見て愕然としていた。
大半は自分達が壊したわけだが、大切にしていた村を無くしては、住む場所さえもない。
捨てられた子犬のような目で美女達がオレに助けを求めて来た。
あんな凶悪な顔を見た後では、惚れることさえありえないが、資金を集めるには丁度良い条件だ。
村を復興するのを手伝いつつ、オレの経営する店も作る事にした。
オーガとエルフ達が仲良くなれば、オレが働かずとも資金が入ってくるのだ。
エルフの村の復興を少し手伝いながら、オーガとリーダーエルフが戻って来るのを待つ。
しばらくエルフ達も協力的でなかったが、オレ達に害が無い事を悟ると、次第に協力的になって来る。
しかし、復興が終わっても、オーガは姿を見せなかった。
まあ、オークにこの場所を提供する事で問題を解決する。
媚薬などを調達できるオークだ。
この場所でもうまくやっていけるだろう。
幸い、エルフの一人と徐々に仲良くなっているようだ。
賢い男は、顔がイマイチでもモテることはできる。
村のエルフ達は、自分達の経験を元に推測して言う。
「すいません。ウチら、怒ると我を忘れて攻撃してしまう種族なんです。
本来は、聡明で賢い種族なんですけど、恋愛や嫉妬などに燃えると、周りが見えなくなってしまうんです。
ウチらは、全員が良い男共を手に入れて、子孫を繁栄させる事ばかりを考えているので、望まない男に襲われたり、身体を弄ばれたりした場合は、その男共を殺して、関係者も皆殺しにする。
そこまで、ようやく怒りを抑えることができるのです。
結果的にオーガさんは、リーダーを守ったので、生きていると思うのですが……」
そう説明するエルフに、オレは優しく言う。
ここで関係をこじらせるのは嫌だ!
「一部の者(ここでエルフ全部が悪いと決めつけると、偏見があると思われて嫌われるので注意!)は、相当恐ろしい行動をする種族なんですね。
じゃあ、あなたが分析するに、オーガがあのエルフに連れ去られたのは?」
「うーん、何とも言えませんが、もしかしたら惚れたのかもしれません。
男は必ずしも顔で選んでいるわけではありません。
顔、体格、性格、度胸等、エルフ達の好みも様々で、別れますからね。
私のように、賢いオークに惚れる人もいます。
惚れた場合にも、あのような行動を取ります。
もちろん、全ての怒りがあのオーガに集中し、無残に殺されている場合もありますけど……」
エルフは不安そうにそう語る。
それを聞き、オレなりに要約して解釈する。
「つまりオーガが受け入れられたか、または死んだかのどちらかなんですね?」
「はい。どちらにしても、しばらくは姿を現さないでしょう。
怒りの場合は、どこにぶつければいいか分からなくなり、破壊衝動によって見かけた人や動物を狩ります。愛情の場合は、子孫繁栄に励み、気が済むまで作業を続けますから……」
若いエルフは少し恥ずかしながらそう言った。
オレ達はそれを聞き、オーガの幸せが訪れたのだろうと勝手に判断し、お城に引き揚げて行った。
どの道、居ても状況は変わらない。
オークがオーガの役割を果たしてくれる以上、オレには何の問題もなかった。
オーガ、幸せに生きろと願う!
「しかし、すごい種族だな。何とも極端な行動だ」
オレが驚きながらそう言うと、シルビアさんは恥ずかしそうにしながら言う。
「愛する人とのいとなみは、女の子にとってもとても重要ですから……」
恥ずかしそうにするシルビアさんだったが、オレが目を見て話をしようとすると、冷静になって聞いてくれる。
オレは、シルビアさんを安心させるように語りかける。
「まずは、オレ達、結婚式をあげないとな!」
シルビアさんは、オレの言葉を聞き、はっきりとこう返事をした。
「はい!」
オレ達が結婚の計画を話していると、オークがそれを聞き、重要な事を教えてくれた。
「指輪がいるでねえか!
マモルの世界はどうか知らねえが、この世界じゃ、指輪は高価で、手に入りにくいだ。
ドワーフの工場まで行って、指輪の依頼をせんと行かねえぞ!」
オレはそれを聞き、オークに相談する。
「え? そうなの? じゃあ、ドワーフの工場に行こう!」
エルフ村の作業が終わったのは、昼過ぎだったので、馬車の運転手に行き先の変更を告げる。
オレとシルビアさんで、ドワーフの工場に向かう事にした。
オークは、エルフ村の彼女と一緒に生活するようだ。
彼女を作るのに最も必要なのは、本人のやる気だ。
それが出た以上、オークはもう大丈夫だろう。
エルフ村でデートを重ね、結婚するようにしたようだ。
オークとは、ここで別れる事にした。
「すいません。ドワーフの工場までお願いします」
オレが運転手にそう告げると、馬車はドワーフの工場へと進路を変えた。
シルビアさんは心配してドワーフ達の事を教えてくれる。
「ドワーフは、確かに優秀な金属加工人ですが、気に入った者にしか商品を作ってくれませんよ。人を選んで商売しているようです。
噂では、ドワーフ達は相当の剣の達人で、勝った者にしか金属細工品を差し上げないそうです。たとえどんなに金を積まれても、気に入った者にしか売ってくれないのだとか。金は、この世界で高級品なので、力の無い者が持つと、命さえ奪いかねない代物なんです。
その辺が関係して、強い人に渡すようにしているのでしょう。
もちろん、悪い人にも渡らない様にしての二重の予防でしょうけど……」
オレは、シルビアさんの話を聞くが、安心させるためにこう言う。
「オレの腕なら大丈夫だ!」
「あーん、ダーリンは頼もしい!」
言った後で、オレは後悔し始める。剣の実力など無いのだ。
オレの言葉を信頼し、抱き付くシルビアさんだが、オレはどうやってドワーフを倒そうかと考えていた。
剣なんて、重くて持てないよ! さて、どうしようか?
そう考えているうちに、ドワーフの工場に辿り着いた。
ドワーフの工場は、一つの街を形成しており、金属加工場は至る所にあり、更に他の街と同じような市場もある。街は活気にあふれていた。
その街の中心に、闘技場のようなドームが建てられている。
その建物から、剣と剣を打ち合うような激しい音がしている。
シルビアさんは、この街も良く知っているようで、行きつけのお店に顔を出す。
オレが見ると、そこはどう見ても普通の金属加工場だった。
規模は大きいが、他の金属加工場とさほど変わらない。
ただ、工場の隣に闘技場があるのを除いては……。
この闘技場で、この店のドワーフ達は、客の善し悪しを決めているらしい。
オレがそこを見に行くと、すでに戦っている人の姿がある。若い男のようだ。
その人もどうやら指輪を手に入れようと、奮闘している。しかし、差は歴然だった。
「この!」
男が力任せに剣を振るう。
「無駄だ! 姿勢がなってねえ!」
ドワーフと見られる年輩の男は、若者の剣を軽くいなす。
「これならどうだ!」
若者が、年配ドワーフの死角を突く攻撃をする。
いかに剣の腕が上といっても、力は若い男性の方がある。
年配ドワーフが剣を受けた瞬間、わずかに隙ができたような感じになる。
しかし、それはオレの勘違いであり、上手い事処理されてしまった。
「それじゃあ、奇襲にもならねえ! ここまでで終いだ!」
若者の攻撃を読んでいたようで、まるで後ろに目があるかのようにして、年配ドワーフは受け流した。
若者の剣を持つ握力が弱まり、剣は若者の手を離れて転がる。
「ああ!」
剣が地面に落ちた所を、年配ドワーフは男の剣を脚ではじき飛ばし、勝利した。
若者は負けを認め、うなだれる。
「ふん! まあ、悪くはなかった。剣の腕を磨いて、二年後に出直してこい!
女の子を守るには、そのくらいの力量がねえといけねえぜ!」
年配ドワーフは、剣を肩に置き、男を励ましている。
どうやら、何回でも挑戦はできるようだ。
年配ドワーフは、現実の厳しさを良く知っているため、若者達を鍛えているのだろう。
その証拠に、倒れている若い男性を手で支える等、優しい一面を持っているようだ。
「ふーむ、安定した剣の扱い方、かなりの腕ですね。どっしりとした強さを感じさせます」
シルビアさんは、ほほ笑みながらそう分析していた。
オレの眼から見ても、年配でありながら強そうなドワーフの剣士だった。
「おっと、新しい客か?」
年配ドワーフは、気配を感じ、オレの方を見る。
年配ドワーフはまだまだ余裕がある様で、オレとシルビアさんを見回してから、オレに笑いながらこう語りかける。
「うーん、続けて挑戦しても良いぜ! 兄ちゃんも指輪が欲しい口だろ!
ただ、美人さんの彼氏だから、よほど強くなきゃいけねえ。
俺も手加減はできんぜ。この世の中には、責任を果たさなきゃならねえ時がある。
俺はその選別を勝手にしているだけだ。だが、評判はなかなか良いぞ!」
年配ドワーフは屈託のない笑顔で、オレに笑い掛ける。
オレは笑い返すが、内心はこう思っていた。
(ちっ、余計なことを……)
オレは対策がする時間が欲しいと考え、年配ドワーフにこう言う。
「あんたはたった今、戦ったばかりだろ!
そんな疲れているおっさんを相手に戦って勝っても、試験をパスしたとは思えない。
一週間後だ! 一週間もあれば、あんたの身体も回復するだろ! その時に俺と勝負だ!」
オレはそう宣言する。
年配ドワーフも乗り気になり、こう返した。
「ほう、いいね! 一週間後には、この街の最強剣士が帰って来る。
面白い勝負になりそうだ!」
そう言って笑うドワーフに、シルビアさんが驚いたように言う。
「これほどの剣士以上がいるとは……。見た感じ、剣の先生くらいの腕前なのに……。
上には、上がいるものなんですね」
オレはやばいと考えたが、もう遅い。
オレと、謎の最強剣士との対決が開始される。
果たして、勝負になるのだろうか?
オレは、対戦相手に毒でも盛って、体調不良にさせた上で戦おうかなと、真剣に考え始めていた。
いずれにしろ、オレの発言により、勝負は一週間後に延期された。
シルビアさんは帰りの馬車の中で心配そうにオレにこう言う。
「おそらく剣の腕は最強格の相手、こちらも相当訓練しないと勝てませんよ!」
オレは冷静に答える。
すでに、オレの脳裏には、最強の剣士を倒す方法のアイデアが浮かんでいた。
後は、それを訓練し、自分の戦闘スタイルにするだけだ。
オレには、前々から考えていた戦い方を実行しようとする。
「そうだな。最強に等しいこのオレも、何かしらの訓練がいるだろうな。
シルビアさん、オレが必要とする物を買って来てくれ!」
オレはそう言って、シルビアさんにメモの紙を渡す。
技術者には、技術で対抗しようと考えていた。はたして、うまくいくのだろうか。
オレの特訓が始まろうとしていた。
大半は自分達が壊したわけだが、大切にしていた村を無くしては、住む場所さえもない。
捨てられた子犬のような目で美女達がオレに助けを求めて来た。
あんな凶悪な顔を見た後では、惚れることさえありえないが、資金を集めるには丁度良い条件だ。
村を復興するのを手伝いつつ、オレの経営する店も作る事にした。
オーガとエルフ達が仲良くなれば、オレが働かずとも資金が入ってくるのだ。
エルフの村の復興を少し手伝いながら、オーガとリーダーエルフが戻って来るのを待つ。
しばらくエルフ達も協力的でなかったが、オレ達に害が無い事を悟ると、次第に協力的になって来る。
しかし、復興が終わっても、オーガは姿を見せなかった。
まあ、オークにこの場所を提供する事で問題を解決する。
媚薬などを調達できるオークだ。
この場所でもうまくやっていけるだろう。
幸い、エルフの一人と徐々に仲良くなっているようだ。
賢い男は、顔がイマイチでもモテることはできる。
村のエルフ達は、自分達の経験を元に推測して言う。
「すいません。ウチら、怒ると我を忘れて攻撃してしまう種族なんです。
本来は、聡明で賢い種族なんですけど、恋愛や嫉妬などに燃えると、周りが見えなくなってしまうんです。
ウチらは、全員が良い男共を手に入れて、子孫を繁栄させる事ばかりを考えているので、望まない男に襲われたり、身体を弄ばれたりした場合は、その男共を殺して、関係者も皆殺しにする。
そこまで、ようやく怒りを抑えることができるのです。
結果的にオーガさんは、リーダーを守ったので、生きていると思うのですが……」
そう説明するエルフに、オレは優しく言う。
ここで関係をこじらせるのは嫌だ!
「一部の者(ここでエルフ全部が悪いと決めつけると、偏見があると思われて嫌われるので注意!)は、相当恐ろしい行動をする種族なんですね。
じゃあ、あなたが分析するに、オーガがあのエルフに連れ去られたのは?」
「うーん、何とも言えませんが、もしかしたら惚れたのかもしれません。
男は必ずしも顔で選んでいるわけではありません。
顔、体格、性格、度胸等、エルフ達の好みも様々で、別れますからね。
私のように、賢いオークに惚れる人もいます。
惚れた場合にも、あのような行動を取ります。
もちろん、全ての怒りがあのオーガに集中し、無残に殺されている場合もありますけど……」
エルフは不安そうにそう語る。
それを聞き、オレなりに要約して解釈する。
「つまりオーガが受け入れられたか、または死んだかのどちらかなんですね?」
「はい。どちらにしても、しばらくは姿を現さないでしょう。
怒りの場合は、どこにぶつければいいか分からなくなり、破壊衝動によって見かけた人や動物を狩ります。愛情の場合は、子孫繁栄に励み、気が済むまで作業を続けますから……」
若いエルフは少し恥ずかしながらそう言った。
オレ達はそれを聞き、オーガの幸せが訪れたのだろうと勝手に判断し、お城に引き揚げて行った。
どの道、居ても状況は変わらない。
オークがオーガの役割を果たしてくれる以上、オレには何の問題もなかった。
オーガ、幸せに生きろと願う!
「しかし、すごい種族だな。何とも極端な行動だ」
オレが驚きながらそう言うと、シルビアさんは恥ずかしそうにしながら言う。
「愛する人とのいとなみは、女の子にとってもとても重要ですから……」
恥ずかしそうにするシルビアさんだったが、オレが目を見て話をしようとすると、冷静になって聞いてくれる。
オレは、シルビアさんを安心させるように語りかける。
「まずは、オレ達、結婚式をあげないとな!」
シルビアさんは、オレの言葉を聞き、はっきりとこう返事をした。
「はい!」
オレ達が結婚の計画を話していると、オークがそれを聞き、重要な事を教えてくれた。
「指輪がいるでねえか!
マモルの世界はどうか知らねえが、この世界じゃ、指輪は高価で、手に入りにくいだ。
ドワーフの工場まで行って、指輪の依頼をせんと行かねえぞ!」
オレはそれを聞き、オークに相談する。
「え? そうなの? じゃあ、ドワーフの工場に行こう!」
エルフ村の作業が終わったのは、昼過ぎだったので、馬車の運転手に行き先の変更を告げる。
オレとシルビアさんで、ドワーフの工場に向かう事にした。
オークは、エルフ村の彼女と一緒に生活するようだ。
彼女を作るのに最も必要なのは、本人のやる気だ。
それが出た以上、オークはもう大丈夫だろう。
エルフ村でデートを重ね、結婚するようにしたようだ。
オークとは、ここで別れる事にした。
「すいません。ドワーフの工場までお願いします」
オレが運転手にそう告げると、馬車はドワーフの工場へと進路を変えた。
シルビアさんは心配してドワーフ達の事を教えてくれる。
「ドワーフは、確かに優秀な金属加工人ですが、気に入った者にしか商品を作ってくれませんよ。人を選んで商売しているようです。
噂では、ドワーフ達は相当の剣の達人で、勝った者にしか金属細工品を差し上げないそうです。たとえどんなに金を積まれても、気に入った者にしか売ってくれないのだとか。金は、この世界で高級品なので、力の無い者が持つと、命さえ奪いかねない代物なんです。
その辺が関係して、強い人に渡すようにしているのでしょう。
もちろん、悪い人にも渡らない様にしての二重の予防でしょうけど……」
オレは、シルビアさんの話を聞くが、安心させるためにこう言う。
「オレの腕なら大丈夫だ!」
「あーん、ダーリンは頼もしい!」
言った後で、オレは後悔し始める。剣の実力など無いのだ。
オレの言葉を信頼し、抱き付くシルビアさんだが、オレはどうやってドワーフを倒そうかと考えていた。
剣なんて、重くて持てないよ! さて、どうしようか?
そう考えているうちに、ドワーフの工場に辿り着いた。
ドワーフの工場は、一つの街を形成しており、金属加工場は至る所にあり、更に他の街と同じような市場もある。街は活気にあふれていた。
その街の中心に、闘技場のようなドームが建てられている。
その建物から、剣と剣を打ち合うような激しい音がしている。
シルビアさんは、この街も良く知っているようで、行きつけのお店に顔を出す。
オレが見ると、そこはどう見ても普通の金属加工場だった。
規模は大きいが、他の金属加工場とさほど変わらない。
ただ、工場の隣に闘技場があるのを除いては……。
この闘技場で、この店のドワーフ達は、客の善し悪しを決めているらしい。
オレがそこを見に行くと、すでに戦っている人の姿がある。若い男のようだ。
その人もどうやら指輪を手に入れようと、奮闘している。しかし、差は歴然だった。
「この!」
男が力任せに剣を振るう。
「無駄だ! 姿勢がなってねえ!」
ドワーフと見られる年輩の男は、若者の剣を軽くいなす。
「これならどうだ!」
若者が、年配ドワーフの死角を突く攻撃をする。
いかに剣の腕が上といっても、力は若い男性の方がある。
年配ドワーフが剣を受けた瞬間、わずかに隙ができたような感じになる。
しかし、それはオレの勘違いであり、上手い事処理されてしまった。
「それじゃあ、奇襲にもならねえ! ここまでで終いだ!」
若者の攻撃を読んでいたようで、まるで後ろに目があるかのようにして、年配ドワーフは受け流した。
若者の剣を持つ握力が弱まり、剣は若者の手を離れて転がる。
「ああ!」
剣が地面に落ちた所を、年配ドワーフは男の剣を脚ではじき飛ばし、勝利した。
若者は負けを認め、うなだれる。
「ふん! まあ、悪くはなかった。剣の腕を磨いて、二年後に出直してこい!
女の子を守るには、そのくらいの力量がねえといけねえぜ!」
年配ドワーフは、剣を肩に置き、男を励ましている。
どうやら、何回でも挑戦はできるようだ。
年配ドワーフは、現実の厳しさを良く知っているため、若者達を鍛えているのだろう。
その証拠に、倒れている若い男性を手で支える等、優しい一面を持っているようだ。
「ふーむ、安定した剣の扱い方、かなりの腕ですね。どっしりとした強さを感じさせます」
シルビアさんは、ほほ笑みながらそう分析していた。
オレの眼から見ても、年配でありながら強そうなドワーフの剣士だった。
「おっと、新しい客か?」
年配ドワーフは、気配を感じ、オレの方を見る。
年配ドワーフはまだまだ余裕がある様で、オレとシルビアさんを見回してから、オレに笑いながらこう語りかける。
「うーん、続けて挑戦しても良いぜ! 兄ちゃんも指輪が欲しい口だろ!
ただ、美人さんの彼氏だから、よほど強くなきゃいけねえ。
俺も手加減はできんぜ。この世の中には、責任を果たさなきゃならねえ時がある。
俺はその選別を勝手にしているだけだ。だが、評判はなかなか良いぞ!」
年配ドワーフは屈託のない笑顔で、オレに笑い掛ける。
オレは笑い返すが、内心はこう思っていた。
(ちっ、余計なことを……)
オレは対策がする時間が欲しいと考え、年配ドワーフにこう言う。
「あんたはたった今、戦ったばかりだろ!
そんな疲れているおっさんを相手に戦って勝っても、試験をパスしたとは思えない。
一週間後だ! 一週間もあれば、あんたの身体も回復するだろ! その時に俺と勝負だ!」
オレはそう宣言する。
年配ドワーフも乗り気になり、こう返した。
「ほう、いいね! 一週間後には、この街の最強剣士が帰って来る。
面白い勝負になりそうだ!」
そう言って笑うドワーフに、シルビアさんが驚いたように言う。
「これほどの剣士以上がいるとは……。見た感じ、剣の先生くらいの腕前なのに……。
上には、上がいるものなんですね」
オレはやばいと考えたが、もう遅い。
オレと、謎の最強剣士との対決が開始される。
果たして、勝負になるのだろうか?
オレは、対戦相手に毒でも盛って、体調不良にさせた上で戦おうかなと、真剣に考え始めていた。
いずれにしろ、オレの発言により、勝負は一週間後に延期された。
シルビアさんは帰りの馬車の中で心配そうにオレにこう言う。
「おそらく剣の腕は最強格の相手、こちらも相当訓練しないと勝てませんよ!」
オレは冷静に答える。
すでに、オレの脳裏には、最強の剣士を倒す方法のアイデアが浮かんでいた。
後は、それを訓練し、自分の戦闘スタイルにするだけだ。
オレには、前々から考えていた戦い方を実行しようとする。
「そうだな。最強に等しいこのオレも、何かしらの訓練がいるだろうな。
シルビアさん、オレが必要とする物を買って来てくれ!」
オレはそう言って、シルビアさんにメモの紙を渡す。
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