それは、恋でした。

むう

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夏合宿

2-27

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***



次の日の朝。




朝飯を食べ終わった後、1週間使わせてもらった合宿所の掃除を全員でしていた。


俺と裕大は男子トイレの掃除をしていて、その隣では渡邊と沙奈ちゃんが女子トイレの掃除をしていた。





「トイレ掃除って…何で俺たちなんだよ~」

「んなの、ジャンケンに負けたからだろ」

「ぶー!!」




文句を言いながらも、綺麗に掃除する裕大。


その時、女子トイレの掃除が終わったらしく、ドアの閉める音が聞こえた。




「悼矢~、トイレ掃除終わったら次は外の掃除だから宜しくね」

「お~」

「んで、悼矢だけに言うんだよ…差別か!?そうだろ!?」

「ばーか、早くやってよ(笑)」

「励ましの言葉すらねぇよ。最悪!!」




最近の渡邊は、裕大に反抗気味になっている。



前の事もあって、苦手意識ましたのか?




しかも俺にばっか話しかけるしー



話すのは別に構わないけど、たまに面倒くさいとか思ってしまう。




ん~、沙奈ちゃんとはないんだけどな…





「お兄ちゃん、このままだと終わるのが夜になっちゃうよ?」

「沙奈ー!!」



裕大は沙奈ちゃんに抱きつき始める。



おいおいおいおい。




「分かったから、頑張ってやってね。帰りにアイス買って帰ろ?暑いし」


「おー、アイス!!」



裕大の扱いに慣れている沙奈ちゃんは、俺ににこっと笑いかける。


俺もそれに答えるように笑う。


トイレ掃除が終わって合宿所の前の掃除をする為にほうきを持ってこようと倉庫に行った。


そこには准と沙奈ちゃんがいて、俺はつい立ち止まってしまう。




「今日はチョンチョリンじゃん。髪の毛」



准は沙奈ちゃんの髪の毛を触る。


しかも嬉しそうに―・・・





「もー、髪の毛触らない!ボサボサになるでしょー?」

「気になんだもん」



仲のいい所を見せつけられる感じがして何かムカつく。




その時、俺は誰かに肩を叩かれた。


振り向くと裕大が立っていて。




「何ぼ立ってんだよ?帰ってくんのおせーから来ちまったし」


「あ、悪い…」


「!沙奈じゃん!!沙奈―!!」



フッと思う時がある。



俺も、裕大みたいに沙奈ちゃんにああやって話掛けられたらなと。



准みたく、ああやって楽しく喋れたらなと。



沙奈ちゃんとあって間もない自分と、准や裕大を比べたって馬鹿だって分かってるのに、思ってしまうんだ。








“沙奈ちゃんに、触れたい”と―・・・・





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