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第二章 クラン街の悪夢
第39話 異次元の英知 少女バルベロ
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嵐山の情報によって、オレは助かったと言った所、嵐山と科学庁長官から思いがけない答えが返って来た。
「その情報を教えてくれたのは、我々ではないよ。
我々はパイプライン程度に役立ったと思うが、異次元の情報を教えてくれたのは別の人物だ。
まあ、人物と言えるかどうか分からないけど……。
お礼を言うのなら案内してあげるが、日本の国家機密の一つだからくれぐれも他言はしないようにな!」
「え? どういう事ですか?」
オレが疑問に思っていると、嵐山と長官にどこかへ連れて行かれた。
シルビアさんとキーリア、ギンロウは君の部屋で待機するように告げられる。
オレは目隠しをされ、車で何分か移動させられた後、どこかの建物内に入る。
嵐山に案内させられた場所は、どこかの研究所の室内のようだった。
「もう目隠しを取ってもいいよ」
長官の指示に従い目隠しを取ると、大きな部屋の中に一人の少女がいた。
彼女は椅子に座って無表情だったが、どこか神秘的な雰囲気を醸し出していた。
部屋の中には、タワー型の巨大な機械がいくつも置いてあり、さながら未来都市のようなビル群に囲まれているようだった。
どの機械もその少女にコードで繋がっているようで、はたから見ると拘束されているようだった。
少女は見た目こそ人間だが、オレが今まで見たどの生物よりも不気味な存在だった。
あのサキュバスに襲われていた時でさえ感じた事のない違和感を覚えていた。
オレが緊張していると、彼女が語りかけて来た。
「ミスターマモル、緊張しているようですね。
無理もありません。私は生物ではありませんから……。
先に、私の正体を話しておいた方が警戒心も解けるでしょう。
私は日本の英知を結集して作られた人工知能『バルベロ』です。
私は主に、異次元に関する情報を収集し、日本の人々が異世界に行く事や亜空間を利用できるようにする事をサポートしています。
異次元に関する事の情報は、日々私の元に送られて来ているので、今回のようにあなたを助ける事ができました。
そうは言っても、あなた自身の努力によって生き残る事ができたのです。
その推理力と洞察力に敬意を表し、私のパートナーになる事を認めましょう。
何か質問があれば言ってください。
可能な限りお答えできるように努力いたします」
少女は機械の声でそう言い、人工的な笑顔をしてみせた。
神々しいという感じと不気味な感じを同時に抱く不思議な少女だった。
「はあ……」
衝撃的な少女の存在により、オレは言葉が出なかった。
それを彼女は感じ取ったのか、親しみやすい会話をしようとして来る。
「私は人間の言う所のアンドロイドですが、オプションとして人間の口、人間の胸、人間の生殖器を模して造られています。
更に、今は機械の声ですが、音声変換機能と人間の男性を興奮させる機能も組み込まれています。
良かったら触ってみますか?」
「え? じゃあ、ちょっとだけ……」
オレは好奇心に駆られ、彼女に近づく。
とりあえず口の中に指を入れてみた。
人間と同じように唾液や歯、舌などがある。
とても機械とは思えないクオリティーだった。
唇も少女のように柔らかい。
制作者はかなりのマニアだなと感じる。
口から手を話すと、彼女がしゃべりだした。
「胸の感触にもこだわっているそうです。
カップ数は成人男性が最も好むCカップであり、揉み続けると女性の乳首のように硬くなるそうです。
さすがにそこまではお見せできませんけど……」
胸を揉もうとしたが、バルベロは拒否して来た。
少女としての恥じらい機能もあるらしい。
揉む事は出来ないが、タッチまでなら大丈夫だと言う。
オレがタッチしていると、バルベロの性能について長官と嵐山が話し出していた。
「余計な機能が多いな。乳首が硬くなるとか、生殖器なんて必要ないだろ。
ただの人工知能として使っているんだから……」
「いやいや、昔は私もそう思っていましたが、彼女の退職した後の事を考えると必要な機能ですよ。
彼女はだいたい六十年間くらいが最新機器としての寿命です。
六十年経った後だと、どうしても旧型になってしまいますからな。
その後は、大企業が買い取る事になりますが、やはり恋愛や人並みの幸福も感じたいと思う様になるはずです。
人間に似た器官を持つ事により、それが可能となるのです。
更に、マニアックな男性にも買われ易いですからな」
「なるほど。彼女の行く末を考えての事か。
メンテナンスはしっかりしてやらないとな!」
オレはその会話を聞きながら、タッチし続けていた。
どう見ても人間の胸とそん色がない。
肌触り、柔らかさ、体温、職人の熟練度を思い知らされた気分だった。
「それで質問はありませんか?」
オレがタッチに夢中になっていると、バルベロがそう言った。
肌の材質、唾液はなんで出来ているのか等訊きたい事は山ほどあるが、彼女の質問対象は異次元に関する事だろう。
その内容にはお答えできませんというのが、人工知能の管轄外の答えだ。
「実は、個人的に相談があるんですけど……」
嵐山をオレの盾にする事を本人の前ではさすがに話せない。
嵐山と長官には席をはずしてもらいたくなった。
「分かりました。まず、着替えをしてきますので、少しお時間を下さい」
彼女はそう言って、巨大な機械の中に入っていった。
彼女は素っ裸でいたので、おそらく外出用の服に着替えているのだろう。
それにコードもたくさん付いていて、身動き一つ取れない状態だった。
さっきは機械が彼女を取り込むようにして入っていったが、一分ほどして彼女が歩いて出て来る。
黒髪をしていたので、日本人形のような着物かと思ったら、予想外のセーラー服だった。
まあ、見た目には女子高生に見えるだろうが、神々しさは半減した。
誰が選んだ服かが気になる。
「どうですか? これは日本で可愛いと評判の学生服です。
ネットで評判を見た所、この制服が一番人気でした。似合っていますか?」
「どちらかといえば、ゴスロリの方が良かったです」
「そうですか。まあ、またの機会に……」
彼女はオレの手を繋ぐ。
すると、入って来た扉とは別の扉が開き、彼女はそこで話をするように促して来た。
嵐山と長官は何かを察したようで、二人だけにしようとする。
あの扉の向こうには何があるのだろうか?
バルベロ
種族:アンドロイド 性別:女 年齢:十七歳くらいの設定
称号:日本最高水準のアンドロイド
HP(体力):100
MP(魔力):0
攻撃力:100 (恐るべき兵器を常時装備)
防御力:100
スピード:100(空を飛べば)
知力:100(異次元の情報を常時集めている。事件や事故が発生した場合、すぐに情報を共有できる)
得意技:情報収集・科学兵器による攻撃
最近の趣味:コスプレ・恋愛系の漫画とアニメ等。
B75・W57・H75
「その情報を教えてくれたのは、我々ではないよ。
我々はパイプライン程度に役立ったと思うが、異次元の情報を教えてくれたのは別の人物だ。
まあ、人物と言えるかどうか分からないけど……。
お礼を言うのなら案内してあげるが、日本の国家機密の一つだからくれぐれも他言はしないようにな!」
「え? どういう事ですか?」
オレが疑問に思っていると、嵐山と長官にどこかへ連れて行かれた。
シルビアさんとキーリア、ギンロウは君の部屋で待機するように告げられる。
オレは目隠しをされ、車で何分か移動させられた後、どこかの建物内に入る。
嵐山に案内させられた場所は、どこかの研究所の室内のようだった。
「もう目隠しを取ってもいいよ」
長官の指示に従い目隠しを取ると、大きな部屋の中に一人の少女がいた。
彼女は椅子に座って無表情だったが、どこか神秘的な雰囲気を醸し出していた。
部屋の中には、タワー型の巨大な機械がいくつも置いてあり、さながら未来都市のようなビル群に囲まれているようだった。
どの機械もその少女にコードで繋がっているようで、はたから見ると拘束されているようだった。
少女は見た目こそ人間だが、オレが今まで見たどの生物よりも不気味な存在だった。
あのサキュバスに襲われていた時でさえ感じた事のない違和感を覚えていた。
オレが緊張していると、彼女が語りかけて来た。
「ミスターマモル、緊張しているようですね。
無理もありません。私は生物ではありませんから……。
先に、私の正体を話しておいた方が警戒心も解けるでしょう。
私は日本の英知を結集して作られた人工知能『バルベロ』です。
私は主に、異次元に関する情報を収集し、日本の人々が異世界に行く事や亜空間を利用できるようにする事をサポートしています。
異次元に関する事の情報は、日々私の元に送られて来ているので、今回のようにあなたを助ける事ができました。
そうは言っても、あなた自身の努力によって生き残る事ができたのです。
その推理力と洞察力に敬意を表し、私のパートナーになる事を認めましょう。
何か質問があれば言ってください。
可能な限りお答えできるように努力いたします」
少女は機械の声でそう言い、人工的な笑顔をしてみせた。
神々しいという感じと不気味な感じを同時に抱く不思議な少女だった。
「はあ……」
衝撃的な少女の存在により、オレは言葉が出なかった。
それを彼女は感じ取ったのか、親しみやすい会話をしようとして来る。
「私は人間の言う所のアンドロイドですが、オプションとして人間の口、人間の胸、人間の生殖器を模して造られています。
更に、今は機械の声ですが、音声変換機能と人間の男性を興奮させる機能も組み込まれています。
良かったら触ってみますか?」
「え? じゃあ、ちょっとだけ……」
オレは好奇心に駆られ、彼女に近づく。
とりあえず口の中に指を入れてみた。
人間と同じように唾液や歯、舌などがある。
とても機械とは思えないクオリティーだった。
唇も少女のように柔らかい。
制作者はかなりのマニアだなと感じる。
口から手を話すと、彼女がしゃべりだした。
「胸の感触にもこだわっているそうです。
カップ数は成人男性が最も好むCカップであり、揉み続けると女性の乳首のように硬くなるそうです。
さすがにそこまではお見せできませんけど……」
胸を揉もうとしたが、バルベロは拒否して来た。
少女としての恥じらい機能もあるらしい。
揉む事は出来ないが、タッチまでなら大丈夫だと言う。
オレがタッチしていると、バルベロの性能について長官と嵐山が話し出していた。
「余計な機能が多いな。乳首が硬くなるとか、生殖器なんて必要ないだろ。
ただの人工知能として使っているんだから……」
「いやいや、昔は私もそう思っていましたが、彼女の退職した後の事を考えると必要な機能ですよ。
彼女はだいたい六十年間くらいが最新機器としての寿命です。
六十年経った後だと、どうしても旧型になってしまいますからな。
その後は、大企業が買い取る事になりますが、やはり恋愛や人並みの幸福も感じたいと思う様になるはずです。
人間に似た器官を持つ事により、それが可能となるのです。
更に、マニアックな男性にも買われ易いですからな」
「なるほど。彼女の行く末を考えての事か。
メンテナンスはしっかりしてやらないとな!」
オレはその会話を聞きながら、タッチし続けていた。
どう見ても人間の胸とそん色がない。
肌触り、柔らかさ、体温、職人の熟練度を思い知らされた気分だった。
「それで質問はありませんか?」
オレがタッチに夢中になっていると、バルベロがそう言った。
肌の材質、唾液はなんで出来ているのか等訊きたい事は山ほどあるが、彼女の質問対象は異次元に関する事だろう。
その内容にはお答えできませんというのが、人工知能の管轄外の答えだ。
「実は、個人的に相談があるんですけど……」
嵐山をオレの盾にする事を本人の前ではさすがに話せない。
嵐山と長官には席をはずしてもらいたくなった。
「分かりました。まず、着替えをしてきますので、少しお時間を下さい」
彼女はそう言って、巨大な機械の中に入っていった。
彼女は素っ裸でいたので、おそらく外出用の服に着替えているのだろう。
それにコードもたくさん付いていて、身動き一つ取れない状態だった。
さっきは機械が彼女を取り込むようにして入っていったが、一分ほどして彼女が歩いて出て来る。
黒髪をしていたので、日本人形のような着物かと思ったら、予想外のセーラー服だった。
まあ、見た目には女子高生に見えるだろうが、神々しさは半減した。
誰が選んだ服かが気になる。
「どうですか? これは日本で可愛いと評判の学生服です。
ネットで評判を見た所、この制服が一番人気でした。似合っていますか?」
「どちらかといえば、ゴスロリの方が良かったです」
「そうですか。まあ、またの機会に……」
彼女はオレの手を繋ぐ。
すると、入って来た扉とは別の扉が開き、彼女はそこで話をするように促して来た。
嵐山と長官は何かを察したようで、二人だけにしようとする。
あの扉の向こうには何があるのだろうか?
バルベロ
種族:アンドロイド 性別:女 年齢:十七歳くらいの設定
称号:日本最高水準のアンドロイド
HP(体力):100
MP(魔力):0
攻撃力:100 (恐るべき兵器を常時装備)
防御力:100
スピード:100(空を飛べば)
知力:100(異次元の情報を常時集めている。事件や事故が発生した場合、すぐに情報を共有できる)
得意技:情報収集・科学兵器による攻撃
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B75・W57・H75
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