それは、恋でした。

むう

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夏合宿

2-26

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***



バーベキューも終わり、俺たちは最後の夜を迎えた。




「つーわけで!今日の夜は盛り上がって行きましょー!!」


「いーね、いーね!今年も恒例行事!」


「確か去年は・・・ワールドカップの話に、渡邊の話に・・・結構話したよな」


「美人がマネージャーになりに来た!ってさ笑」




去年は、俺たちの1個上の先輩が渡邊の話をずっとしてて、それを延々と聞かされていた覚えがある。


何回も同じ事を言うもんだから、裕大が飽きたって言って先輩に馬鹿野郎と怒られていたのを今でも忘れられない。




あの時から、裕大は変わらねぇな笑




俺たちの代でも、渡邊は何でも出来ていい奴で評判だし、今回もその話だと思っていた。




「てかさ、この合宿で思ったんだけど、沙奈ちゃんってすげぇよな!」

「あぁ、分かる!なぁんか俺たちも気づかない所に気づくって言うか…今日の弘樹の捻挫だってそうだけど」

「素直で可愛いよな!」

「最初はさ、“裕大の妹”としか思ってなかったけど。今となっちゃ大事な仲間だよな」





沙奈ちゃんが、モテてる・・・?



予想外の展開に俺は頭が真っ白になる。


俺は沙奈ちゃんの話なんて出ないと思っていたから。





「沙奈は出来る子なの!俺の妹何だから!」

「渡邊とは全然違うよな。なんつーの?手を伸ばせば届くような所に居る感じ?俺、今度メアド聞いてみようかなー?」



メアドだと!?



俺だって知らないのにー



しかも手を伸ばせば届くだと!?




なんつー言い方してんだよ…





ーって俺、何でこんなに怒ってんだー…??





「沙奈のメアドなど、誰にも教えん!!」

「んでだよー!?」

「お前らは下心ありありなんだよ!絶対駄目!!」

「・・・このシスコン!!」

「何とでも言えー!!」




皆はワイワイとしている中、俺と同じようにあんまり楽しそうではない奴がいた。



それは准。




准はかなり顔に出やすいから、怒っているのがすぐに分かった。






・・・准・・・?





「なぁ、准もそう思うだろー!?」


「あ?おー、お前らが手出していい奴じゃねぇよ」


「准まで言うかー!?」






准のその言葉が頭に引っかかって離れなかった。
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