24 / 85
まどろみ
しおりを挟む
「なるほど。それで、付き合うことになった、と」
「うん」
翌日の放課後、喫茶店で彩月ちゃんと話す。
「へぇ、田中そんなこと言うなんてかっこいいね。好きかもしれない人って、小鳥遊先輩、でしょ? そのことは話した?」
「ううん、誰かまでは言ってないよ」
亮くんは聞かなかったから、私もわざわざ言うことではないかなと思い、言っていない。
「じゃあ、逆に小鳥遊先輩に、彼氏ができたって、話した?」
「お兄ちゃん? ううん、話してないよ」
初めての彼氏ができたなんて気恥ずかしくて、家族の誰にも言っていない。私がそう言うと、彩月ちゃんはオレンジジュースを、ストローでかき混ぜながら、頷いた。
「なるほどね。さて、田中の存在に気づいたら、小鳥遊先輩はどうでるのかな」
「でるって、何が?」
「秘密」
楽しそうに笑ったあと、オレンジジュースを飲み干して、彩月ちゃんはじゃあ塾だから、と行ってしまったので、私も帰る。
それにしても、彼氏、かぁ。昨日のことだし、なんだか、あまり実感がなかったけれど、彩月ちゃんと話してやっと、少し現実味を帯びた気がする。
「いい彼女になれるように、頑張ろう」
夜。リビングで、テレビを見ていると、亮くんからメールが来た。今までだったら、リビングでそのまま返事をしていたんだけど、やっぱりどこか気恥ずかしくて、二階にあがって自分の部屋で返信する。
メールには、今日も一日お疲れ様、とおやすみ、と書かれていた。
本当に何気ないことだけれど、おやすみとメールを送り合うやり取りが、くすぐったい。
思わずにやけながら、ベッドに飛び込む。
彼氏ってすごいなぁ。できたら、世界が変わるって誰かがいってたけど、その通りだ。
そういえば、昔は最初で最後の彼氏は、お兄ちゃんになってもらうのだと、夢見ていた。
でも、もしかしたら、本当に亮くんが私にとって、最初で最後の彼氏になる可能性だってあるよね。ずっと、ずっと付き合って、それで──。
「いやいやいやいや」
さすがに、それは重いよね。私も亮くんも高校生なんだし、まだ、先のことはわからない。
それでも。できるだけこの時間が続けばいいのにな。そう思いながら、眠った。
「うん」
翌日の放課後、喫茶店で彩月ちゃんと話す。
「へぇ、田中そんなこと言うなんてかっこいいね。好きかもしれない人って、小鳥遊先輩、でしょ? そのことは話した?」
「ううん、誰かまでは言ってないよ」
亮くんは聞かなかったから、私もわざわざ言うことではないかなと思い、言っていない。
「じゃあ、逆に小鳥遊先輩に、彼氏ができたって、話した?」
「お兄ちゃん? ううん、話してないよ」
初めての彼氏ができたなんて気恥ずかしくて、家族の誰にも言っていない。私がそう言うと、彩月ちゃんはオレンジジュースを、ストローでかき混ぜながら、頷いた。
「なるほどね。さて、田中の存在に気づいたら、小鳥遊先輩はどうでるのかな」
「でるって、何が?」
「秘密」
楽しそうに笑ったあと、オレンジジュースを飲み干して、彩月ちゃんはじゃあ塾だから、と行ってしまったので、私も帰る。
それにしても、彼氏、かぁ。昨日のことだし、なんだか、あまり実感がなかったけれど、彩月ちゃんと話してやっと、少し現実味を帯びた気がする。
「いい彼女になれるように、頑張ろう」
夜。リビングで、テレビを見ていると、亮くんからメールが来た。今までだったら、リビングでそのまま返事をしていたんだけど、やっぱりどこか気恥ずかしくて、二階にあがって自分の部屋で返信する。
メールには、今日も一日お疲れ様、とおやすみ、と書かれていた。
本当に何気ないことだけれど、おやすみとメールを送り合うやり取りが、くすぐったい。
思わずにやけながら、ベッドに飛び込む。
彼氏ってすごいなぁ。できたら、世界が変わるって誰かがいってたけど、その通りだ。
そういえば、昔は最初で最後の彼氏は、お兄ちゃんになってもらうのだと、夢見ていた。
でも、もしかしたら、本当に亮くんが私にとって、最初で最後の彼氏になる可能性だってあるよね。ずっと、ずっと付き合って、それで──。
「いやいやいやいや」
さすがに、それは重いよね。私も亮くんも高校生なんだし、まだ、先のことはわからない。
それでも。できるだけこの時間が続けばいいのにな。そう思いながら、眠った。
17
あなたにおすすめの小説
幽霊じゃありません!足だってありますから‼
かな
恋愛
私はトバルズ国の公爵令嬢アーリス・イソラ。8歳の時に木の根に引っかかって頭をぶつけたことにより、前世に流行った乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づいた。だが、婚約破棄しても国外追放か修道院行きという緩い断罪だった為、自立する為のスキルを学びつつ、国外追放後のスローライフを夢見ていた。
断罪イベントを終えた数日後、目覚めたら幽霊と騒がれてしまい困惑することに…。えっ?私、生きてますけど
※ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください(*・ω・)*_ _)ペコリ
※遅筆なので、ゆっくり更新になるかもしれません。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい
花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。
ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。
あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…?
ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの??
そして婚約破棄はどうなるの???
ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。
折角転生したのに、婚約者が好きすぎて困ります!
たぬきち25番
恋愛
ある日私は乙女ゲームのヒロインのライバル令嬢キャメロンとして転生していた。
なんと私は最推しのディラン王子の婚約者として転生したのだ!!
幸せすぎる~~~♡
たとえ振られる運命だとしてもディラン様の笑顔のためにライバル令嬢頑張ります!!
※主人公は婚約者が好きすぎる残念女子です。
※気分転換に笑って頂けたら嬉しく思います。
短めのお話なので毎日更新
※糖度高めなので胸やけにご注意下さい。
※少しだけ塩分も含まれる箇所がございます。
《大変イチャイチャラブラブしてます!! 激甘、溺愛です!! お気を付け下さい!!》
※他サイト様にも公開始めました!
姉が年々面倒になっていくのを弟と押し付けあっていたのですが、手に負えない厄介者は他にいたようです
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたシュリティ・アガルワルには、姉と弟がいた。両親は、3人の子供たちに興味がなく、自分たちの好きなことをしているような人たちだった。
そんな両親と違い、姉は弟妹たちに何かと外の話をしてくれていたのだが、それがこんなことになるとは思いもしなかった。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる