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漫画紹介読み切り・魔法戦士になったら変身前の姿が女の子になりました

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猛暑が続く今日この頃

港近くの
この街でも暑いのは変わらない

オレは梅橋葉月(ハヅキ)
小学五年生
海が見える山の上の住宅地に住んでいる

突然だけど実はオレ
魔法が使える
魔法戦士なんだ……

「あちぃ…干物になるぅ」

「僕なんか
身体がカピカピに乾いちゃったよ
  ハヅキ君……」

扇風機の前で涼んでいるオレに
声をかけるのは
オレの使い魔の
シャークだ

ぬいぐるみみたいな
見た目だけど
一応生きてる

「そうだよなぁ……
  お前も暑いよなぁ~はぁ…」

オレとシャークが
だるそうに会話をしていると
外から従兄妹のナオミが
ゴムホースを持って縁側に顔を出した
庭にはポタポタと
ゴムホースを伝って
蛇口の水が地面に落ちる

髪は結わずタンクトップに短パンの
オレのだらしない格好を見て
ナオミは眉間にしわを寄せる

「ちょっと!ハヅキ!
  暑いからって家で
そんな格好しないでよ!
アンタ、女の子でしょ!」

言い忘れてたけど
オレは女なんだ
自分でも認めたくないけど
でも……

でも昔は
男だったんだ……

「女だからなんだよ!
  オレのことわからない癖に!」

むしゃくしゃしたオレは
蒸し暑さの中起き上がると
縁側へと出てくる

「ナオミもうるさいし
  オレ、図書館にでも行って
   涼んでくるよ」

そしてオレは
サンダルを履いて
庭に出ようとした

しかしその瞬間オレは
ナオミが使っていたゴムホースに
足を引っかけた

「うわっ⁉」

ナオミも驚く

「きゃあっ!」

驚いた拍子に
ナオミが勢いよく
ホースの取っ手を握り
そこから大量の水が
シャワー状になって二人にかかった


「……」

地面に二人して
転び泥でびちょびちょになったナオミは
オレに怒った

「もう!最悪
  汚れちゃったじゃないのよ
ハヅキのバカ!」

「何だよ!
  お前が水を出したんだろ!」

二人で言い争っていると
ナオミの母ちゃんが
声を聞きつけて廊下のほうからやって来た


オレらは事情を
ナオミの母ちゃんに話す

でもそんなことよりも
ナオミの母ちゃんは
オレたちを落ち着かせようとする

「まぁまぁ……二人とも
  そう怒らないで
とりあえず二人でお風呂にでも入ったら?
服も汚れちゃったんだしww」

オレはびっくりした

ふっ風呂ぉ⁉
ナオミと風呂に入れだって……?
冗談だろ!
何で小学五年生にもなって
女子の従兄妹と
風呂に入らなきゃいけないんだよ!

「はぁ…仕方ないわね
  一緒に入ってあげるけど
謝るまでハヅキのこと
まだ私許さないから!」

「ふっふざけんな〰〰!///
誰がお前と入るかよ!///
お前が平気でも
オレはヤダーーー‼」

シャークを連れ
オレは顔を赤くしたまま
家を飛び出していった


残されたナオミは
不機嫌になる

「なっ……何よ!
ハヅキが悪い癖に!」

オレはシャークと共に
休日何処も海や遊園地
山に水族館、博物館に市民プールなんかで
貸し切り状態の誰も居ない住宅地を
とぼとぼと歩く

「ところでハヅキ君
  何処に行くつもりなの?」

「そうだなぁ……こんな泥まみれじゃ
 図書館にも入れてもらえないかもな…」

ばっちい服を
見つめていると
オレは立ち止まる

「そうだいい方法を思いついたぞ
 シャーク!魔法戦士に変身だ!」

オレはズボンのポケットから
鍵穴の印のついた絵馬を取り出した

「変身!」

するとオレの身体は
碧く光りその中で服が脱げ落ちる

光に包まれたながら
手足は少し大きくなり
身長も同年代の男子の平均程度に伸び
腰の括れも無くなる

身体が完全に少年へと変わると
碧い光が戦士のスーツ
戦士のブーツ
戦士のグローブ
そして戦士のメットへと変わった

「へへww変身完了♪
  よしっシャーク次はお前の番だぜ」

変身し終わるとシャークを掴む

するとシャークも
魔法戦士専用の武器へと変わり
オレの腕に装着される

「さぁて……それじゃ
  この技を使っちゃいますか!」

オレは脱げ落ちている服に向かって
技を発した

「バブルクリーン!」

すると武器から泡が放出され
見る見るうちに泥を落とし
服を綺麗に洗い上げた

「よし完璧に綺麗になったぞ!
やっぱり変身って
男に戻れるしカッコイイよなぁww」

喜んでいると武器に変身したままのシャークが
オレに話しかけた

「元の男の子に戻るためにも
  君に呪いをかけたワーム団を倒さないとね…!」

「ああ!絶対見つけ出して
  やっつけてやるよ」


畳んだ服を持っていると
ちょうど道の向こうから
ナオミが歩いてくるのが見えた

なっナオミ!

ナオミもオレに気が付き
近づいてきて
オレの持っている服を見た

「あれ?それって……
  ハヅキの服」

オレは慌てた
魔法戦士に変身できることは
ごく一部の人間にしか
知られちゃいけない決まりだから

仮に此処で逃げたら
女子の服を盗む変態扱いされそうだし

汗ってオレは
ナオミに適当に話を作る

「じっ実はな
  ……オレ、いや
  僕が通りかかったら
  ちょうどこの服が落ちててね

ナオミちゃん!
この服の持ち主のハヅキちゃんに
届けてあげてくれ!」


「はっはぁ……
  あっ!でも何で私たちの名前を知ってるの?」


「僕は魔法戦士だからだよ…
  じゃっじゃあね!」

魔法戦士らしくナオミにカッコつけると
とにかくオレは近くの公園へと
逃げた

「あの人魔法戦士なんだ
何か素敵だったなぁ……フフ///」


ナオミは洋服を持って
再びをオレを探す

そしてやっと公園へと
入ってくるのを確認すると
オレは変身を解きナオミを呼んだ

「おーい…ナオミ~…」

勿論変身を解除したオレは
タンクトップにスパッツで
トイレの裏にうずくまっていた

家だと平気だったのに
何か誰かに見られそうで
出ていきづらいんだよな……

女のオレの声じゃないと
やっぱりハヅキとして
ナオミ呼び止めるのは無理らしく
肌着になるしかない
といっても
女子トイレに入るのも
抵抗があったから……
とりあえずトイレの裏に隠れていた

くそぉ……何でこんな
苦労をしなきゃいけないんだ

これも全部ワーム団のせいだ!

「ナオミ~……はやく気づいて…///」

end
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