【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第十一章 金(ゴールド)と星(ランジェリー)

第八十二話 デート勝負!

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 最初に出された料理は、星熊童子のセロリとニンジンのスープだった。
姫状瑠璃は、スープに口を付け、料理の解説をデートで例えながら説明する。

「くう、これは……。最初のデートで真っ先に行く場所は、スープに例えられます。
値段は無料から五百円前後の入場料が妥当です。

いきなり経済的に不安を感じる様な場所に案内されたら、浪費家と思われてしまいます。そうなると、将来にも不安を感じるものです。

しかし、このスープは経済的ながらもとても美味しい味をしています。
まるで、入場料の無料なテーマパークに行き、君とこの風景を見せたくてここへ来たんだ、と言われている様です!」

ゆたかは、姫状瑠璃の解説に相槌を打つ。

「イケメンの香りが漂っていますね」

「はい、イケメンですね!」

星熊童子のスープ解説が終わり、真槍ちゃんのスープに移る。
タケノコを使った若竹汁だ。

「ふむ、タケノコは今の旬です。
入場料はせいぜい百円ほどですが、それでも考えられているプランである事が分かります。二人とも十分に楽しめ、来て良かったと思うくらいです。

その事を相手に伝えると、満面の笑顔で喜んでくれる。
そんな風景を、このスープから感じました」

「私の事を思って作ってくれたのが、手に取るように分かるよ!」

「ええ、調理師の優しさが溢れていますね」

真槍ちゃんの料理が好評かであり、オレも嬉しく感じる。
最後のスープは、幾島警部の卵スープだった。

「まあ、定番ですね。料金は五百円ほどで、動物園と言ったところでしょうか? 
二人で楽しめますが、多少疲れを感じさせます。次の料理に期待したいと言った所ですね」

「普通!」

「普通の味ですね」

スープの審査が終わり、星熊童子が現在のトップだった。
真槍ちゃんも食らい付いてはいるが、実力の差を埋めるのは厳しい様だ。
愛情と優しさで勝負するしかない。

審査は、前菜へと移る。
星熊童子の前菜は、ベーコンとキャベツのサラダだった。

「前菜とは、不足しがちな栄養を整える役割を持っています。
言わば、デートで相手に渡すプレゼントです。
それほど高価でも無く、相手の必要を満たしてあげるプレゼントです。

値段で言えば、せいぜい千円から三千円の範囲内でしょう。
さりげなく渡すのがポイントです。

この前菜には、デートで買い物に行った時に、相手が買おうとしている物にお金を出してあげた様な巧みさが感じられます。

実際には、買い物でお金を払うタイミングは、かなり難しい物があるのです。
相手はお金を持っていますし、わざわざ買ってあげる必要はありません。
相手に重いと思われる危険さえあります。

しかし、巧みな一言で、相手を感動させる事が出来るのです。
この料理からは、このような会話を思い描けます。

今日は記念日だから、オレに出させてよ。
え? 記念日? 何の? 
オレと君のデート記念日!

たかが数千円のネックレスが、思い出の品に変わるわけです。
更に、来年には、もっと良い物を送るからねと続ける事が出来ます。

これは、顧客の心もバッチリ掴む良い方法ですよ。
記念日さえ覚えておけば、ずっと相手の関心を引いておくことが出来るのです!」

「イケメン過ぎる!」

「まあ、だいたいの男性は、記念日を忘れて怒られるのが落ちですけど……」

星熊童子は、超強敵だった。
真槍ちゃんが勝つには、これ以上引き離されるわけにはいかない。
真槍ちゃんの前菜は、ふきの直ガツオだ。これで追い付けるのだろうか?

「ふーむ、やはり和食に前菜というのは、かなり厳しい様ですね。
煮物や漬物に限られてしまう。
しかし、この煮物から健康面での配慮が感じられます。

プレゼントで言えば、欲しがっていた物を事前に訊き、それをプレゼントする様な感じです。

軽い気持ちで答えたのに、ちゃんと聞いていたんだという愛情が分かります。
とても美味しいですよ」

「技術ではなく、愛情勝負に持ち込んで来たか。
真槍は、私の事を真剣に考えてくれているという想いを感じたよ!」

「妄想でしょうけど、多少はあるでしょうね」

ここに来て、星熊童子と真槍ちゃんのポイントが並んだ。
幾島警部の作品は、揚げ豆腐のエビ餡かけだった。
日常で良く使う高級な物をあげるというごく普通の回答だった。

 料理勝負は、中盤に差し掛かり、ご飯物対決となる。
ここに来て、星熊童子は意外な提案をする。

「すいません。私のご飯は、メインディッシュと一緒に出して良いでしょうか?」

姫状瑠璃は、許可を出してこう語る。

「なるほど。メインディッシュとご飯のコラボレーションというわけね。
期待させるのは良いけど、期待を裏切った場合の落差は大きいわよ! 
それこそ、勝負の敗因となるほどに……」

「ふふ、十分に期待していてください!」

星熊童子は、不敵な笑みを浮かべていた。
自分が負ける事など無いという自信の表れだ。

星熊童子を飛ばし、真槍ちゃんの作品が出る。
タイの切り身を使った木の芽寿司だ。

「ふむ、見た目にも良く、タイは旬でもある。中々手が込んでいるわね。
これは、ポイントが高くなりそう。さすがに、和食を選んだだけはあるわ! 

ちなみに、ご飯物は、デートで休憩とエネルギ―補給を兼ねた昼食タイムと思ってくれていいわ。
相手を飽きさせず、メインディッシュまで連れて行く大切な行程よ!」

姫状瑠璃は、寿司を口に運んで、評価する。

「良い、良いわ! 
高校生のカップルが、無理をせずに名前と見た目が高級な食事所を選んだ感じ! 
事前に調査して、ここがデートで最適と判断したのが分かるわ。

ここなら、デートで何度も使える食事スポットにすら出来そう。
長いお付き合いのイメージが出来たわ!」

「うおおおお、真槍と食事に行って、ゆくゆくは……。
そんな食感さえも思わせる一品だよ。
舌に触ったタイの食感が、真槍の身体を妄想させて来る!」

「そんなエロい感じは無いわよ! 
高級感あふれるけど、量が少なくてまた食べたいと思わせる一品よ!」

ここに来て、審査員の意見が分かれた。
まあ、料理の審査自体に全く影響の無い意見だったが……。

幾島警部の作品は、エビチャーハンだった。
お母さんの味という事で意見が一致した。

真槍ちゃんのポイントが高く、一気に優勝への単独トップとなった。
しかし、この後には、星熊童子のメインディッシュが待ち構えている。
真槍ちゃんが余裕を見せる事は無い。

星熊童子の勝負の一品が並べられた。
料理は、ステーキだった。
姫状瑠璃は、星熊童子に尋ねる。

「なるほど。ご飯は普通のお米の様ね。
ステーキと合わせる事が本来の食べ方というわけね?」

「ええ、ご飯と一緒に食べても美味しいし、単品で食べても美味しいですよ。
お好みでどうぞ!」

審査員は、一斉にステーキに口を運んだ。姫状瑠璃が一人で騒ぎ出した。
料理がそれほど意外だったようだ。

「なああ、なんて事なの……。
ステーキだと思っていたら、マグロのステーキだったなんて……。
くう、マグロの柔らかいお肉がほろりと蕩ける様だわ。

まるで、有名なテーマパークに行って、高級な食事処で告白された様な気分だわ。
改めてはっきり言うよ。オレと結婚を前提に付き合ってくれ! 
そう言われた様なサプライズよ! も、ドキドキが収まらない!」

「うおおお、イケメン、イケメン過ぎる!」

「ええ、イケメン度でこれを上回るのは難しいわ! 
姫野真槍でさえ、これを上回る料理は出せなさそう……。
勝負は、実質決まったのと同じよ!」

真槍ちゃんの得点を追い越し、星熊童子が再びトップに立った。
並みの料理では、この得点を追い越す事はできない。
真槍ちゃんの次に出す料理が勝敗を決める。

問題の料理は、タイのあら炊きだった。
姫状瑠璃は、真槍ちゃんに尋ねる。

「なるほど。同じタイ尽くしできたわけね。
今までの料理が薄味だったのも、このタイをメインディッシュにする為ね。
中々の計画力だけど、星熊童子には届かないわよ? 覚悟は良いのよね?」

「これがアタシの全力です! 
これで負けるのなら、それさえも受け入れる覚悟ですよ。
本来なら、この舞台にさえ立てませんでしたから……」

「ふふ、謙遜なのは良い事よ。でも、勝負は時に非情なの! 
『ピンクの翡翠』を身に付ける覚悟をなさい!」

姫状瑠璃は、真槍ちゃんの料理に口を付ける。
以外に、セクシーランジェリーでも期待していたのだろうか? 
年齢も近いだけに、Fカップには興味があるのかもしれない。

「くうう、これはすごい! 基本に忠実なのね。
下手に料理が出来ない分、基本がしっかりと生きている! 
タイのウロコもバッチリ取り除き、お客の気持ちを考えている。

タイのウロコが口に入ったら最悪だけど、この品には私達への配慮が払われているわ! 食べ易さ、味付け、食事の量、全てが工夫されている。これは、星熊童子と互角ね!」

真槍ちゃんの得点と星熊童子の得点が並んだ。

「真槍、こんなに私の事を思ってくれていたなんて……」

ゆたかがうっとりした眼で真槍ちゃんを見つめていた。
今のゆたかは危険過ぎる! 

幾島警部のメインディッシュも終わり、最後のデザート勝負になる。
ちなみに、幾島警部の作品は、牛肉とレタスのカキ炒めだった。
審査員達のコメントもあんまりない。
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