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第二章 クラン街の悪夢
第34話 消えたシルビアさん
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朝になってシルビアさんが消えていた。
別にケンカしたわけでも、トイレに行ったのでもなさそうだが……。
シルビアさんは気分が悪くなり、家のどこかにいるのではないだろうか?
そう考えたオレは、家のいたる所を捜す。
トイレ、お風呂場、寝室、思い当たる所を全て捜した。
しかし、どこにも見当たらない。
食糧を買いに行ったのではないかと街に出かけてみる。
シルビアさんが行きそうな食料品売り場、コンビニ、デパートまで行ってみたがどこにもいない。
他には、行くあてもないので家に戻ってみる。
自分の部屋に戻り、シルビアさんと謎の少女の代わりにいた女子高生?(ただのコスプレイヤーかもしれないが……)に話しかけてみる事にした。
幼女は通じなかったが、彼女には分かるのだろうか?
オレは手ぶりを使って、必死に伝えようとする。
「君は誰? ここにいた人はどこに行ったのかな?
十五歳くらいの少女がいたはずだけど、その子もいないんだ。君の妹かな?」
オレはゆっくりそう話しかけるが、女子高生は理解できないようで、首をかしげる。
その女子高生の服は、日本の制服じゃないかよ。
そんな服着ているんだから、日本語くらいは話せるだろと、突っ込みたくなる気持ちを抑えて絵を描いて話そうとする。
絵は苦手だったが、自分の想いを伝える事は出来るだろう。
そう考えて、下手な絵を描き続けた。
そうこうしていると、女子高生の目が潤んで来て、オレに抱き付いて来る。
夢の中で勘違いしているのだろうかと考えるも、その想い(人を恋する想いが伝わる事)じゃないよと突っ込んでみる。
女子高生は一瞬止まるが、次はキスをして来ようとする。
実際に、初恋の女子の面影があって、あらがうことができない。
キスをされつつも、こいつ慣れているなと考える余裕はあった。
しかし、このままではまずい。
化け物かもしれない相手とディープキス、毒を盛られてもおかしくない展開だ。
そう思った瞬間、オレは彼女を突き飛ばしていた。
オレの抵抗に驚きを露わにする彼女だが、誘惑を止めようとしない。
無理矢理に襲おうとする気で迫って来ていた。
以前に、シルビアさんが媚薬の影響で襲ってきた事はあるが、その時とは違う冷たい感じがした。
機械的に交渉を持とうとするようなそんな感じだ。
目が少しも笑っていず、人形のように一点を凝視して動かない。
恐怖に駆られたオレは、女子高生を突き飛ばして逃げる事にした。
化け物とはいえ女子高生、成人男性の力の前には敵わなかった。
とりあえず外に逃げ出し、頃合いを見計らって戻る事にした。
健全な男として情けないというような事を言われているかもしれないが、さっき襲って来たのはまるで生きた人形のような奇怪な生物だったのだ。
マネキンに襲われる夢を見たことがあるだろうか?
表情の変わらず、人の体温もしない物体に追いかけられるのは、恐怖以外の何物でもない。
じっとしていて、襲われたいとは夢にも思わないはずだ。
外に出てみたオレだが、今度は大勢のマネキンに襲われたらどうしようと考え始めていた。
街全体から、ゾンビの様なマネキンが襲って来る。
想像しただけでも恐ろしい夢だ。
それが現実で起こると思うと、恐怖は倍増していく。
早くシルビアさんに会いたい。
温かい身体で優しく包んでもらいたいと感じていた。
幸い、マネキンのような化け物はあれ一体であるらしく、家の外にはいなかった。
それでも、あの怪物がいるかもしれないと思うだけで、家に帰ろうとする足が動かない。シルビアさん、助けてと思っていると、スマートフォンからメールがあった。
メールの相手はシルビアさんであり、今どこにいるかを伝えて来た。
オレはホッと安心する。
「私は今、あなたの部屋にいます。
異世界から脱出する方法を発見したので、急いで来て下さい!」
「おお、さすがシルビアさん。乗り物でも見付けたのだろうか?
後、異次元ゲートを開かなきゃならないけど……」
オレはそう返信し、自分の家の方に向かった。
あの化け物がいるかもしれないと思い、ゆっくりと移動する。
家の近くまで来た時、メールの返信があった。
「大丈夫です! 全ての準備は整っています。
後は、あなたが来てくれれば問題ありません」
どうやらシルビアさんの方が、異世界に旅行する者として先輩のようだ。
何も心配する事は無いんだなと思い、化け物に遭わないように願いながら部屋を目指して行く。
心配とは裏腹に、何にも遭遇せずに部屋の前に着いた。
部屋の扉を開けると、そこにはほぼ裸同然のシルビアさんが座っていた。
下着はつけているものの、いつものシルビアさんと違って大胆な格好だ。
いくらなんでもおかしいと感じるが、対シルビアさんに似た化け物の対処法はバッチリだったため、とりあえずゆっくりと近づいて行く。
シルビアさんからはお風呂に入りたての石鹸の香りがしていた。
普通の成人男性ならば、このシュチュエーションだけで我を忘れて押し倒している所であろうが、オレは冷静に判断して本人かどうかを確かめるつもりだ。
異世界に旅する者として、この冷静な判断力こそが最大の武器となり得るのだ。
昨日、シルビアさんの身体から得たデータを思い出し、この目の前にいるシルビアさんかを確かめようとしていた。
とりあえず昨日確かめた方法のパイタッチ(オッパイを触って本物かどうかを確かめる方法)をする事にした。
果たして、昨日のシルビアさんと同じ張り、大きさ、柔らかさ、感度だろうか?
少しでも違いを見逃せば命は無いかもしれないのだ。
緊張が辺りを包みこんでいた。
下から包み込むようにして揉む。
(うーむ、昨日と同じ大きさと柔らかさだ。
感度はシュチュエーションによって変わるため、確かな事は言えない。
会議室や電車の中で偶然触ってしまうのと、二人っきりでムード満点の中では明らかに反応が違うのと同じだ。
形、色、柔らかさはどれも昨日のシルビアさんと比べて違いがない)
一瞬、オレの背筋に冷や汗を流す。
このシュチュエーションは、怪物がシルビアさんに化けているのが一般的だ。
しかし、目の前にいるシルビアさんのオッパイは、紛れもなく昨日のシルビアさんのオッパイその物だった。
果たして、この感覚を信じていいものだろうか?
オレは更にキスをして確かめる事にする。
唇を近づけた時の匂いはシルビアさんの匂いとそん色がない。
やはり本物のシルビアさんなのかと、オレが気を許そうとした瞬間、昨日と違う行為をして来たのである。
別にケンカしたわけでも、トイレに行ったのでもなさそうだが……。
シルビアさんは気分が悪くなり、家のどこかにいるのではないだろうか?
そう考えたオレは、家のいたる所を捜す。
トイレ、お風呂場、寝室、思い当たる所を全て捜した。
しかし、どこにも見当たらない。
食糧を買いに行ったのではないかと街に出かけてみる。
シルビアさんが行きそうな食料品売り場、コンビニ、デパートまで行ってみたがどこにもいない。
他には、行くあてもないので家に戻ってみる。
自分の部屋に戻り、シルビアさんと謎の少女の代わりにいた女子高生?(ただのコスプレイヤーかもしれないが……)に話しかけてみる事にした。
幼女は通じなかったが、彼女には分かるのだろうか?
オレは手ぶりを使って、必死に伝えようとする。
「君は誰? ここにいた人はどこに行ったのかな?
十五歳くらいの少女がいたはずだけど、その子もいないんだ。君の妹かな?」
オレはゆっくりそう話しかけるが、女子高生は理解できないようで、首をかしげる。
その女子高生の服は、日本の制服じゃないかよ。
そんな服着ているんだから、日本語くらいは話せるだろと、突っ込みたくなる気持ちを抑えて絵を描いて話そうとする。
絵は苦手だったが、自分の想いを伝える事は出来るだろう。
そう考えて、下手な絵を描き続けた。
そうこうしていると、女子高生の目が潤んで来て、オレに抱き付いて来る。
夢の中で勘違いしているのだろうかと考えるも、その想い(人を恋する想いが伝わる事)じゃないよと突っ込んでみる。
女子高生は一瞬止まるが、次はキスをして来ようとする。
実際に、初恋の女子の面影があって、あらがうことができない。
キスをされつつも、こいつ慣れているなと考える余裕はあった。
しかし、このままではまずい。
化け物かもしれない相手とディープキス、毒を盛られてもおかしくない展開だ。
そう思った瞬間、オレは彼女を突き飛ばしていた。
オレの抵抗に驚きを露わにする彼女だが、誘惑を止めようとしない。
無理矢理に襲おうとする気で迫って来ていた。
以前に、シルビアさんが媚薬の影響で襲ってきた事はあるが、その時とは違う冷たい感じがした。
機械的に交渉を持とうとするようなそんな感じだ。
目が少しも笑っていず、人形のように一点を凝視して動かない。
恐怖に駆られたオレは、女子高生を突き飛ばして逃げる事にした。
化け物とはいえ女子高生、成人男性の力の前には敵わなかった。
とりあえず外に逃げ出し、頃合いを見計らって戻る事にした。
健全な男として情けないというような事を言われているかもしれないが、さっき襲って来たのはまるで生きた人形のような奇怪な生物だったのだ。
マネキンに襲われる夢を見たことがあるだろうか?
表情の変わらず、人の体温もしない物体に追いかけられるのは、恐怖以外の何物でもない。
じっとしていて、襲われたいとは夢にも思わないはずだ。
外に出てみたオレだが、今度は大勢のマネキンに襲われたらどうしようと考え始めていた。
街全体から、ゾンビの様なマネキンが襲って来る。
想像しただけでも恐ろしい夢だ。
それが現実で起こると思うと、恐怖は倍増していく。
早くシルビアさんに会いたい。
温かい身体で優しく包んでもらいたいと感じていた。
幸い、マネキンのような化け物はあれ一体であるらしく、家の外にはいなかった。
それでも、あの怪物がいるかもしれないと思うだけで、家に帰ろうとする足が動かない。シルビアさん、助けてと思っていると、スマートフォンからメールがあった。
メールの相手はシルビアさんであり、今どこにいるかを伝えて来た。
オレはホッと安心する。
「私は今、あなたの部屋にいます。
異世界から脱出する方法を発見したので、急いで来て下さい!」
「おお、さすがシルビアさん。乗り物でも見付けたのだろうか?
後、異次元ゲートを開かなきゃならないけど……」
オレはそう返信し、自分の家の方に向かった。
あの化け物がいるかもしれないと思い、ゆっくりと移動する。
家の近くまで来た時、メールの返信があった。
「大丈夫です! 全ての準備は整っています。
後は、あなたが来てくれれば問題ありません」
どうやらシルビアさんの方が、異世界に旅行する者として先輩のようだ。
何も心配する事は無いんだなと思い、化け物に遭わないように願いながら部屋を目指して行く。
心配とは裏腹に、何にも遭遇せずに部屋の前に着いた。
部屋の扉を開けると、そこにはほぼ裸同然のシルビアさんが座っていた。
下着はつけているものの、いつものシルビアさんと違って大胆な格好だ。
いくらなんでもおかしいと感じるが、対シルビアさんに似た化け物の対処法はバッチリだったため、とりあえずゆっくりと近づいて行く。
シルビアさんからはお風呂に入りたての石鹸の香りがしていた。
普通の成人男性ならば、このシュチュエーションだけで我を忘れて押し倒している所であろうが、オレは冷静に判断して本人かどうかを確かめるつもりだ。
異世界に旅する者として、この冷静な判断力こそが最大の武器となり得るのだ。
昨日、シルビアさんの身体から得たデータを思い出し、この目の前にいるシルビアさんかを確かめようとしていた。
とりあえず昨日確かめた方法のパイタッチ(オッパイを触って本物かどうかを確かめる方法)をする事にした。
果たして、昨日のシルビアさんと同じ張り、大きさ、柔らかさ、感度だろうか?
少しでも違いを見逃せば命は無いかもしれないのだ。
緊張が辺りを包みこんでいた。
下から包み込むようにして揉む。
(うーむ、昨日と同じ大きさと柔らかさだ。
感度はシュチュエーションによって変わるため、確かな事は言えない。
会議室や電車の中で偶然触ってしまうのと、二人っきりでムード満点の中では明らかに反応が違うのと同じだ。
形、色、柔らかさはどれも昨日のシルビアさんと比べて違いがない)
一瞬、オレの背筋に冷や汗を流す。
このシュチュエーションは、怪物がシルビアさんに化けているのが一般的だ。
しかし、目の前にいるシルビアさんのオッパイは、紛れもなく昨日のシルビアさんのオッパイその物だった。
果たして、この感覚を信じていいものだろうか?
オレは更にキスをして確かめる事にする。
唇を近づけた時の匂いはシルビアさんの匂いとそん色がない。
やはり本物のシルビアさんなのかと、オレが気を許そうとした瞬間、昨日と違う行為をして来たのである。
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