【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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最終章(仮) 秘められた願い! 絶対に明かしてはいけない真実!

第百六話 破られたオレの必殺技!

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黒沢勝昭は本気でオレを襲い始めた。
かつてオレの下半身を砕いたモロクの姿になる。
頭は牛、身体は四本の剛腕を持つ化け物だ。
一瞬でも油断すれば、一気に勝負を決めるほどのパワーを誇っていた。
しかし、オレの前にはどんな次元能力も無力と化すのだ。

「ふん、いくら貴様が本気になったところで、オレの敵ではないぜ!
喰らえ、『次元相殺』(ディメンションオフセット)』!」

オレは、子狐丸の火炎能力を使い、次元空間のゲートを開ける。
そして、モロクとなった黒沢勝昭ごと、次元空間へ移動した。
こうする事で、勝昭の次元能力の力を奪い、強制的に無能力状態へ戻すのだ。
いくら奴が強力な化け物になれるといっても、次元能力によって得た力だ。
それを奪ってしまえば、ただのヨボヨボのジジイに戻る。

オレ自身も次元能力は使えないが、戦闘力自身は相当高い。
肉弾戦に持ち込んでも勝つ自信があった。
しかし、次元空間に移動したにもかかわらず、勝昭の姿はモロクのまま変わらなかった。
四本の剛腕を携えたままの姿で、オレの次元空間に存在していた。
いくらオレでも、丸腰でモロクの攻撃を受けるわけにはいかない。

「なんだ、その姿は……。
まさか、オレの『次元相殺(ディメンションオフセット)』が効いていない⁉︎
そんなバカな!」

「ふん、俺が二度食らった技をいつまでも対策していないと思ったか?
アンドロイドの姫状瑠璃と訓練し、すでに貴様の『次元相殺(ディメンションオフセット)』は攻略済みだ。
タネを明かせば簡単だが、俺の次元能力とは別にエネルギー源を持ち込む事で、俺自身の次元能力を保持しているのだ。

この次元能力を一時的に保持できる次元石を用いることによってな!
その次元石を貴様の次元空間のエネルギーにし、俺の次元能力は貴様の空間でも健在だ。
この次元石は、アンドロイドの作り出した補助アイテムらしい。
まあ、貴様がこれ以上する必要はない!

ここで下半身は砕かれ、俺と冷菓達が愛し合う姿を見るのだからな!
そうだ!
ほぼ植物状態になった貴様の命は、貴様が最も愛する女・冷菓の手によって消してやろう。
俺の実験が成功した証明にもなるし、貴様にとっては最大の屈辱ともなるだろう。
俺と愛し合い、幸せに満たされた冷菓の手によってな!」

黒沢勝昭は、オレの下半身めがけて拳を振るう。
オレは、とっさに直撃は避けたが、奴に放った拳によって飛び散る瓦礫に当たりダメージを受ける。
かすり傷程度だが、このままの状態が続けば、オレの体力がどんどん消費され負ける。
せめて俺自身が次元能力を使えれば勝機はあるが、それにはこの空間では勝てない。
ダメージを受け動きが鈍ったオレを、勝昭が追い詰め始めた。

「はっはっは、どうした?
避ける事しかできんのか?
さっさと下半身を砕き、貴様に絶望を教えてやるからな!」

「くっそ、調子にのるな!」

オレは勝昭に反撃しようと試みるが、気持ちが焦って転けてしまった。
当然、勝昭はこの隙を使ってオレを倒そうとする。
容赦無い勝昭の攻撃が、オレめがけて迫って来ていた。

「はっはっは、これで終わりだ!
自分の作り出した空間が仇となったな!
カエルの様に潰れてもがき苦しむが良い!」

勝昭の拳がオレに当たる瞬間、オレは突然にこの空間から消えた。
勝昭の拳は地面を割り、巨大な穴を開ける。
しかし、そこにオレは存在していなかった。

「むむ、どうした?
奴は、どこへ消えたのだ⁉︎」

勝昭は気付いていないが、オレは強制的に子狐丸のエネルギーを使い、元の空間に戻って来ていたのだ。
勝昭がオレの必殺技『次元相殺(ディメンションオフセット)』を攻略してくる可能性も考えていた。

その為、勝昭が対策を取って来た場合、オレ自身が元の空間に戻る事で勝昭を次元空間に閉じ込めたのだ。
これにより、勝昭の持っていた次元石のエネルギーが切れるまでは、勝昭が元の空間に戻ってくることはない。
その間に、何かの対策を立てなければ!

そんな事を考えているのも束の間、すぐに勝昭が元の空間に戻って来た。
予想よりはるかに早いが、オレはなんとか攻撃を避ける。
やはり奴のパワーは強く、屋上の床に穴が開いた。
このまま地上戦をしていては、いずれは冷菓達に被害が及ぶ。
オレは、子狐丸の次元能力を使い、ジェット噴射で空中戦に挑む。

「勝昭、いくらお前でも空中戦では、手も足もでまい。
これでオレが制空権を有した。
お前の攻撃を避けつつ、オレは上空から攻撃することができる!」

オレはそうやって挑発すると、勝昭の体が変化し始めた。
背中にコウモリの様な翼を纏い、上空を飛び始める。

「はっはっは、モロクとなった俺をなめるなよ。
空を飛ぶ事など造作もない。
望むとあらば、貴様と空中戦をしてやろう!
喰らえ、『プロミネンス』!」

太陽を縮小した様な恐るべき火球がオレに迫る。
直撃したら、オレでも一瞬で蒸発して消えてしまうだろう!
案の定、勝昭が放った火球により、オレは上空から消え失せていた。

「はっはっは、光宮マモル、骨も残さずに消滅したか?
呆気ない最後だな」

オレは、ワープ能力により勝昭の背後に回っていた。
火球をエネルギーとして、ワープ能力を発動したのだ。
子狐丸を振るい、渾身の一撃を勝昭に浴びせる。

「喰らえ!」

勝昭は、オレの渾身の一撃を、身体を硬くして受ける。
まるで鉄の様な硬さの皮膚になっていた。
これでは、子狐丸を持ってしてもダメージを与えることができない。

「さすがに、一筋縄ではいかないか」

「ふん、貴様もいろいろな次元能力を持っている様だな!」

オレと勝昭は笑い合う。
次元能力を駆使した戦いに突入しようとしていた。
どちらが上手く次元能力を使いこなせるかが勝敗を決めるのだ。
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