【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編その四 神童宗谷VS光宮マモル アンドロイド対決による死闘!

第四十話 すれ違うマモルと冷菓 再開ならず!

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神童宗谷は、ゆたかを起こして告白しようとする。
後ろには、怒りに満ちた冷菓が銃を突き付けていた。
死角から、ゆたかにはそれが見えない。
すると、ゆたかが冷菓の存在に気がついた。

「あ、無いパイ、無事だったんだね?
目にアザがあるけどどうしたの?」

「ゆたかちゃん、とりあえず僕と話をしようか?
あまりこの人を刺激しない様に、今は本当にヤバイ状態みたいだからね。
実は、冷菓さんの登場で勝負がうやむやになって終わったんだけど、まあ引き分けで良いかな?

マモル君は、解放してあげるし、ゆたかちゃんは自分の意思で僕と付き合うかどうかを決める事ができる。
その条件を踏まえた上で、正式に申し込むよ。
僕と付き合ってくれませんか?」

必死でそう告げる神童宗谷だったが、ゆたかは無言のまま言葉を発しない。
じっと見つめ合い、何を考えているのかわからない。
ようやく質問が思い付いたのか、喋り始めた。

「料理とか作ってくれる?」

「うん、神獣達にやらせるよ!
あいつら、いくつもの料理を覚えているから、腕はプロ級なんだ。
材料さえあれば、萌え萌えオムレツでも、ラブラブチョコパフェでも作ってくれるよ!」

「じゃあ、一緒にお風呂に入って、背中を洗いっこしてくれる?」

「ああ、良いよ。
神獣達に頼めば、ソープ嬢並みのテクニックで体を全身くまなく洗ってあげるよ。
お望みとあれば、どんなタイプの女の子にだってなれる。
そこの巨乳の女の子だって良いし、冷菓さんだって可能だ。
マモル君でも真似できるよ!」

「じゃあ、掃除とかしてくれる?
私達の愛の巣を作れる?」

「ああ、できるよ!
あいつらセンスも抜群に良いからね。
世界中のインターネットにアクセスして、最適なお部屋をリホームしてくれるんだ。
お金は腐るほどあるし、何の心配もないよ!」

「そっか、じゃあヤダ!
神童宗谷となんて付き合いたくないよ!」

「ええ、何で?
僕は、何でもできるんだよ!
家だって、兵器だって、ロケットだって持っているんだ。
何が不満なの?」

神童宗谷は、何が何だかわからないと言う表情をした。
確かに、優良物件だが、女性の心を捉えていなかった。
ただの発明に頼るクソ野郎である事が暴露されたのである。
冷菓はその事を悟り、神童宗谷に言う。

「うーん、何でもできると言っても、それだけに頼る様じゃあ、女の子の心をゲットすることはできないんですよ。
彼女の為に特別な努力を払っている、これが女性の心を掴むのに必要なことですね。
例えば、あなたの言った方法は、別にゆたかちゃんじゃなくても、お金を渡して依頼されれば誰にでもしてくれますよね?」

「そりゃあね、お金を渡して依頼されれば、お客様だからね。
無下にすることはできないよ。
ちゃんとお金に見合った働きをさせてあげるよ!
発明家としては当然のことでしょう?
いや、ビジネスマンの常識だよ!」

「その常識が、女の子と付き合うという行為においては通用しないのです。
実際、あなたの回答を聞いてもドキドキしませんでしたからね。
これでは、女の子をときめかせる事はできませんよ。
まあ、後数年後にまた告白したら良いくらいのレベルですね。
お友達として付き合って、女心が分かったらまた告白しなさい!

これがマモル君だったら、上手く回答してくれると思うんですけどね。
また、起きたら相談してみて下さいよ。
じゃあ、私は顔を見られたくないので失礼します!
またお会いしましょうね!
あ、マモル君と真槍ちゃんには秘密ですよ?」

冷菓は、異次元空間にいる時間が無くなっていくのを感じ、そそくさと移動を開始した。
オレ達が目覚めるよりも早くに、ここを離れる気らしい。
すると、ユッキーの様子がおかしい事に気がついた。
今にも死にそうな表情をしている。

「あら、私の分身であるユッキーの様子がおかしいわ。
何か、異常でもあるのかしら?
まさか、ケルベロスとの戦いで致命的な傷を負ったとか?
唯一の連絡経路になるはずだったのに……」

「ユッキー、大丈夫?
どこか悪いの?」

死にそうなユッキーは、冷菓の声で喋り出した。
まるで自分が死にかけている様で、冷菓は複雑な表情をしている。

「はあ、はあ、はあ、私はもうダメです。
もう、意識を保っているのも限界の様です。
ゆたか、マモル君と真槍ちゃんをお願いしますよ。
私は、ここまでの様です……」

「いや、ユッキー死なないでよ!
折角扱いにも慣れてきたというのに……」

「さようなら……」

ユッキーは、頭を垂れ、機能を停止させた。
冷菓とゆたかは、ユッキーが全く動かなくなるのを黙って見ているしかできなかった。
泣きじゃくるゆたかを、冷菓が必死で慰める。

「うう、ユッキー……」

「ゆたかちゃん、ユッキーは幸せだったわ。
最後にあなたを守り切ったんだもの……」

すると、機械音が鳴り響き、こう喋り出した。

「ピー、電池が切れました。
なるべく早めに充電して下さい!」

冷菓とゆたかはしばらく黙っていた。
神童宗谷が、二人の言いたい事を代弁する。

「どうやら電池が切れただけだったみたいだね。
なんか、紛らわしいアンドロイドだね。
ゆたかちゃんも気が付かなかったの?」

「こいつら、全員死んだフリして生きてる事もあるからね。
爆発したり、死亡ブラフを立てても大概は生き残っているよ!」

「それは、凄い耐久力だね。
じゃあ、充電しに行こうか。
マモル君と真槍ちゃんも疲れている様だし、僕の部屋で休憩してくれよ」

「おお、マモル君と真槍をお持ち帰りですな。
今夜は楽しい夜になりますな!
眠らせなくて、一晩中激しいプレイが予想されますよ」

「別に、真槍ちゃんには何もしないよ。
普通に休んでもらうだけさ!
冷菓さんは、どうする?」

「私は、やっぱり自分の部屋へ帰ります。
今のところ危険は無いし、茨木童子が良く世話をしてくれますから。
まあ、マモル君がピンチになったら駆けつけますけど……。
今日は、このアザがありますからね……」

「ごめんなさい!」

「大した怪我では無いので、大丈夫ですよ」

神童宗谷を許し、冷菓は囚われているであろう部屋へ戻っていった。
意外と自由で、生活には不自由していないらしい。
実は、強敵に襲われない為に匿われている身なのだ。
しばらくは、茨木童子によって安全に守られている。
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