【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第十一章 金(ゴールド)と星(ランジェリー)

第八十三話 料理対決、決着!

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最後の大勝負が始まろうとしていた。
デザート対決、これによって勝敗が決まるのだ。

星熊童子は、カスタードプリンを出す。
最後にしては、パッとしない作品だ。

「ここに来て、プリンか。美味しそうだけど、あっさりしている感じね。
ちなみに、デザートは、デートの別れ際をイメージしているわ。
次に会いたい、またデートしたいと思わせる事が重要よ! 

ポイントとしては、良い雰囲気になり始めた所であっさり引く事です。
客が満足し過ぎても、顧客が寄り付き難くなります。
その見極めが素人には難しいのです」

審査員達は、姫状瑠璃の説明を聴いてから一斉にプリンを口に運んだ。

「なあ、すごい!」

姫状瑠璃と審査員達は驚きを隠せない。
そんなにすごい作品なのだろうか?

「プリンのきめが細かく、全くダマガありません。
しかし、手作りであるという事は味ではっきり分かります。

このカラメルシロップの苦味、プリン本体の甘さと絡み合って、素晴らしい上品且つ濃厚な甘さに仕上がっている。

デートで例えるなら、別れ際にバス停まで送ってくれたような感じです。
バスが来る時間、自分の住んでいる場所、普段全く使わないバスを巧みに利用する技術は、彼に安心感と信頼感を寄せるものになります。

バスに乗りながら彼の去っていく姿を見て、また再びデートしたいという余韻に浸る事が出来ます。実は、女の子にとってこれもまた幸福な一時なのです。
それを、このプリンは表現しています!」

やはり星熊童子は強敵だった。
ポイントは何とか並んだにもかかわらず、勝てる気が全くしない。
真槍ちゃんはどこまで抗えるのだろうか? 

運命の一品がテーブルに並べられた。
真槍ちゃんの選んだデザートは、抹茶ミルクゼリーだ。これに勝敗を委ねる。
姫状瑠璃は、真槍ちゃんのデザートを見詰めて審査する。

「ふーむ、色合いや見た目は中々良いですね。
緑というのは、和食の締め括りにふさわしい色合いです。

全体の出し方としてはかなりポイントが高いですよ! 
では、味を楽しませてもらいましょうか?」

姫状瑠璃と審査員達は、形を崩さない様にして食べ始めた。
姫状瑠璃に、星熊童子の試食時の様な驚きの声は無い。これは、勝負あったか? 
オレは、不安に成りつつも勝負の行方を見守った。

「ふむ、ふむ、一見あっさりのミルクゼリーが、抹茶ソースを加える事によって、見事な苦みを引き出しています。しかも、先ほどのプリンとは違った苦みです。

デートに例えるなら、あっさりと現地で別れて送ってもくれない。
はあ、ちょっと彼を詰まらない感じをさせちゃったかなと私を不安にさせておいて、家に着くタイミングに簡単なメールを送ってくれる様な感じです。

今日はありがとう、楽しかったよ。またデートしたいね。次はいつ会える? 

こんな簡単な文章なのに、私が家に着く時間を計算して、私に関心を示してくれる事が分かります。そうなったらもう次のデートを期待しちゃいますよ。

帰ってからも頭の中は彼の事で一杯、次はどうやって楽しんでもらおうかといろいろ考えだします。まさに妄想まで使った完璧な別れ際と言えます。
このデザート、技術の点ではまだまだでも、客の事を考えている事が分かります」

評価としては高そうだが、勝てるかどうかは微妙な空気だった。
ここで負けては、オレ達が冷菓と奏子を救出する事が困難に成る。
そして、オレのFカップを汚れた野郎達の目に晒さない為にも絶対に負けられないのだ。

審査員の一人のゆたかも陶酔しているが、実際の評価は分からない。
オレは、敗北を受け入れる覚悟をした。カメラをセットし、真槍ちゃんが少しでも美しく撮れるように尽力を尽くす。これが、今オレの出来る精一杯だった。

勝負には全く関係なくなったが、幾島警部の作品も並べられた。
一応、試食をし、評価される。中華には定番の杏仁豆腐だった。

「では、審査結果発表に入りましょうか?」

「ちょっと! ノーコメントは止めにしてよね! 
こっちだって一生懸命に作っているんですけど!」

姫状瑠璃の素っ気ない態度に、幾島警部がキレる。
まあ、徐々にコメントが少なくなっていく空気は、本人には辛い物があるだろう。
姫状瑠璃は、取って付けたようなコメントを語る。

「ああ、ごめんなさい。杏仁豆腐もあっさりしていて美味しかったわ」

デートの例えも無く、あっさりと審査は終了した。
あっさり過ぎると、自分に興味が無いのだと勘違いするから、ほどほどに分かれ際の挨拶を述べておこう。

こうして、料理の審査はすべて終了した。
審査員達が話し合い、一人十点満点でポイントを加算して行く。
最高合計は五十点だが、真槍ちゃんはどこまでいけるのだろうか? 

星熊童子のポイントが発表される。
クイズ番組のように点数がその場で付けられて行く。
姫状瑠璃が代表して点数を発表した。

「はーい、星熊童子の合計ポイントは、四十五点! 
審査員が十点満点にしないのは、今まで培ってきたプライドとかがあるからです。
事実上の満点ですね!」

審査員達は、敢えて一ポイントだけを残し、全員九ポイントの点数を付けたのだ。
それにより合計は四十五ポイント。

真槍ちゃんが勝つには、審査員の常識と詰まらないプライドを打ち砕くしか手が無い。
ついに、真槍ちゃんのポイントが発表された。

「はーい、姫野真槍の合計ポイントは、四十四点! 
味とドキドキ感は、星熊童子よりあなたの方が上だったんだけど、料理人としての安定感は星熊童子の方が上です。その事を考慮し、私が点数を八点にしました。ごめんね!」

わずか一ポイント差により真槍ちゃんが負けた。
オレはカメラを操作しつつ、真槍ちゃんを励ます言葉を探す。
オレは、申し訳なさそうに真槍ちゃんを見る。

あの身体が、セクシーランジェリーを身に付けて、男達の前に晒されるのだ。
オレとしては耐え難い苦痛だった。

確かに、その姿を見たいが、オレ以外の奴には見られたくない。
オレは葛藤で悶えていた。すると、ゆたかが騒ぎ出す。

「ええ! 真槍の方が全体的に美味しかったよ。なら、ポイント足す!」

ゆたかが真槍ちゃんのポイントを十点にした事で、また星熊童子と真槍ちゃんのポイントが並んだ。

「あっちゃ―、ゆたかちゃん! ダメだよ、ポイントをそんな簡単に変えちゃあ! 
これじゃあ、勝負が付かなくなっちゃうじゃない。
どうしよう? また二人で対決する?」

姫状瑠璃はそう提案するが、真槍ちゃんがそれを断った。
星熊童子の方を向き、こう語る。

「いえ、もう料理勝負は結構よ! アタシ達の目的は、冷菓と奏子達を救出する事のみ!
このホテルも、宝石『真紅のルビー』も興味が無いの! 勝負の勝敗は、星熊童子に譲るわ。だから、冷菓と奏子達の居場所を教えて欲しい!」

星熊童子は、一瞬驚いたような表情をして、笑顔を浮かべる。

「はは、すごいですね。勝負の目的を全くブレさせない姿勢は素晴らしい。
怖れ入りました。しかし、困りましたね。実際の所は、私達も行方を知らないんですよ。茨木童子が連れて行って、どこへ匿っているんでしょうか?」

「実は、俺も良くは知らないんだ。
別れた場所までなら案内できるんだが……」

星熊童子と金熊童子は、本気で考えていた。
演技で誤魔化そうとしている様には見えない。

「そんな……」

オレと真槍ちゃんが溜息を吐いていると、審査員の一人が騒ぎ出した。
どうやら十歳の動物研究者が誰か不審な人物を見付けたらしい。

「あの人達、変じゃない?」

彼にそう言われ、オレ達が見た先には、微動だにしない冷菓と奏子の姿があった。
まるでマネキンの様に動かないが、そこには冷菓と奏子が立っていた。
遠目だからしっかりと確認はできなかったが、確かにあの二人だった。

オレと真槍ちゃんは近付こうとするが、先に十歳の動物学者が巨大なワシに乗り、二人を連れ去って行った。オレと真槍ちゃん、ゆたかで後を追う事にする。
ゆたかの作った戦闘機ステルスに乗り、会場を後にした。

ワシはゆっくり飛んでおり、オレ達を誘っている様にも見える。
数十分して、オレ達はワシに追い付いた。罠でも仕掛けられているのだろうか? 
オレ達は警戒しながら近付く。

 一方、料理会場では暴動が起こっていた。

「おい! 誰も脱がねえのか!」

「星熊童子なんて、どうせ泥棒だろう? ひん剥いて刑に処すべき輩だろ!」

「そうだ、脱げ!」

一度脱ぐと決まったら、男達は後に引かない。
星熊童子が勝ったにもかかわらず、脱ぐ事が決まり始めていた。

終いには、泥棒であるという理由から、ホテルと宝石の獲得を取り消す雰囲気にまで成っていた。このままでは、星熊童子と金熊童子は捕らえられ、すべてを失ってしまう。

ヒートアップしていた観客達だったが、一人の人物の活躍により、会場が一瞬にして静かに成る。

「ほら、あんたらの期待している物は、これでしょう?」

幾島警部が脱ぎ、セクシーランジェリーの黒真珠を身に付けていた。
それを目撃した事により、男達は急に静かになったのだ。
まるで宝石を鑑定するかのように、黒真珠を隈なく観察する。

「ふーむ、さすがは黒真珠だ! 白い肌が際立つほどの美しさを演出している。
この下着の前には、肌色がまるで白い石膏のように感じられる。
まさに、舐め取ってしまいたい杏仁豆腐のようだ」

「ああ、黒真珠は、海の宝石キャビアのようだ。どんな味かと心を震わせる。
思わず、舌で味わってみたいと思うような出来栄えだ!」

「程よい胸の膨らみが、実に黒真珠にマッチしている。
まさに匠の仕事と言ったほどだ。
これは称賛に値する!」

幾島警部は恥ずかしがる事無く、しばらく観客にその身を晒していた。
星熊童子は、彼女を心配して語りかける。

「幾島童子、ありがとう!」

「ふふ、私が裸になる事で、あんたら二人が幸せに成れるなら安い物だわ。
それに、私一人が負けたわけだし……」

さすがに強がっているが、幾島警部も次第に恥ずかしさと寒さから震え出した。
さすがに、エアコンの効いた部屋で下着姿はかなり冷える。
警察長がタオルを持ち、包む様にして抱きしめた。

「もう、十分だ! 君は良くやったよ!」

「熊、警察長……」

幾島警部は、震える体を堪えながら会場を後にした。
こうして、星熊童子と金熊童子はホテルの経営者となり、泥棒から脚を洗ったという。
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