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第四章 白と黒の遭遇
第80話 ヴォルデの弱点発見!
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ヴォルデはオレの前に着地し、ゆっくりと歩いて来る。
アンドロイドで様々な武器を隠し持つバルベロを一撃で倒したほどの奴だ。
攻撃も防御も出来ないオレは、すでに奴の中で脅威の存在ではなくなっていた。
反撃のできない奴をジワジワと追い詰め、自らの手でトドメを刺す。
どうやらヴォルデの攻撃パターンを再現しているようだ。
そのためにゆっくりと近付いて来るのだ。
オレは携帯電話を握りしめ、奴を攻略する方法を必死で考えていた。
(くっ、どうする?
異次元空間から脱出する事も出来ないオレは、このまま奴になぶり殺しにされてしまうのか?
せめて、奴の攻撃を防げるようになるか、オレの攻撃が奴に効くか、すれば良いのだが……。
奴が自分から異次元のゲートを壊した事は、オレに絶対勝てるという自身の表れだ。
オレが攻撃も防御も出来ないからな。
待てよ! ならば奴の宝物の高級AV機器は、無防備状態という事だ!
これをシルビアさんに報告すれば、奴の高級AV機器がそのままオレの物に……)
オレがそう思った時には、すでに指が勝手に動いて送信ボタンを押していた。
シルビアさんも一秒とかからずに返信して来る。
今、オレとシルビアさんの想いは一つになった。
高級AV機器が欲しいと!
そんな事を何も知らないヴォルデは、余裕の表情でオレに語り掛ける。
「ふん、俺様の勝ちの様だな。
貴様の表情に脅えの様子が見て取れるぞ。
だが、俺様と妻の愛の一時を邪魔した罪は許しがたい。
死を持って償ってもらおう。
愛する者同士を引き裂こうとした罪は、それほどに重い。
貴様も男なら少しは分かるだろうがな。
たとえ自らの子供だとしても、夫婦間の愛の営みを妨げる様な事があってはいけないのだ。
実の我が子といえども、万死に値する罪だ。
それが他人ならばなおさらな。
俺様がヴォルデを見るのは、夫婦間の愛を確かめる為でもあるのだ。
なぜなら俺様がヴォルデを見ている時、妻はこっそりと俺様を眺めてみている。
そして、ヴォルデのちょっと怖いシーンが現れた時には、可愛く恐怖を体感しているのだ。
分かるか? 本来ドSの妻が、子猫の様に恐怖で震えているのだ。
私はそれを見ながらほくそ笑んでいるのだ。
妻の愛らしい姿をな!
分かったか? 貴様がした重大な過ちを!
後悔しながら死んでいくが良い!」
黒沢弘毅は、やはり変な奴だったようだ。
黒沢エレンに嫌がらせをし、影で喜んでいる小学生のような変態だった。
シルビアさんは、すでに高級AV機器を運ぶ準備ができたと返信して来た。
恐ろしいほど有能な妻だ! おそらく黒沢エレンも協力してくれたのだろう。
そして黒沢エレンは気が付いた。
高級AV機器が無くなれば、黒沢弘毅もヴォルデになれない事を。
オレもその事をヴォルデに伝える。
貴様の考えと妄想が、どれだけ愚かな事かという事を……。
「ふん! 悪いなヴォルデ。この勝負はオレの勝ちだ!」
「ふはははは、何を言い出すかと思えば、くだらん戯言をほざくな!
貴様は、俺様の攻撃を防御する事も、避ける事も出来ない。
さらに、貴様のナイフ攻撃など俺様には効かん。
これでどうやって貴様は、俺様に勝てると言うのかね?
方法があったら教えて欲しい物だよ!」
「では、教えてやろう!
貴様の大切な高級AV機器は、もはやオレの物になったのだ!
これで思う存分テレビ鑑賞が楽しめる!」
「なっ、卑怯だぞ! 機械質を取るとは……」
ヴォルデはこれまでと違い、本気で焦り始めていた。
もはや状況を正確に判断する事も出来ないほど追い詰められている。
歩く死体(タキシム)の数が多くないにもかかわらず、炎を発生させて爆発させようとする。
オレは前方に熱気を感じた。
確かに、歩く死体(タキシム)の数が十分じゃないが、オレを爆死させるには十分の威力だ。
ヴォルデは、オレが爆発の直撃を受けたのを見て、勝利を再び確信する。
「ふはははは、少し焦ってしまったが、結果を見ればこの通りだ。
貴様は俺様の攻撃を防ぐ事は出来なかった。
さっきより爆発の威力は低いが、貴様が死ぬには十分過ぎるだろう。
異次元空間に飛ぶという奇跡も、二度は起きない。
貴様はやはり死刑だったのだ!」
勝利を確信しているヴォルデだったが、土煙が無くなると同時に不安を新たにする。
前方に動く者の姿が確認されたからだ。
「バ、バカな……。どうやって攻撃を防いだというのだ?」
「さっきは盾も無かったが、今は状況が違うぞ!
こいつを盾にして、爆発から身を守ったのさ!」
「な! 機械女を何の躊躇もなく盾として使用するだと……。
こいつもダークヒーローだったのか!」
オレはバルベロを盾として装備した。
防御力は高いし、壊れてもいないだろう。
ちょっとうるさいのが煩わしいが……。
「後で覚えていなさいよ!」
オレはそのままの状態でヴォルデに戦いを挑む。
ヴォルデが歩く死体(タキシム)を召喚するが、オレは素手とバルベロの身体を使い撃退した。
さっきまでと違い、臭いで気持ち悪くなる事はない。
欲望とは、時に強大な力を生み出すのだ。
「バカな! もう歩く死体(タキシム)でも気持ち悪くならないだと?
ドーパミンが異常分泌し、人間の持っている限界を超えたというのか?」
「ああ、良く分からないが、気持ち悪くならないな! これで終わりだ!」
オレは歩く死体(タキシム)をバルベロで蹴散らし、ヴォルデの前まで来るとバルベロを捨てた。
渾身の一撃でヴォルデを殴り付ける。
もともと鍛えられていたオレだ。
科学者としては優秀でも、運動能力の著しく低いヴォルデには、オレの攻撃をかわす身体能力はない。
ヴォルデは顔面に直撃を受け、仮面を落とした。
腐りかけの醜悪な顔が晒し出された。
オレは全く躊躇することなく、パンチを打ち続ける。
最初は余裕ぶっていたヴォルデだったが、次第に焦りを見せ始めた。
「ふん! そんな攻撃は無駄だ! 俺様の傷はすぐに再生する。
何度打った所で……。ん、おかしい。傷が再生しないだと?」
ヴォルデは焦ったようにオレから離れようとする。
オレが攻撃を止めても、ヴォルデの顔は崩れたままだった。
バルベロはこう分析する。
「なるほど、精神的な焦りを感じている為、上手く自分の能力をコントロールすることができなくなったわね。
元々腐りかけの身体だから、傷をどの程度治せばいいか分からないのでしょう。
焦れば焦るほど、能力はコントロールし難くなるわよ。
これは、身体を完全に治すしか方法がないわね。
腐りかけの身体を使っている為、攻撃されても痛みを感じなかったのでしょうけど、今回はそれが裏目に出たわね!
早くしないと、肉片が四散してダメージが蓄積していく一方よ。
いくら無敵といっても、本体の細胞が減少して行けば、ただでは済まないでしょう?」
「くっそ! こんなはずでは……」
ヴォルデは言葉とは裏腹に、徐々に身体が元の黒沢弘毅に戻って行く。
なかなかの男前だった。オレほどではないが……。
完全に、元の人間の形に戻り、腐った部分は一つも無くなっていた。
バルベロは今こそが攻撃のチャンスという事を悟り、オレに合図を送る。
「今よ! 顎に目掛けてアッパーパンチを繰り出すのよ!」
オレは言われるよりも前に手が動いていた。
黒沢弘毅の顎に綺麗にアッパーが炸裂した。
攻撃を受け、弘毅が痙攣したかと思うと、そのまま気を失ってしまった。
「どうやら生身の身体に、強いショックを与える様な攻撃なら効くようね。
腐っていたり、水になっていたり、身体を変えている時は無敵状態だけど、身体を元に戻せば痛覚も元に戻る。
この状態にクリティカルヒットを叩き込めば、行動不能(気絶か死亡など)に陥る。
これがこの能力の弱点の様ね!」
「じゃあ、弘毅を洗脳して、ヴォルデを見るだけのおっさんにしよう」
「OK! ヴォルデには電気ショックでやられたけど、私も電気ショックは使えるのよ。
微弱な電気を流し、言葉によって洗脳する。
手までは回復して来たわ。黒沢弘毅の元に私を運んでくれないかしら?」
「さっきの盾にした事を許すというなら、言う通りにしてやるけど、どうする?」
「ぐっ、仕方ないわね。あの状況でああする他なかったし、許してあげるわよ」
「よし! 後は、お前とのキスは、シルビアさんには伝えるなよ。
二人とも死ぬかもしれないぞ!」
「分かっているわよ。さあ、早く!」
オレはバルベロを抱きかかえ、黒沢弘毅の元に運んでやる。
電気を使った洗脳技は、五分程度で完了した。
黒沢弘毅の作った異世界は供給エネルギーを失い、二分後にオレ達は元のミニシアタールームに帰って来ていた。
そこには、もうテレビやスピーカーなどは無かったのだが……。
結局、シルビアさんと黒沢エレンのケーキ対決は引っ越し作業などで有耶無耶(うやむや)になり、後日再戦するらしい。
最後は、仲良し姉妹の様な感じにまでなっていた。
オレ達は、黒沢エレンに別れを告げ、彼らの屋敷を後にする。
高級AV機器と銀行のお金と臨時収入を受け取り、この事件は幕を閉じた。
しばらく経った後でオレとバルベロがテレビを見ていると、オレはバルベロに最近気付いた事を言う。
「なあ、バルベロ。オレさあ、英語ってのが苦手だったんだけど、いつの間にか話せるようになっていたんだ。テレビニュースの会話とかも、映画の内容とかも分かるんだぜ!」
「うん、不思議だね♡ どこかで習ったのかな?
マモルは優秀だけど、そういう抜けた所が取っても可愛いわよ♡
あなたのチャームポイントだわ!
でも、それが生活に支障を来たすのかしら?
むしろ便利なように感じるけど?」
「支障はないよ。むしろ、字幕と全然違っていて笑える。全然違う時もあるよな!」
「そうね。表示された情報が本当に正しいかなんて、誰にも分かんないものね。
時には、政治の圧力で潰される事で捻じ曲げられる真実もあるからね。
情報源は信頼できる所から得るのが一番よ!」
バルベロはそう言って会話を終えた。
オレは知らなかったが、バルベロが異次元の知識を元にアルスター王国を作ったから、分かり易く共通語の英語を用いたのだ。
オレはずっとそれに気付かずにいた。
旅行が楽になったなあとか感じる。
アンドロイドで様々な武器を隠し持つバルベロを一撃で倒したほどの奴だ。
攻撃も防御も出来ないオレは、すでに奴の中で脅威の存在ではなくなっていた。
反撃のできない奴をジワジワと追い詰め、自らの手でトドメを刺す。
どうやらヴォルデの攻撃パターンを再現しているようだ。
そのためにゆっくりと近付いて来るのだ。
オレは携帯電話を握りしめ、奴を攻略する方法を必死で考えていた。
(くっ、どうする?
異次元空間から脱出する事も出来ないオレは、このまま奴になぶり殺しにされてしまうのか?
せめて、奴の攻撃を防げるようになるか、オレの攻撃が奴に効くか、すれば良いのだが……。
奴が自分から異次元のゲートを壊した事は、オレに絶対勝てるという自身の表れだ。
オレが攻撃も防御も出来ないからな。
待てよ! ならば奴の宝物の高級AV機器は、無防備状態という事だ!
これをシルビアさんに報告すれば、奴の高級AV機器がそのままオレの物に……)
オレがそう思った時には、すでに指が勝手に動いて送信ボタンを押していた。
シルビアさんも一秒とかからずに返信して来る。
今、オレとシルビアさんの想いは一つになった。
高級AV機器が欲しいと!
そんな事を何も知らないヴォルデは、余裕の表情でオレに語り掛ける。
「ふん、俺様の勝ちの様だな。
貴様の表情に脅えの様子が見て取れるぞ。
だが、俺様と妻の愛の一時を邪魔した罪は許しがたい。
死を持って償ってもらおう。
愛する者同士を引き裂こうとした罪は、それほどに重い。
貴様も男なら少しは分かるだろうがな。
たとえ自らの子供だとしても、夫婦間の愛の営みを妨げる様な事があってはいけないのだ。
実の我が子といえども、万死に値する罪だ。
それが他人ならばなおさらな。
俺様がヴォルデを見るのは、夫婦間の愛を確かめる為でもあるのだ。
なぜなら俺様がヴォルデを見ている時、妻はこっそりと俺様を眺めてみている。
そして、ヴォルデのちょっと怖いシーンが現れた時には、可愛く恐怖を体感しているのだ。
分かるか? 本来ドSの妻が、子猫の様に恐怖で震えているのだ。
私はそれを見ながらほくそ笑んでいるのだ。
妻の愛らしい姿をな!
分かったか? 貴様がした重大な過ちを!
後悔しながら死んでいくが良い!」
黒沢弘毅は、やはり変な奴だったようだ。
黒沢エレンに嫌がらせをし、影で喜んでいる小学生のような変態だった。
シルビアさんは、すでに高級AV機器を運ぶ準備ができたと返信して来た。
恐ろしいほど有能な妻だ! おそらく黒沢エレンも協力してくれたのだろう。
そして黒沢エレンは気が付いた。
高級AV機器が無くなれば、黒沢弘毅もヴォルデになれない事を。
オレもその事をヴォルデに伝える。
貴様の考えと妄想が、どれだけ愚かな事かという事を……。
「ふん! 悪いなヴォルデ。この勝負はオレの勝ちだ!」
「ふはははは、何を言い出すかと思えば、くだらん戯言をほざくな!
貴様は、俺様の攻撃を防御する事も、避ける事も出来ない。
さらに、貴様のナイフ攻撃など俺様には効かん。
これでどうやって貴様は、俺様に勝てると言うのかね?
方法があったら教えて欲しい物だよ!」
「では、教えてやろう!
貴様の大切な高級AV機器は、もはやオレの物になったのだ!
これで思う存分テレビ鑑賞が楽しめる!」
「なっ、卑怯だぞ! 機械質を取るとは……」
ヴォルデはこれまでと違い、本気で焦り始めていた。
もはや状況を正確に判断する事も出来ないほど追い詰められている。
歩く死体(タキシム)の数が多くないにもかかわらず、炎を発生させて爆発させようとする。
オレは前方に熱気を感じた。
確かに、歩く死体(タキシム)の数が十分じゃないが、オレを爆死させるには十分の威力だ。
ヴォルデは、オレが爆発の直撃を受けたのを見て、勝利を再び確信する。
「ふはははは、少し焦ってしまったが、結果を見ればこの通りだ。
貴様は俺様の攻撃を防ぐ事は出来なかった。
さっきより爆発の威力は低いが、貴様が死ぬには十分過ぎるだろう。
異次元空間に飛ぶという奇跡も、二度は起きない。
貴様はやはり死刑だったのだ!」
勝利を確信しているヴォルデだったが、土煙が無くなると同時に不安を新たにする。
前方に動く者の姿が確認されたからだ。
「バ、バカな……。どうやって攻撃を防いだというのだ?」
「さっきは盾も無かったが、今は状況が違うぞ!
こいつを盾にして、爆発から身を守ったのさ!」
「な! 機械女を何の躊躇もなく盾として使用するだと……。
こいつもダークヒーローだったのか!」
オレはバルベロを盾として装備した。
防御力は高いし、壊れてもいないだろう。
ちょっとうるさいのが煩わしいが……。
「後で覚えていなさいよ!」
オレはそのままの状態でヴォルデに戦いを挑む。
ヴォルデが歩く死体(タキシム)を召喚するが、オレは素手とバルベロの身体を使い撃退した。
さっきまでと違い、臭いで気持ち悪くなる事はない。
欲望とは、時に強大な力を生み出すのだ。
「バカな! もう歩く死体(タキシム)でも気持ち悪くならないだと?
ドーパミンが異常分泌し、人間の持っている限界を超えたというのか?」
「ああ、良く分からないが、気持ち悪くならないな! これで終わりだ!」
オレは歩く死体(タキシム)をバルベロで蹴散らし、ヴォルデの前まで来るとバルベロを捨てた。
渾身の一撃でヴォルデを殴り付ける。
もともと鍛えられていたオレだ。
科学者としては優秀でも、運動能力の著しく低いヴォルデには、オレの攻撃をかわす身体能力はない。
ヴォルデは顔面に直撃を受け、仮面を落とした。
腐りかけの醜悪な顔が晒し出された。
オレは全く躊躇することなく、パンチを打ち続ける。
最初は余裕ぶっていたヴォルデだったが、次第に焦りを見せ始めた。
「ふん! そんな攻撃は無駄だ! 俺様の傷はすぐに再生する。
何度打った所で……。ん、おかしい。傷が再生しないだと?」
ヴォルデは焦ったようにオレから離れようとする。
オレが攻撃を止めても、ヴォルデの顔は崩れたままだった。
バルベロはこう分析する。
「なるほど、精神的な焦りを感じている為、上手く自分の能力をコントロールすることができなくなったわね。
元々腐りかけの身体だから、傷をどの程度治せばいいか分からないのでしょう。
焦れば焦るほど、能力はコントロールし難くなるわよ。
これは、身体を完全に治すしか方法がないわね。
腐りかけの身体を使っている為、攻撃されても痛みを感じなかったのでしょうけど、今回はそれが裏目に出たわね!
早くしないと、肉片が四散してダメージが蓄積していく一方よ。
いくら無敵といっても、本体の細胞が減少して行けば、ただでは済まないでしょう?」
「くっそ! こんなはずでは……」
ヴォルデは言葉とは裏腹に、徐々に身体が元の黒沢弘毅に戻って行く。
なかなかの男前だった。オレほどではないが……。
完全に、元の人間の形に戻り、腐った部分は一つも無くなっていた。
バルベロは今こそが攻撃のチャンスという事を悟り、オレに合図を送る。
「今よ! 顎に目掛けてアッパーパンチを繰り出すのよ!」
オレは言われるよりも前に手が動いていた。
黒沢弘毅の顎に綺麗にアッパーが炸裂した。
攻撃を受け、弘毅が痙攣したかと思うと、そのまま気を失ってしまった。
「どうやら生身の身体に、強いショックを与える様な攻撃なら効くようね。
腐っていたり、水になっていたり、身体を変えている時は無敵状態だけど、身体を元に戻せば痛覚も元に戻る。
この状態にクリティカルヒットを叩き込めば、行動不能(気絶か死亡など)に陥る。
これがこの能力の弱点の様ね!」
「じゃあ、弘毅を洗脳して、ヴォルデを見るだけのおっさんにしよう」
「OK! ヴォルデには電気ショックでやられたけど、私も電気ショックは使えるのよ。
微弱な電気を流し、言葉によって洗脳する。
手までは回復して来たわ。黒沢弘毅の元に私を運んでくれないかしら?」
「さっきの盾にした事を許すというなら、言う通りにしてやるけど、どうする?」
「ぐっ、仕方ないわね。あの状況でああする他なかったし、許してあげるわよ」
「よし! 後は、お前とのキスは、シルビアさんには伝えるなよ。
二人とも死ぬかもしれないぞ!」
「分かっているわよ。さあ、早く!」
オレはバルベロを抱きかかえ、黒沢弘毅の元に運んでやる。
電気を使った洗脳技は、五分程度で完了した。
黒沢弘毅の作った異世界は供給エネルギーを失い、二分後にオレ達は元のミニシアタールームに帰って来ていた。
そこには、もうテレビやスピーカーなどは無かったのだが……。
結局、シルビアさんと黒沢エレンのケーキ対決は引っ越し作業などで有耶無耶(うやむや)になり、後日再戦するらしい。
最後は、仲良し姉妹の様な感じにまでなっていた。
オレ達は、黒沢エレンに別れを告げ、彼らの屋敷を後にする。
高級AV機器と銀行のお金と臨時収入を受け取り、この事件は幕を閉じた。
しばらく経った後でオレとバルベロがテレビを見ていると、オレはバルベロに最近気付いた事を言う。
「なあ、バルベロ。オレさあ、英語ってのが苦手だったんだけど、いつの間にか話せるようになっていたんだ。テレビニュースの会話とかも、映画の内容とかも分かるんだぜ!」
「うん、不思議だね♡ どこかで習ったのかな?
マモルは優秀だけど、そういう抜けた所が取っても可愛いわよ♡
あなたのチャームポイントだわ!
でも、それが生活に支障を来たすのかしら?
むしろ便利なように感じるけど?」
「支障はないよ。むしろ、字幕と全然違っていて笑える。全然違う時もあるよな!」
「そうね。表示された情報が本当に正しいかなんて、誰にも分かんないものね。
時には、政治の圧力で潰される事で捻じ曲げられる真実もあるからね。
情報源は信頼できる所から得るのが一番よ!」
バルベロはそう言って会話を終えた。
オレは知らなかったが、バルベロが異次元の知識を元にアルスター王国を作ったから、分かり易く共通語の英語を用いたのだ。
オレはずっとそれに気付かずにいた。
旅行が楽になったなあとか感じる。
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