王子様、あなたの妃にはなりません!

小達出みかん

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第一部 馴れ初めから結婚まで

ライクアバージン(終)

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リリーはルセルのバスローブを脱がせた。昼間制服に包まれていた、凛々しい身体があらわになった。リリーは小さく微笑んだ。


「教会での殿下・・・かっこよかったです」


「ん・・・そ、そうか・・・・?だがお前も、綺麗だったぞ・・・」


 バージンロードを歩いてきたリリーは不安と、闘志がないまぜになった顔をしていた。

 ルセルはその不安な表情を見て、初めて思った。


 彼女を、守ってやりたい、と。


「じゃあ・・・ドレス、脱がせてくれますか?」


「うん・・・」


 ルセルは言われるがままにパーティー用のエンパイアドレスのリボンを解いた。

 その下は布の少ないシンプルなショーツだった。


「と、取るぞ・・・」


「はい・・・」


 ルセルの手によって裸になったリリーは、彼の頬に手を伸ばした。

 リリーのその恍惚とした表情に、ルセルはただ見とれた。


「ありがとうございます、殿下・・・」


 そのままリリーはルセルにキスをした。最初から舌をからませる、濃厚なキスだった。


「ふぁっ・・・なにが・・だ・・・」


 ルセルはそう聞いたが、リリーはキスするだけで答えなかった。


「んっ・・・ふ・・・ぁ・・・」


 ルセルは夢中で、リリーを抱きしめた。触れ会う素肌が気持ち良い・・・

 リリーの肌はえもいわれず滑らかだ。


(これからは、いつでも、触れるんだ、この肌に・・・)


 そう思うとルセルは嬉しかった。


「殿下・・・」


 唇を離して、リリーは熱っぽい目でルセルを見た。その表情は今まで見た中で一番、熱情がむき出しになっていた。


「リリー・・・ルセルって、呼んで・・・名前で」


 リリーはかすかに笑って、ルセルの髪をすいた。


「ルセル様・・・どうして欲しいですか?」


 ルセルのしたいことは、一つだ。


「リリーが、欲しい・・・」


 そう言うルセルを、リリーは愛おしく思った。


 彼が、心から私を欲している。

 彼は、私の愛撫を、求めている・・・。


(ああ、嬉しいものなんだな、こうやって、愛を受け取る人がいてくれるのって・・・)


 自分に差し出せるものすべてを、彼に差し出したい・・・

 リリーは熱情にまかせるままに彼の身体を愛撫した。

 攻められることにまだ慣れていない彼の体は、触れれば紅く染まり、舐めれば震え、そのつど初々しい反応を示した。


「あっ・・・リリーっ・・・だめ、だめっ・・・待って・・・!」


 ルセルが切羽詰った声を出したので、リリーは笑って行為を止めた。


「もう、いきそうですか?」


 ルセルはベッドから身を起こし、リリーの上になった。


「いつもそうやって、余ばかり・・・!交代だ、交代っ」


 はあっと息を吸って、ルセルはリリーの肌にむしゃぶりついた。


「んっ・・・殿下・・・・」


「だめ、名前でよんでって言ったのに」


 ルセルはリリーの首筋に吸い付いた。

 つやめく白肌に、紅い跡が残った。それを撫でてルセルは満足そうに言った。


「余のものだ・・・もう、もうずっと、永遠に」


 そしてルセルはそのくちびるを乳房に寄せた。


「んっ・・・・ル、ルセル・・・様っ・・・」


 彼の赤子のような桜色のくちびるが、リリーの乳を吸っている。

 ぞくぞくする感触と、その光景もあいまって、リリーは身体がびくびく震えた。


「はぁ・・・んっ・・・」


「リリー、お前も、感じやすいな・・・?ここ、ぴんと固くなってるぞ」


「そ、それはっ・・・」


 それは、相手が殿下だから・・・。

 とリリーは思ったが、さすがに口には出せなかった。

 恥じらいも清らかさも、自分にはもうないと思っていたのに、ルセルにこうして身体を見られ、触られると、とてつもなく恥ずかしい。穴があったら入りたい。


「本当に可愛いな、リリーは・・・」


 ルセルはため息とともにそうつぶやいた。

 いつも理路整然と構えて、冷静で、余裕をかましてルセルを攻め、時に甘えさせてくれるリリーが、自分の下であえいでいるというのはルセルにとってたまらないものがあった。


「もう・・・そんなこと・・・あっ・・・・」


 ルセルがリリーの下の口に指をあてたので、リリーは声を抑えた。

 その仕草が可愛くて、ルセルは中にゆっくりと指を入れた。ぷちゅりと水音がした。


「んっ・・・そんな・・・優しくしなくても・・・大丈夫・・・です」


「いきなり入れたら、ここが可哀想だろう・・・?ほら、中、ひくひく動いているぞ・・・」


 ルセルはリリーのそこをくつくつと指先でやさしくかき回した。


「んっ・・・・くっ・・・うぅ・・・」


 それは小さな動きなのに、リリーは必死に身体の疼きを抑えなければならなかった。


「なぜそう顔をかくす?・・・可愛い顔を見せてくれ」


「だ、だめ・・・ああっ」


 ルセルが指をうごかすたびに、小刻みに快楽がそこに走る。


「はぁ・・・いや・・・、ル、ルセルさま・・・!」


「ん・・・?なんだ・・・?」


 リリーは顔を手で隠したまま切実なお願いをした。


「指・・・ぬいて・・・・ルセル様のを・・・入れて・・・・」


「もう・・・いいのか?入れて・・・」


 たずねたルセルに、リリーはうんうんとうなづいた。


「じゃあその手をおろしてくれないか・・・?顔が、見たい」


 リリーはそろそろと手をどけた。上気したルセルの顔と、そのものが見えた。


「ずっと・・・したかったんだぞ・・・」


 ルセルはくしゃりと笑ってリリーのそこに自分のものをあてがった。


(入ってくる・・・入る・・・・殿下のものが、私のなかにはいる・・・)


 そう思うと、リリーはみっともないほど心臓がドキドキした

 まるで処女みたいに。


(そうだ・・・初めてみたい。私、初めての時みたいな気持ちになってる・・・)


 そう思うと、いままでの悲しい自分が思い出され切なく、また同時に嬉しかった。


(初めてを、やりなおしてもらってるんだ・・・殿下に)


「入れるぞ・・・」


 ルセルの先端が、リリーのそこに触れ、ぐぐ、と入った。

 十分に濡れていたそこは、なんの抵抗もなくにゅるりと彼を受け入れた。


「くっ・・・・あぁっ・・・」


 ルセルがうめいた。


「殿下・・・気持ちいい、ですか・・・?」


「ああ・・・リリーの中・・・あったかい・・・」


 ルセルはとろとろのホットチョコレートをおもいだした。

 ここはたっぷりチョコレートの入ったピンクのカップのようだ。

 甘くて、暖かくて、ぬるぬるしてて、美味しくて、気持ちよくて・・・


 辛抱たまらなくなったルセルは、夢中で腰を動かした。


「んっ・・・ああっ・・・ルセル・・・さま・・っ」


 リリーが切なく叫んだ。その甘い響きはルセルの我慢をすべて溶かしてしまった。


「あっ・・・あっ・・・気持ちいい、リリーの、中・・・」


 ルセルのそれは、リリーの中の奥の部分まで何度も届いて、リリーも我慢する余裕がなくなった。


「ルセル・・・さまっ・・・わ、私・・・」


「い、いきそうか・・っ?」


 次の瞬間、リリーの頭は快楽で真っ白になった。中がぎゅううっとルセルのものを締め上げた。

 吸い付くような感触に、ルセルも顔をゆがませた。


「くっ・・・あっ・・・な、なかっ・・・出る・・・!」


 焼ききれるような快感と共に、ルセルも達した。


「はぁ・・・はぁ・・・リリー・・・」


 ルセルはそのままリリーの上に倒れこんで、抱きしめた。


「・・・気持ち、よかった・・・こうなれて、よかった・・・」


「ルセル様・・・」


 2人とも、お互いをぎゅっと抱きしめた。

 この熱い抱擁が、いままでの淋しかったこと、辛かったこと・・・

 すべて溶かしてしまった気がした。


(私・・・新しく、生まれ変わった気がする。

 あなたの・・・おかげで)


 彼の温かい腕を感じながら、リリーの頬にはひそかに涙が伝った。


「リリー、泣いているのか・・・?」


 ルセルはそっとそうたずねた。

 リリーはそれをぬぐいながらただうなずいた。


「理由を・・・聞いてもいいか・・・?」


 涙の理由すべてを、言う必要などない。みすぼらしい部屋の片隅で膝を抱えている少女は、もういない。

今胸にある気持ちはただ一つ。


「ルセル様・・・愛しています」


 涙の理由を心配をしたルセルは、その答えに驚いた。

 そして、リリーの目をじっと見た。

 最初のときルセルの暗い心を燃え上がらせた、あの純粋な輝きが、その目の中にあった。


(やっと・・・・その目を向けてくれた)


 ルセルも泣きそうになったが、ぐっとこらえてリリーを強く抱きしめた。

 お互い言わなくても気持ちがわかった。


 (この人の腕の中が、私が探していた場所だったんだ)


 (リリーに、彼女に出会うために、今までがあったのだ・・・)





 抱きしめあう2人の上に、夜の帳が優しく降りて、2人を夢の世界にいざなった。

 平和で幸せな、夢の中へ。



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