【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

文字の大きさ
255 / 302
番外編その三 IPET(神獣)VS IPET(性獣)

第二十六話 本気のゆたか!

しおりを挟む
ゆたかは説明する様に、IPETジライヤに命令を出していく。
オレにもゆたかが少しばかりアンドロイド技術者に見える。

「仙人とは、霧の様なカスミを食べて成長する。
つまりジライヤには、水分によって膨張する性質があるのだ。
遊園地で買った恐竜の人形、水に漬ける事によって大きさを数倍にも膨れあがらせる。
その性質をパクリ、ジライヤも水分を吸う事で数十倍に巨大化する。
見るがいい、お前のキマイラにも匹敵する大きさの化け物だ!」

ジライヤの尻尾の一部が海水に浸かると、毛細管現象によってジライヤ全体が水分を吸って膨張した。
どうやら変化も使い、更に巨大化していた様だ。
大きさだけなら体育館並みのキマイラにも対抗できる。
小さな孤島を占領するかの様に、二匹の怪物が出現していた。

「ふん、見てくれだけの巨大化など何の意味もないわ!
この神獣キマイラは、硬質化して防御力も桁違いに強い。
けど、あなたのジライヤは、カスカスの張りぼてよ。
打撃系にも弱いし、火炎攻撃によって水分が蒸発し、元の大きさに戻ってしまうのでは?
まあ、変化を使っている様だから、三分の一くらいで止まるとは思うけどね。
何れにしても力の差は歴然、勝てる見込みはないわ!」

「なら、ジライヤを倒してから言うんだな!
お前じゃあ無理だと思うが……」

「いつもに増して挑発的ね。
いいわ、殺してあげる♡
どの道、全員生かして返す気はないからね。
キマイラの火炎で骨も残さず燃え尽きなさい!」

キマイラは、山羊の頭を使い、火炎攻撃を仕掛ける。
ジライヤを弱体化し、あわよくばオレ達も焼き殺す気だ。
ジライヤは蓄えた水分を口から一気に放出し、火炎攻撃に対抗する。
攻撃は互角であり、何とか火炎攻撃を防いだ。
ジライヤは、三分の一になり縮小化したが、周囲に濃い霧が立ち込めていた。

オレ達は、その濃い霧によって姿を隠して移動する。
ジライヤだけがその場に残り、オレ達の移動を気付かれにくくしていた。
オレ達が別の場所に移動し、キマイラの火炎攻撃が当たらないことを悟ると、キマイラはジライヤがいた方向に集中攻撃を仕掛ける。
火炎弾を使い、ジライヤを戦闘不能にする気だった。

「まさか煙幕で逃げ切ろうという気かしら?
でも、ジライヤは大きくて居場所がモロ分かりよ!
先に裏切り者の末路を味わいなさい!
火炎弾の集中攻撃よ!」

「ジライヤ、鳥に変化しろ!
そして、上空に逃げ込むんだ!」

「かしこまり!」

ジライヤは、巨大な鳥に変化し、キマイラの火炎弾を避け切った。
ジライヤが上空に逃げたことを悟り、キマイラも空を飛び始める。
激しい空中戦が展開していた。
怪鳥になったジライヤは海上を飛び回り、キマイラの火炎攻撃をことごとく避ける。

火炎弾や火炎放射攻撃を使うが、ジライヤを撃墜することはできない。
海面の水が蒸発し、徐々に雲が発生していた。
濃い雲が辺りを覆い、視覚自体が奪われる。
どちらも攻撃できない状況にある様に思われた。

「ふふふ、これが私の狙いですよ。
素晴らしいアンドロイドですが、所詮は機械。
電撃系の攻撃には弱いという弱点があります。
これは、全てのアンドロイドに共通の弱点なのです。
私のキマイラは地面に降り、避雷針を立てて雷に備えます。
しかし、水を大量に含んだジライヤでは、この電撃に耐えることはできません。
私の勝ちですよ!」

キマイラは地面に降り、尻尾の蛇を使って上空の雲に雷を発生させた。
キマイラの尻尾は、強いスタンガンの様な電撃の攻撃方法を持っており、咬んだ物を感電させる攻撃ができた。
それを応用し、雲の水滴を用いて攻撃範囲を拡散する。

アンドロイドには致命的な一撃が、怪鳥となったジライヤに襲いかかる。
空全体が爆発する様に光を発生させ、空を轟かす様な音が鳴り響いた。
次の瞬間、地面に引き寄せられる様に雷が島全体に落ちる。
天を怒らせたかのような雷数十発が、オレ達の周囲に落ちる。

「ふう、雷が怖いのは私も同じです。
故に、氷を使って雷の攻撃を避雷針のようにして防ぎました。
普通に喰らっていたら死んでましたよ。
まあ、観戦者を守る目的なので、反則ではないはずです。
とりあえずマモル君とゆたかちゃん、真槍ちゃんは無事ですね。
ただし、上空にいたアンドロイドは無事では済まないはずですけど……」

冷菓の遺伝子により誕生したIPETユッキーは、氷を使ってオレ達を守ってくれた。
しかし、ユッキーが心配するように、怪鳥ジライヤは雷攻撃の直撃を受けているはずだ。
しばらくしたら気絶して地面に落下してくることが予想された。
だが、怪鳥ジライヤは一向に落ちてくる気配がない。
異常事態を感じ取り、眼鏡童子は警戒を怠らない。

「おかしいわ。
そろそろジライヤが落ちてきてもいい頃だけど……。
まさか、あの雷攻撃を避けきるなんてことできるわけが……」

眼鏡童子がそう言っていると、超巨大なジライヤが落下して来た。
ダメージは多少受けているものの、戦闘不能にはなっていない。
キマイラの三倍ほどの大きさに成長し、一撃でキマイラを踏み潰した。
眼鏡童子は、超巨大化したジライヤを見て呆気に取られていた。

キマイラを破壊するほどの巨大化をどのようにして成功させたのだろうか?
そもそも雷の攻撃を受けて、気絶していてもおかしくないほどのダメージを受けているはずなのだ。
どうやって雷の攻撃を防いだのだろうか?

「ば、ばかな……。
雷の攻撃を受けていれば、巨大化も不可能なはずなのに……」

眼鏡童子は恐れを感じて、ゆたかの方を見る。
ゆたかは、ゆっくりと説明をし始めた。

「ふう、怪鳥ジライヤは竜巻を起こして、お前の雷攻撃を防いだのだ。
上空を飛び回り、竜巻の渦を作り出していたのだ。
お前が電撃系の攻撃を仕掛けてくるのは予想できたからな。
竜巻が避雷針の役目を果たし、ジライヤにまで雷が届かなかったのだ。

そして、竜巻によって雲を掻き集め、ジライヤを巨大化する役目を果たした。
言っただろう、仙人はカスミによって成長するとな!
これにより、お前のキマイラを上回る巨大さを手に入れたのだ。
さあ、ジライヤよ、キマイラにトドメのバイブレーション攻撃をお見舞いしろ!
巨大だから振動はかなりの効果を発揮するはず……」

激しい振動する音がジライヤの拳に宿る。
巨大なキマイラは、ジライヤの一撃によって砕け散った。
破片の一部一部がドロドロの状態になり、元の神獣ツナデンに戻った。
ツナデンは戦闘不能になり、気絶していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

最後の女

蒲公英
恋愛
若すぎる妻を娶ったおっさんと、おっさんに嫁いだ若すぎる妻。夫婦らしくなるまでを、あれこれと。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...