【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編その一 不思議少女・夕景ゆたかの受難!

第一話 夕景夫妻の受難!

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これは、主人公の光宮マモルと冷菓が異世界のキメラカンパニーに挑むより一週間ほど前の話です。
この時、夕景ゆたかは六歳であり、黒沢エレンと知り合う事になります。
なぜか、黒沢弘毅とエレンが加勢に来ないのか不思議に思った人もいるでしょう。
実は、こんな背景があったのです。



キメラカンパニー内部にて、社内会議が起こっていた。
五人ほどの重役が意見を出し合っていた。
男性研究員が報告を読み上げる。

「我々は、独自のキメラ化計画を進めていますが、今の時代は機械技術も必要になってくるでしょう。
そこで、アンドロイド技術の先駆者・夕景隆(せっけいたかし)教授とその奥さん・海(まりん)さんをキメラカンパニーに呼び寄せる予定でしたが、先週の台風によって事故が発生し、お二人が亡くなられました。

それにより、アンドロイド技術者を呼び寄せる計画が座礁に乗り上げられています。
彼らほどのアンドロイド技術者は極少数ですので、いきなり別の技術者を迎えるという準備もできていません。
このままでは、我々の会社はアンドロイド技術を諦める方向になってしまいます!」

代表取締役の男性が話し始める。
キメラカンパニーの事実上のナンバーワンであり、社長から権限を全て与えられている男だ。

「ふむ、今のところは、緊急にアンドロイド技術を必要としているわけではない。
将来的に、アンドロイド技術も取り入れたいといったところだ。
ならば、子供でも良いから優秀なアンドロイド技術者を呼び寄せ、我々の会社に必要な人材になるよう育てるのだ。

必要な事は、他の企業に有用な技術者が流出してしまう事だよ。
そうなれば、我々に対抗しようとする企業も出てきてしまう。
それを事前に防ぎ、且つ有用な人材を確保するには、優秀なアンドロイド技術を持つ子供を今の内から我々で世話をすることが望ましい。

アンドロイド技術とは、知識ではなく、柔軟な発想こそが一番の宝物なのだ。
子供の内にある程度まで技術を身に付けており、基礎ができてさえいれば、我々との接触で技術は一気に成長する事だろう。
扱い難い年寄りの技術者を抱えるよりは、純真無垢な子供を育てる方が効率がいいと思うが、皆さんはどうだろうか?」

「私もその意見に賛成です。
すでに、日本のアンドロイド技術は世界最高の水準に達していますし、必要な知識はほぼ出揃っています。
今更、優秀なアンドロイド技術者を雇ったとしても、新しい技術を開発するのは難しいでしょう。

アンドロイド技術を持った子供、それも小学生くらいの年齢が柔軟な発想力を持っていると予想されます。
実は、亡くなった夕景隆教授には、九歳くらいになる子供・夕景ゆたかがいたそうなので、その子を養うというのはどうでしょうか?
噂では、親戚にタライ回しにされているとの事です」

「ふむ、悪くはない発想だ!
だが、一つ問題がある。
夕景ゆたかちゃんは、本当にアンドロイド技術があるのかね?
優秀なアンドロイド技術者の子供とは言っても、彼女自身がそれほどの知識があるかは疑わしい。

子供を連れて来たら、ただのおバカちゃんだったと言うのは良くある話だ。
今週の予定に、全国小学生ロボットコンテスト大会というのがある。
そこに彼女を参加させて、本当にアンドロイド技術があるかを確かめよう!
そして、優勝できるだけの技量があれば、我々の会社で養うというのが良い選択だろう!」

「そうですね。
では、小学生ロボットコンテスト大会の優勝者を、キメラカンパニーで引き取り養うという事にしましょう。
ただし、優勝候補の夕景ゆたかちゃんは、まだ大会参加への登録も済ませていないようです。

元々参加する予定はなさそうでしたし、両親が亡くなった傷心から小学校側も放置の状態ですね。
自宅に滞在しているようですが、どんな状況かは分かりません。
本当に、アンドロイド技術者かどうかも疑わしいです。
どうやら大会出場の経験も無さそうですし……」

「よし、彼女をロボット大会に参加させ、実力の程を確認しよう!
それで、女性社員の君が優秀と判断したのなら、君が責任を持って養えばいい。
お互い発想力が高まって、更に素晴らしい技術が開発される事だろう!
頼みますよ、セイレンさん!」

「はい!
彼女のロボットコンテスト大会の登録をし、当日に迎えに行きます。
そして、会場にて彼女の実力を確認してきます」

「では、本日の社内会議はこれにて終了です。
お疲れ様でした!」

「お疲れ様でした!」

社員達は、一斉に自分の研究所へ帰って行く。
これから更に研究を続ける者もいれば、仮眠を取る者もいる。
セイレンと呼ばれるメガネをかけた女性も、夕景ゆたかの大会申し込みをして、当日のスケジュールを調整する。

大体二十分くらいで全ての準備が終わり、自分の研究に取り組み始めた。
優秀な社員に休憩や休日は少ないらしい。
一人会議室に残った代表取締役の男・バンデッドが静かに笑う。
どうやら夕景夫妻の死に関係があるようだ。

「ふう、やはり価値観が違うというのは悲しいものがあるな。
夕景隆教授と海さん、貴方達の安い正義感さえなければ、我々の仲間になれたというのに……。
他の研究者と協力し、我々に立て付こうとした罪は重い!

我々が責任を持って、夕景ゆたかちゃんを育てる事にしますよ。
無論、貴方達の子供がそれだけの価値があればの話ですがね。
ふふ、できれば優秀な技術者であって欲しいものですな。
亡くなった両親をバネに、更に科学の発展に貢献してください」

夕景隆教授の車には、何者かによって攻撃された跡があった。
高速道路で走行中に、ガラスの窓が割れ、野獣に襲われた形跡があったという。
だが、時速八十キロで走っている車に、そんなことが出来る獣はいないという事で事故として処理されていた。
おそらく雨でタイヤが滑り、崖から転落したのだろうと……。

キメラカンパニーの代表取締役・バンデッドに善悪の基準など無い。
あるのは、自分の研究に有利となるか、不利になるかの違いだけだ。
研究での異常な執着が、彼を本物の化け物に変えつつあった。
人体実験、殺人、不要な物の処刑、彼にとっては自分を有利に保つための手段でしか無い!




ここでは、夕景ゆたかの過去と二度目のキメラカンパニーとの死闘を書きます。
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