【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第九章 古代遺跡 学校編最後の試練!

第四十五話 イフリート戦、決着!

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 冷菓は、奏子のイフリートに圧倒されて、防戦一方の状態でいた。
相性も悪いのだろうが、地形の利が奏子を有利にしている。

「はあ、はあ、長期戦では完全に負けそうですね。
なら、新しい必殺技を試す時です!」

冷菓は、あらかじめ用意していた切り札『アイスケーキプレミアム』をイフリート先輩に差し出す。

「あの、明日試合ですよね? これは、その前祝いです! 
今度こそ、皆さんで勝利してください! 
昨日まで頑張って来た皆さんなら、必ず優勝できます!」

「昨日まで……」

イフリート先輩は、昨日までの厳しい練習を思い出し、涙を流す。
時に辛く、時に励まし合い、お互いに助け合ったチームメイト達だ。
鳴き事を言わず、イフリート先輩の猛特訓にも今日まで付いて来たつわもの共だ! 

熱血は、時に大切な事を見失ってしまう時がある。
誰かが見守っていなければ、本人は気付く事が出来ない事さえもあるのだ。

「そうだな。明日は試合だった。これ以上は、部員達を苦しめるだけだ。
こいつらは本当に今まで頑張って付いて来てくれた。
それを、俺が信頼しなくてどうする! 

最後の大会だからと無理をし過ぎていた。
このままでは、戦う前に負けてしまう所だったよ。
ありがとう、冷菓君!」

「はい、皆さんも今日はしっかり休憩してください。
イフリート先輩も……」

冷菓は、刺繍の付いたタオルを差し出す。

「なっ、これは、冷菓君の手作りタオル? 
冷菓君、まさか俺の事を……」

「ええ、建前です!」

「そうか、建前か……」

イフリート先輩は、本日一番の涙を流していた。
上げて落とす恐ろしい戦術だ。
イフリート先輩は、涙ながらに語る。

「たとえ建前だとしても嬉しかったよ。
さらば冷菓君、さらば青春!」

イフリート先輩は、最後の大会に臨み部活を引退した。
優勝したかどうかは、臨時のマネジャーにはどうでも良い事だった。
それ以降、イフリート先輩に遭う事はないだろう。

(このイメージ通り、奏子のイフリートは消え去っていた。
ここで、イメージの戦いは終わります)

イフリートが消滅した事で、奏子は焦りを見せる。

「バ、バカな……。私のイフリートちゃんが対消滅した! 
地の利も、相性も良かったにもかかわらず……」

すると、雨が降り始める。
天請いの儀式と同じく、地表が激しく熱せられ、暖められた空気が上空へ移動し、空に積乱雲が発生したのだ。これは、冷菓に有利な天候となる。

「ふふ、これで終わりですね!」

上空に巨大な氷柱が発生し、奏子を狙う。

「きゃああああ!」

氷柱は、奏子の脚元の地面を攻撃するが、奏子にダメージは無かった。
それでも、負けを感じ取り、奏子は座り込む。

「何? 憐みのつもり?」

「いえ、マモル君の妹なら、私の妹も同然。ここまでにしただけですよ。
それに、何やらゆたかちゃんの様子がおかしいですし……」

冷菓が、ゆたかに連絡を取ると、声は聞こえるが連絡は取れなくなっていた。

「は、激しい……」

興奮した声が聞こえるだけだ。
奏子も街人に様子を尋ねる。

「状況はどうなっているの? お兄様は?」

「はあ、一応女の子を発見したのですが、その後はカップル同士が興奮し始めて、交尾を開始したという報告がありました。詳しい状況は分かりません」

奏子と冷菓は、その報告を聞き、不安になる。

「まさか、マモルお兄様と真槍とか言う女の子が……」

「それとも、ゆたかちゃんが襲われているのかも……」

二人は危機を感じ、急いで現場に向かった。
街人に案内され、ゆたかのいる場所を目指す。

「ここです」

街人に指示され案内された先は、草の茂みだった。
丁度人一人分がしゃがめば隠れるくらいの高さだ。
そこに、何者達かが激しく動いている。

「はあ、はあ、激しい……。もう止めて……」

「おらおら、オイラの妻になるだ。絶対に、さびしい思いはさせねえ!」

「あ、あ、こんなの初めて……。ダメ、止めて……」

「へへ、大人しく……」

奏子と冷菓が、恐る恐る草の茂みを覗くと、そこには二匹の獣の姿が!
冷菓は、思わず交尾している獣の尻を氷柱で攻撃する。
尖った先が獣の尻に食い込み、獣は交尾を中断して悶え苦しんでいた。

「あう、あう、何するんですか! 妻との愛の一時を……」

そこで悶え苦しんでいたのは、壊れたはずのエロベアだった。
当然、交尾していた相手は、コマイヌだ。

こいつらは、ゆたかの作ったロボットで、IPETと呼んでいる。
こいつらがいるという事は、近くにゆたかもいるのだ。

冷菓がそう思って辺りを確認すると、反対側の茂みで覗いているゆたかを発見する。
街人達も黙って二匹の交尾を見ていたのだ。

「あなた達、何をしているの?」

冷菓と奏子は、恐ろしいほど冷めた顔でそう言う。
今にも、凍らされそうなほど冷たい表情の顔だ。
脅える街人とは対照的に、ゆたかは空気を読まずにこう言う。

「いや、変な奴らに囲まれたから、エロベアとコマイヌで対抗しようとした。
そうしたら、二人が合体し始めて、今に至る」

「マモルお兄様と、雌豚の真槍とやらはどこに?」

「あっちで食事している!」

ゆたかに場所を指示され、オレと真槍ちゃんを確認する。
奏子と冷菓は、しばらくオレ達の様子を監視する事にした。

「実際、どの程度の関係か分かりませんね?」

「ええ、真槍ちゃんとそういう雰囲気でなければ、無視しても大丈夫でしょう」

「マモルお兄様が、一方的にあの女に付き纏われて困っている場合もありますからね。
それなら、お兄様をしかるのは、逆効果になりかねません。
状況を的確に判断しないと……」

「ええ! オレには、もう妻である冷菓がいるんだ。
君の様な子とは、付き合う事さえ考えられない。
冷菓を愛しているからね! という様な事を言われるかもしれませんし……」

「オレは、妹の奏子一筋なんだ! 
他の女の子は、腐った生ゴミにしか見えない、と言うかもしれませんね♡」

二人は妄想しながら、ブツブツ小声でつぶやき合っていた。
オレと真槍ちゃんはその事に気が付かず、二人で食事を開始する。

「実は、サンドイッチを作って来たんです。
ほら、この前は、料理も剣冴に任せていたから、アタシの料理を食べてもらう事が出来なかったので……。
まあ、剣冴の料理も炭になっちゃったけど……」

真槍ちゃんは、照れ隠しをしながらバスケット型のランチボックスを出した。

「あー、その、不味かったら、食べなくても良いからね。
残しちゃっても、全然大丈夫だから……。
剣冴に教えてもらって、少しは上達したつもりなんだけど……」

真槍ちゃんは、バスケットを開こうとしていたが、自信が無いのか渋っていた。
オレは、バスケットを受け取り、蓋を開ける。
そこには、不器用なりに一生懸命に作られたサンドイッチが並べられていた。

味は、卵とハムのサンドイッチだ。
パンにバターを塗り忘れたのだろう。
ぐっしょりと湿っている。

「うわあ、ダメ! これは、失敗作! 
バターを塗るっていう基本さえ出来て無かったみたい。
ダメ、見ないで!」

真槍ちゃんは、バスケットごとサンドイッチを隠そうとするが、オレは構わず一つ味見をする事にした。

 影で見ていた奏子は、辛口のコメントをする。
料理の出来る者にとって、真槍ちゃんのサンドイッチなど食べられた物ではない。

「うわあ、見るからに不味そうですね。
光子先生のケーキは、見た目は美味しそうでしたし、味もまあまあでしたけど、真槍とかいう子の作ったサンドイッチは、食べるまでもなく不味いですよ」

奏子がそう言う様に、オレがサンドイッチを持つと中身から水分が染み出した。
サラダを洗って、水分を切ることさえされていない。

「そうね。不味いのでしょうね」

冷菓は、嫌な予感を感じつつも、奏子に同意する。
実際、若者にとって料理を努力しているというアピールは、元々料理が得意な子よりもポイントが高いのだ。そこを冷菓は、警戒していた。

ゆたかの場合は、衛生面でアウトとなったが、それでもオレの心にある程度の好意を持つ事ができた。

それが、芸能生活で忙しく、料理もそれほどした事のないFカップ美少女の真槍ちゃんが作ったのだ。
オレの心が動かされないはずはなかった。

「うん、ちょっと失敗したけど、美味しいよ」

オレの一言に、真槍ちゃんはとびっきりの笑顔を見せる。

「本当! 嬉しい!」

テレビでは見たことのない飾らない笑顔に、オレの心は動かされた。

(か、可愛い……。この子、人気は無いって評価だけど、努力する方向を間違わなければ伸びるんじゃないか? 
Fカップのオッパイも持っているし!)

オレは、思わず真槍ちゃんのオッパイをチラ見する。
その一瞬の動作を、冷菓は見逃さなかった。

「姫野真槍。彼女は、私のライバルへと昇格したようですね。
こちらも黙っている事はできません。

明日にでも、恐怖を叩きつけて、即刻に現実世界へ帰ってもらいましょう! 
手加減する気は、もう一切ありませんよ!」

冷菓の気迫に、奏子は身を竦ませた。
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