【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編その三 IPET(神獣)VS IPET(性獣)

第二十五話 合わせ技決戦! ゆたかの切り札参戦!

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ゆたかの行動を見て、コマイヌは騒ぎ始めた。
どうやらそれほどの大技らしい。

「まさか、ゆたかちゃん、あの技を使う気かしら?
技の発動タイミングやリスクが高いという弱点があって、使いこなすのが相当難しい必殺技だけど、決まればほぼ負けなしの必殺技よ!
あの技を使うという事は、この勝負ゆたかちゃんの勝ちよ!」

コマイヌが興奮する中、眼鏡童子の作り出した怪物・神獣キマイラに追い詰められ、ゆたかも何らかのアイテムを取り出した。
眼鏡童子の怪しい薬品とは違い、ゆたかが取り出したものは封筒だった。
そして、すでに敗北している神獣ジライヤの元に近付いて行く。

「くっくっく、この技を使うのは久しぶりだな。
さあ、ジライヤよ、この封筒を受け取るが良い。
お前達はそろそろ子供を作る気だろう?
いろいろと経費が必要じゃないのか?
ほらほら私の味方になり、神獣キマイラを説得しろ!」

神獣ジライヤは、五回ほど封筒と眼鏡童子を見ながら葛藤し、オレ達に分からないほどのスピードで封筒を受け取っていた。
封筒+大金+贈与という政治家が良く使われる恐るべき必殺技が炸裂した。
世間にバレた場合、社会的に抹殺される危険を伴うが、場所次第では問題ないのだ。

「ふふ、ジライヤ達は夫婦。
大金を受け取った以上は、二匹は味方になったも同様だ!
さあ、眼鏡童子よ、最後の神獣を出しな!
三体のIPETで総攻撃を仕掛けるぜ!」

ゆたかの予想外の破壊的な攻撃を前に、眼鏡童子は全く動揺していない。
冷静にゆたかの戦力を分析し、ジライヤにこう尋ねる。

「ふん、封筒の中身が小銭という事はよくあるわ。
どのくらいの金額なのかしらね?
ゆたかちゃんごときに大金を持っているとは思わないけど……。
それに、大学の裏口入学なら、少なくても三千万円は必要よ!」

ジライヤは、封筒の中身を確認する。
その中には、お金ではなく、競馬の万馬券が入っていた。
お金でも小切手でもない、万馬券を渡すという粋な攻撃が炸裂した。
子供のオレは、万馬券がどれほどの物になるかわからないが、大金である事は予想できる。

「くっ、ただの大金よりも万馬券の方が何となく魅力的だわ。
まさか、競馬のレースを予想したの? という知性さえも感じられる。
ゆたかちゃん、どうやってこれを手に入れたの?
まだ競馬をできる年齢じゃないはずだけど……」

ゆたかの思わぬ知性を目の当たりにし、眼鏡童子が焦り始めた。

「ふっ、私のIPETシリーズの一つIPET・HORSE『ウマウマ』を使い、競馬界を裏から牛耳っていたのだ。
ウマウマの能力は、どんな馬にもなることができ、馬力も十万馬力は有る。
それを紛れ込ませる事で、不可能を可能にしたのだ!

万馬券を購入するのは、コマイヌやエロベアに頼んだ。
すでに、各地で私の手足となってIPETシリーズが働いてくれている。
今も、この必勝コンボによって金を稼いでいるだろう!
競馬+変化+購入の三つの合わせ技によって、私のポケットマネーは無限大だ!」

「くっ、恐ろしい子。私達の考えのさらに上を行くとは……。
世界を変化させず、徐々に蝕んで行くという戦術ね。
これが、夕景ゆたかちゃんか。
でも、賄賂攻撃はワンテンポ遅れたようね。

今の神獣キマイラには、交渉することさえ不可能よ!
私の命令以外には全く反応せず、周囲にある物を攻撃するわ。
無理な変化をさせる事で脳に負荷を及ぼし、洗脳術などを防ぐ効果を持っているの。
さあ、神獣キマイラよ、その汚れた大金を持つ少女をIPETごと破壊しな!」

神獣キマイラは、本来夫婦のはずのジライヤでさえ容赦無く攻撃する。
龍の口部分からのブレスにより、ゆたかとジライヤは、紙のように吹っ飛ばされた。
オレと真槍ちゃんが受け止めてダメージを最小限に抑えたが、神獣キマイラの攻撃力は半端ではない。

「ふふ、人間なんて脆い生き物よね。
どんなに大金をせっせと稼いでも、病気や怪我で立ち所に消えてしまうわ。
ゆたかちゃんもその一人にしてあげる。
汚れた金で生きていくくらいなら、綺麗に処分してあげるわ!」

神獣キマイラは、龍と山羊の頭を持ち、交互に二つの火炎攻撃を使い分ける。
龍の攻撃は、圧力を加えた火炎弾で、山羊の攻撃は、火炎放射器のような炎のブレスだ。
火炎弾の直撃は受けなかったが、爆風でゆたか達は吹っ飛んでいた。
威嚇攻撃のようなものだが、それだけでも神獣キマイラの強さがわかる。

「くう、ジライヤとのコンビ技を駆使しなければ、この神獣キマイラには勝てない。
ステルスは下がっていろ、私とジライヤでこいつは倒す!」

ゆたかが初めて本気になり、眼鏡童子の前に立ち塞がった。
今までのようなエロい攻撃やギャグ技ではない。
本気の目をしたゆたかが立ち塞がる。
ジライヤも覚悟を決め、ゆたかに協力するようだった。

六年前の最強コンビがようやく再結成されたのだ。
神童宗谷との戦いでは見られなかった本気のゆたかだ。
遊びやおちゃらけの空気は消え去り、緊張が辺りを包み込む。
ゆたかの異様な空気の前に、眼鏡童子も緊張し始めていた。
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