19 / 38
勉強を教えて
しおりを挟む
帰宅後、私はいつも通り、すぐにリッキーの家へ向かった。本人の言っていた通り、いつも敷地入口でみんなを待っているリッキーの姿はない。門のところにひっそりついているインターフォンを押すと、リッキーのおばあさんが「いらっしゃい」と出迎えてくれた。
力也、今日は用事があってね。もしかしたら、みんながいる間には、帰ってこないかもしれないのよ。もしそうなったら、ごめんね。私を案内しながら話すおばあさんの声は、いつもに増して高くてやわらかくて、なんだかとても嬉しそうだった。不思議に思いつつ、連れられていった部屋を開けると、もう私以外の全員が畳に敷いた座布団へ腰を下ろしていた。
「メスゴリラ、遅いよー。いつも一番に来んのにー」
宮崎くんの間延びした声が飛んでくる。
「いいでしょ、別に」
私はひとつ空いた座布団へ座った。清水さんの横だ。反対隣には、宮崎くんがいる。
「今、清水さんに算数教えてもらってたんだ。今日やったとこ、全っ然分かんなくて」
「真美ちゃんに教えてもらえばいいのに。頭いいよ、あの子」
宮崎くんは、えー、と不満げな声を上げた。
「だって、真美ちゃんとは、帰る時しか話さないもん。清水さんならさ、こうやって学校終わってからでも一緒にいる時間長いじゃん。だから、学校で聞けなかったこととかも教えてもらえる。今日の続きだって、明日学校でねってできるし」
私の頭には真美ちゃんの幸せそうな顔が浮かんでいた。それが、宮崎くんが言葉を口にする度、どんどん悲しげに変わっていく。
「宮崎くん、真美ちゃんと付き合う手前の状態でしょ? 真美ちゃんに聞いてあげなよ」
思いがけず、声が高くなった。宮崎くんは、きょとんとしている。
「でも、付き合うのと、分かんないとこ教えてもらうのは別じゃん。勉強教えてもらったからって、真美ちゃんと付き合うわけでも、清水さんと付き合うわけでもないよ」
そりゃそうだけど……。その言葉の続きを頭で組み立てている時、シャーっと鋭い音を立てて、障子が開いた。
「やっぱ、みんな揃ってんじゃん。めっちゃ走ってきたのに」
はぁはぁ肩で息をするリッキーがいた。
「リッキー、早かったね!」
宮崎くんが言った。確かに早い。早すぎる。おばあさんは遅くなるって言ってたのに。
「こんなに早くていいの?」
私が聞いても、リッキーはあっけらかんとしている。
「別に。ちょっと顔出てきたくらいのもんだし。それより、何話してたんだよ? なんかもめてただろ?」
リッキーは目にキラリと好奇の光を映している。一瞬忘れかけていた宮崎くんへの苛立ちが、お腹でフツフツした。
「宮崎くんが清水さんに勉強教えてもらってて、だったら真美ちゃんに教わったらって言ったの」
「なんで?」
間髪入れずにリッキーが聞いてくる。
「だって、宮崎くんは真美ちゃんと付き合う手前でしょ? だったら真美ちゃんに教えてもらった方がいいじゃん。他の女の子に聞いたんじゃ、真美ちゃんもいい気しないよ」
リッキーの口角が、なるほど、と言うように得意げに上がった。
「だからやめとけって言ったんだよ、和真。誰に勉強教わるかなんて和真の勝手なのに、女子はこうやって文句つけてくるだろ? 付き合うかどうかと勉強教えてもらうの関係ねぇじゃん」
リッキーが言うのを聞いていると、一気に怒りが突き上げてきた。宮崎くんの時より、何倍も大きい怒りが。
ちょうど座布団を引っ張り出して座ろうとしていたリッキーの頭を、私は思い切り力を込めてひっぱたいた。
「いってぇな! 何すんだよ!」
「リッキーも宮崎くんも最低だよ! 真美ちゃんが宮崎くんのこと大好きなの分かってるくせに、なんでそんなにいい加減に扱えんの?」
「ごめんね」
その細い声は、リッキーのものでも、宮崎くんのものでも、なかった。清水さんだ。
「山崎さんの言う通り、かも。私じゃなくて、吉村さんに教えてもらった方がいいね。私、何も考えてなくて――」
「付き合うかもって、そんな不便なものなの?」
清水さんをさえぎったのは、宮崎くんだった。いつもと違う、低く、落ち着いた調子の声に、背中がヒヤリとして、私は宮崎くんを見ていた。彼は続ける。
「オレは、ただ、自分のやりやすいようにしたいだけ。算数苦手だから、教わりやすい人に教えてもらいたいって、それだけだよ。なのに、付き合うかもしれないってだけで、そんなことも自由にできなくなるんなら、オレ、誰とも付き合わないよ。真美ちゃんにも、そう言う」
思いがけない展開に、ハッとなった。
「だめだよ、そんなの……!」
とっさに声が出たけれど、言葉はそれ以上続かなかった。何か言わなくちゃいけないのに、ひとつも言葉がなくて、意識が頭の中を巡るばっかりだ。私が何も言えないでいるうちに、リッキーが宮崎くんに加勢した。
「だめじゃないだろ。試しにかるーく付き合うっぽいことしてみたら、すっげぇ束縛されて、ムリって思ったってことじゃん。もともと付き合えないかもしれないって話だったんだから、その通りになっただけ」
「真美ちゃんが束縛したわけじゃないじゃん! 私が……私が勝手に言っちゃっただけで……」
私が必死に訴えても、リッキーは、全然聞いてくれない。お前から見て吉村さんは、他の女子に和真が勉強教えてもらってたら機嫌悪くすんだろ? じゃあ、そうなるよ。そう言って、リッキーは宮崎くんの方を向いた。
「和真もさ、最初っからこうなんの、分かってたじゃん。初めからキッパリ断れば良かったんだよ」
「うーん、そうかなぁ。オレは大丈夫だと思ってたんだけどなぁ」
宮崎くんの声には、いつもの呑気な雰囲気が戻ってきていた。
和真はお人好しすぎんだよ。で、誰も得しない結果になんじゃん。
えー。でも相手のことなんにも知らないのに、すぐにだめなんて言えないじゃんか。
二人の会話がすごく遠くで交わされているように、私には聞こえた。止めたいのに、私の言葉にならない言葉は届きようもなくて、こうあるべきって思うのと全然違う方向へ、話が進んでいってしまう。
「真美ちゃんがかわいそうだよ」
焦りの末にやっと出た言葉は、やっぱりリッキーにも宮崎くんにも、響かなかったらしい。リッキーは鋭い目をして、宮崎くんはちょっと肩をすくめて、しょうがないじゃん、と口を揃えた。二人のビクともしない態度を見て、私ははっきりと何を言ってもだめだと分かった。なんだかすごく悲しくなって、彼らを視界に入れないようにしながら立ち上がる。
「私、帰る」
「え? なんで?」
宮崎くんが高い声を出した。何の含みもない、純粋な「なんで?」だった。でも、
「勝手に帰れよ。一人でふてくされてさ。言っとくけど、和真も清水さんも、一ミリも悪くないからな。勉強教えてもらうって単純なことややこしくしたのはお前だ。和真にフラれる吉村さんがかわいそうだって言うなら、それも全部お前のせいだ」
その辺にあるものを全部蹴りつけてやりたいくらい、悔しさがお腹でグルグル回っていた。目の縁に涙が溜まってくる。気持ちを知られたくなくて、私は顔をそむけたまま、部屋を出ていった。
力也、今日は用事があってね。もしかしたら、みんながいる間には、帰ってこないかもしれないのよ。もしそうなったら、ごめんね。私を案内しながら話すおばあさんの声は、いつもに増して高くてやわらかくて、なんだかとても嬉しそうだった。不思議に思いつつ、連れられていった部屋を開けると、もう私以外の全員が畳に敷いた座布団へ腰を下ろしていた。
「メスゴリラ、遅いよー。いつも一番に来んのにー」
宮崎くんの間延びした声が飛んでくる。
「いいでしょ、別に」
私はひとつ空いた座布団へ座った。清水さんの横だ。反対隣には、宮崎くんがいる。
「今、清水さんに算数教えてもらってたんだ。今日やったとこ、全っ然分かんなくて」
「真美ちゃんに教えてもらえばいいのに。頭いいよ、あの子」
宮崎くんは、えー、と不満げな声を上げた。
「だって、真美ちゃんとは、帰る時しか話さないもん。清水さんならさ、こうやって学校終わってからでも一緒にいる時間長いじゃん。だから、学校で聞けなかったこととかも教えてもらえる。今日の続きだって、明日学校でねってできるし」
私の頭には真美ちゃんの幸せそうな顔が浮かんでいた。それが、宮崎くんが言葉を口にする度、どんどん悲しげに変わっていく。
「宮崎くん、真美ちゃんと付き合う手前の状態でしょ? 真美ちゃんに聞いてあげなよ」
思いがけず、声が高くなった。宮崎くんは、きょとんとしている。
「でも、付き合うのと、分かんないとこ教えてもらうのは別じゃん。勉強教えてもらったからって、真美ちゃんと付き合うわけでも、清水さんと付き合うわけでもないよ」
そりゃそうだけど……。その言葉の続きを頭で組み立てている時、シャーっと鋭い音を立てて、障子が開いた。
「やっぱ、みんな揃ってんじゃん。めっちゃ走ってきたのに」
はぁはぁ肩で息をするリッキーがいた。
「リッキー、早かったね!」
宮崎くんが言った。確かに早い。早すぎる。おばあさんは遅くなるって言ってたのに。
「こんなに早くていいの?」
私が聞いても、リッキーはあっけらかんとしている。
「別に。ちょっと顔出てきたくらいのもんだし。それより、何話してたんだよ? なんかもめてただろ?」
リッキーは目にキラリと好奇の光を映している。一瞬忘れかけていた宮崎くんへの苛立ちが、お腹でフツフツした。
「宮崎くんが清水さんに勉強教えてもらってて、だったら真美ちゃんに教わったらって言ったの」
「なんで?」
間髪入れずにリッキーが聞いてくる。
「だって、宮崎くんは真美ちゃんと付き合う手前でしょ? だったら真美ちゃんに教えてもらった方がいいじゃん。他の女の子に聞いたんじゃ、真美ちゃんもいい気しないよ」
リッキーの口角が、なるほど、と言うように得意げに上がった。
「だからやめとけって言ったんだよ、和真。誰に勉強教わるかなんて和真の勝手なのに、女子はこうやって文句つけてくるだろ? 付き合うかどうかと勉強教えてもらうの関係ねぇじゃん」
リッキーが言うのを聞いていると、一気に怒りが突き上げてきた。宮崎くんの時より、何倍も大きい怒りが。
ちょうど座布団を引っ張り出して座ろうとしていたリッキーの頭を、私は思い切り力を込めてひっぱたいた。
「いってぇな! 何すんだよ!」
「リッキーも宮崎くんも最低だよ! 真美ちゃんが宮崎くんのこと大好きなの分かってるくせに、なんでそんなにいい加減に扱えんの?」
「ごめんね」
その細い声は、リッキーのものでも、宮崎くんのものでも、なかった。清水さんだ。
「山崎さんの言う通り、かも。私じゃなくて、吉村さんに教えてもらった方がいいね。私、何も考えてなくて――」
「付き合うかもって、そんな不便なものなの?」
清水さんをさえぎったのは、宮崎くんだった。いつもと違う、低く、落ち着いた調子の声に、背中がヒヤリとして、私は宮崎くんを見ていた。彼は続ける。
「オレは、ただ、自分のやりやすいようにしたいだけ。算数苦手だから、教わりやすい人に教えてもらいたいって、それだけだよ。なのに、付き合うかもしれないってだけで、そんなことも自由にできなくなるんなら、オレ、誰とも付き合わないよ。真美ちゃんにも、そう言う」
思いがけない展開に、ハッとなった。
「だめだよ、そんなの……!」
とっさに声が出たけれど、言葉はそれ以上続かなかった。何か言わなくちゃいけないのに、ひとつも言葉がなくて、意識が頭の中を巡るばっかりだ。私が何も言えないでいるうちに、リッキーが宮崎くんに加勢した。
「だめじゃないだろ。試しにかるーく付き合うっぽいことしてみたら、すっげぇ束縛されて、ムリって思ったってことじゃん。もともと付き合えないかもしれないって話だったんだから、その通りになっただけ」
「真美ちゃんが束縛したわけじゃないじゃん! 私が……私が勝手に言っちゃっただけで……」
私が必死に訴えても、リッキーは、全然聞いてくれない。お前から見て吉村さんは、他の女子に和真が勉強教えてもらってたら機嫌悪くすんだろ? じゃあ、そうなるよ。そう言って、リッキーは宮崎くんの方を向いた。
「和真もさ、最初っからこうなんの、分かってたじゃん。初めからキッパリ断れば良かったんだよ」
「うーん、そうかなぁ。オレは大丈夫だと思ってたんだけどなぁ」
宮崎くんの声には、いつもの呑気な雰囲気が戻ってきていた。
和真はお人好しすぎんだよ。で、誰も得しない結果になんじゃん。
えー。でも相手のことなんにも知らないのに、すぐにだめなんて言えないじゃんか。
二人の会話がすごく遠くで交わされているように、私には聞こえた。止めたいのに、私の言葉にならない言葉は届きようもなくて、こうあるべきって思うのと全然違う方向へ、話が進んでいってしまう。
「真美ちゃんがかわいそうだよ」
焦りの末にやっと出た言葉は、やっぱりリッキーにも宮崎くんにも、響かなかったらしい。リッキーは鋭い目をして、宮崎くんはちょっと肩をすくめて、しょうがないじゃん、と口を揃えた。二人のビクともしない態度を見て、私ははっきりと何を言ってもだめだと分かった。なんだかすごく悲しくなって、彼らを視界に入れないようにしながら立ち上がる。
「私、帰る」
「え? なんで?」
宮崎くんが高い声を出した。何の含みもない、純粋な「なんで?」だった。でも、
「勝手に帰れよ。一人でふてくされてさ。言っとくけど、和真も清水さんも、一ミリも悪くないからな。勉強教えてもらうって単純なことややこしくしたのはお前だ。和真にフラれる吉村さんがかわいそうだって言うなら、それも全部お前のせいだ」
その辺にあるものを全部蹴りつけてやりたいくらい、悔しさがお腹でグルグル回っていた。目の縁に涙が溜まってくる。気持ちを知られたくなくて、私は顔をそむけたまま、部屋を出ていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
【完結】僕は君を思い出すことができない
朱村びすりん
青春
「久しぶり!」
高校の入学式当日。隣の席に座る見知らぬ女子に、突然声をかけられた。
どうして君は、僕のことを覚えているの……?
心の中で、たしかに残り続ける幼い頃の思い出。君たちと交わした、大切な約束。海のような、美しいメロディ。
思い出を取り戻すのか。生きることを選ぶのか。迷う必要なんてないはずなのに。
僕はその答えに、悩んでしまっていた──
「いま」を懸命に生きる、少年少女の青春ストーリー。
■素敵なイラストはみつ葉さまにかいていただきました! ありがとうございます!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる