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第三章 七人の赤い悪魔
第62話 VSレッドキャップ(アックス)
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アビナがレッドキャップ(ハンマー)を倒していた頃、オレはレッドキャップ(アックス)と戦っていた。
五分ほど前にオーガと合流し、オーガが魔物と戦っているのを発見したのだ。
オレは、さっさと魔物を倒そうと背後から攻撃するも、魔物がオーガの力を利用して、オレを攻撃して来る。
オーガはオノの攻撃を掴んで止めていたのだが、オレが後ろに来る事を確認すると、一気に後ろに下がってオーガの力を利用し、ブーメランのように飛んで来てオレを攻撃する。
オレはその攻撃を受け止めたが、力の差が歴然であり、一気に吹っ飛ばされてしまう。
オレはオーガと力を合わせなければ魔物を倒せないと思っているが、出て来た言葉はなぜか違っていた。
「オーガ、アビナの方を助けに行け! こいつはオレが倒すから……」
オーガがアビナのいる方向を無意識に振り向いたので、思わずそう言ってしまったのだ。それが結果的にアビナの命を救ったのだが、オレは言った言葉を後悔した。
オーガに言葉を訂正して、一緒に戦って欲しいと言った時には、オーガはすでに姿を消していた。
まあ、仕方ない。オレが同じ立場だったら、迷わずシルビアさんを助けに行くからな。
そう考えていると、オレの脳内に笑顔のシルビアさんが浮かんできた。
残って家にいるシルビアさんはというと、オレ達が二日経っても帰って来ないので、相当心配していた。
バルベロが励ます言葉も聞かず、事件現場に行こうとする。
思い立つとすぐ行動してしまう人だから、行動を見守るのも大変だろう。
有能な人物ほど、他の人を助けようとして先走ってしまう事は好くある事だ。
確かに、シルビアさんは強いし、オレの助けになってくれるが、今回は相手も状況も悪い。
敵は亜空間に入った者を子供にしてしまう能力がある上に、シルビアさんは妊娠していた。もしも、敵の亜空間に取りこまれてしまえば、お腹の子供は消滅してしまうだろう。
そうなってしまえば、流産や堕胎ではないけども精神的ショックを受けてしまうだろう。
場合によっては、何年も子供の事で思い悩むのだ。
シルビアさんがそんな状況にならない様に、バルベロにはしっかり頑張ってもらいたい。
シルビアさんの裏をかく作戦は怖いが、バルベロの状況分析と行動の予測からことごとく阻止していた。
シルビアさんがバルベロの予測を上回る前に、赤い魔物であるレッドキャップを倒し、亜空間から脱出しなければならない。
オレはナイフを持ち直し、レッドキャップの攻撃を受け流そうとするが、予想以上に力の差があり、身体ごと飛ばされてしまう。
大人のオレでも受け流すのが精一杯だったのに、子供の力ではできるはずもない。
オレがこの強敵を倒すには、広い空間が必要だった。
魔物の攻撃を受けず、ナイフで攻撃できれば、子供の姿のオレでも勝つ事ができる。
オレはそう思い、城の上層部にある広い空間を目指して上っていく。
城の最上部で一番広い空間であり、かつて黄金のドラゴンが現れた時に飛び移った場所もここである。
オレがその場所に辿り着くと、時刻は夜明けであった。
朝日が昇り始め、すでに三日経っていた事をオレに知らせてくれる。
オレを追って来たレッドキャップを見て、オレは決意する。
今日でこの魔物と決別すると!
オレは魔物が出て来た所を見計らい、ナイフを飛ばして攻撃する。
火薬を仕込んだ高速のナイフであり、たとえレッドキャップといえども、直撃すれば貫通させるほどの威力がある。
それを出会いがしらに攻撃するのだ。
城の壁と扉が眼隠しとなり、レッドキャップに襲いかかる。
この一撃で決められるだろうか?
そう甘くは無かった。
レッドキャップはオノを、刃を中心に持つ事により、高速回転させてオレのナイフ攻撃を防いだ。
まさか、槍の防御と同じような防御法ができるとは思わなかった。
レッドキャップはオレの攻撃を防ぎきった事を確認すると、オノを振り、ブーメランのように飛んで来てオレを攻撃する。
一見弱いように見える攻撃だが、これをナイフでまともに受けると吹っ飛ばされるか、腕の骨を折られるかのどちらかである。
今この場所でその二つが起こる事は、死を意味していた。
かといって、そのまま斬られるわけにはいかない。
オレは、オノの攻撃を受け止めて防ぐ事を止め、ナイフで攻撃する。
今までオノの攻撃をナイフで受け止めようとして失敗して来たのだ。
ならば、受け止めずに、ナイフでレッドキャップを攻撃し、相手が攻撃して来る前に倒すことにした。
要は、レッドキャップのオノの攻撃が先にオレに当たるか、オレのナイフが先にレッドキャップを貫くかの戦いである。
生半可なナイフ投げでは、高速回転するレッドキャップを貫く事は出来ないが、火薬を仕込んだ高速のナイフだからこそできる技だった。
しかし、オレのナイフもそう数は無い。持久戦に持ち込まれた場合、オレが不利だ。
最初の数手で決めてしまわなければ、オレの負けが決まって来る。
果たして、オレはこの強敵であるレッドキャップ(アックス)を倒す事ができるのだろうか?
五分ほど前にオーガと合流し、オーガが魔物と戦っているのを発見したのだ。
オレは、さっさと魔物を倒そうと背後から攻撃するも、魔物がオーガの力を利用して、オレを攻撃して来る。
オーガはオノの攻撃を掴んで止めていたのだが、オレが後ろに来る事を確認すると、一気に後ろに下がってオーガの力を利用し、ブーメランのように飛んで来てオレを攻撃する。
オレはその攻撃を受け止めたが、力の差が歴然であり、一気に吹っ飛ばされてしまう。
オレはオーガと力を合わせなければ魔物を倒せないと思っているが、出て来た言葉はなぜか違っていた。
「オーガ、アビナの方を助けに行け! こいつはオレが倒すから……」
オーガがアビナのいる方向を無意識に振り向いたので、思わずそう言ってしまったのだ。それが結果的にアビナの命を救ったのだが、オレは言った言葉を後悔した。
オーガに言葉を訂正して、一緒に戦って欲しいと言った時には、オーガはすでに姿を消していた。
まあ、仕方ない。オレが同じ立場だったら、迷わずシルビアさんを助けに行くからな。
そう考えていると、オレの脳内に笑顔のシルビアさんが浮かんできた。
残って家にいるシルビアさんはというと、オレ達が二日経っても帰って来ないので、相当心配していた。
バルベロが励ます言葉も聞かず、事件現場に行こうとする。
思い立つとすぐ行動してしまう人だから、行動を見守るのも大変だろう。
有能な人物ほど、他の人を助けようとして先走ってしまう事は好くある事だ。
確かに、シルビアさんは強いし、オレの助けになってくれるが、今回は相手も状況も悪い。
敵は亜空間に入った者を子供にしてしまう能力がある上に、シルビアさんは妊娠していた。もしも、敵の亜空間に取りこまれてしまえば、お腹の子供は消滅してしまうだろう。
そうなってしまえば、流産や堕胎ではないけども精神的ショックを受けてしまうだろう。
場合によっては、何年も子供の事で思い悩むのだ。
シルビアさんがそんな状況にならない様に、バルベロにはしっかり頑張ってもらいたい。
シルビアさんの裏をかく作戦は怖いが、バルベロの状況分析と行動の予測からことごとく阻止していた。
シルビアさんがバルベロの予測を上回る前に、赤い魔物であるレッドキャップを倒し、亜空間から脱出しなければならない。
オレはナイフを持ち直し、レッドキャップの攻撃を受け流そうとするが、予想以上に力の差があり、身体ごと飛ばされてしまう。
大人のオレでも受け流すのが精一杯だったのに、子供の力ではできるはずもない。
オレがこの強敵を倒すには、広い空間が必要だった。
魔物の攻撃を受けず、ナイフで攻撃できれば、子供の姿のオレでも勝つ事ができる。
オレはそう思い、城の上層部にある広い空間を目指して上っていく。
城の最上部で一番広い空間であり、かつて黄金のドラゴンが現れた時に飛び移った場所もここである。
オレがその場所に辿り着くと、時刻は夜明けであった。
朝日が昇り始め、すでに三日経っていた事をオレに知らせてくれる。
オレを追って来たレッドキャップを見て、オレは決意する。
今日でこの魔物と決別すると!
オレは魔物が出て来た所を見計らい、ナイフを飛ばして攻撃する。
火薬を仕込んだ高速のナイフであり、たとえレッドキャップといえども、直撃すれば貫通させるほどの威力がある。
それを出会いがしらに攻撃するのだ。
城の壁と扉が眼隠しとなり、レッドキャップに襲いかかる。
この一撃で決められるだろうか?
そう甘くは無かった。
レッドキャップはオノを、刃を中心に持つ事により、高速回転させてオレのナイフ攻撃を防いだ。
まさか、槍の防御と同じような防御法ができるとは思わなかった。
レッドキャップはオレの攻撃を防ぎきった事を確認すると、オノを振り、ブーメランのように飛んで来てオレを攻撃する。
一見弱いように見える攻撃だが、これをナイフでまともに受けると吹っ飛ばされるか、腕の骨を折られるかのどちらかである。
今この場所でその二つが起こる事は、死を意味していた。
かといって、そのまま斬られるわけにはいかない。
オレは、オノの攻撃を受け止めて防ぐ事を止め、ナイフで攻撃する。
今までオノの攻撃をナイフで受け止めようとして失敗して来たのだ。
ならば、受け止めずに、ナイフでレッドキャップを攻撃し、相手が攻撃して来る前に倒すことにした。
要は、レッドキャップのオノの攻撃が先にオレに当たるか、オレのナイフが先にレッドキャップを貫くかの戦いである。
生半可なナイフ投げでは、高速回転するレッドキャップを貫く事は出来ないが、火薬を仕込んだ高速のナイフだからこそできる技だった。
しかし、オレのナイフもそう数は無い。持久戦に持ち込まれた場合、オレが不利だ。
最初の数手で決めてしまわなければ、オレの負けが決まって来る。
果たして、オレはこの強敵であるレッドキャップ(アックス)を倒す事ができるのだろうか?
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