それは、恋でした。

むう

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恋?

3-4

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「へ・・・?」



「だから!沙奈の事だよ!!何て言ったんだよ!?」


「裕大、落ち着け」




「っざけんな!!休憩時間の時も、悼矢んとこで話して他のメンバーに何もしねぇ奴が、沙奈にマネージャー失格何て言えんのかよ!?」



裕大の声がグラウンド中に響き渡る。



これでもかってくらいに怒りをむき出しにして、理性を保つのに必死な表情をしていた。



准は裕大の声が聞こえて駆け足でこっちに向かってくる。




「裕大!!」

「渡邊、何か言えよ!言ってみろよ!」

 


渡邊は裕大を見て少し肩を震わせていた。


怒らせたくて言ったわけではないことくらい、俺にでもわかる。



でも、裕大は嫌だったんだ。


沙奈ちゃんが何も出来ない子だと思われるのが。





「確かに渡邊の言った事に怒りたくなる気持ちは分かる。だけど怒鳴ることはないだろ」


「悼矢は何で渡邊の事庇うんだよ!?お前も沙奈がマネージャー失格だって思ってるのか!?」


「そんなんじゃねぇよ!けど!渡邊が怖がってんだろ!?わかんねぇのかよ!!」



「悼矢…裕大も止めて!あたしが言っちゃいけないこと言ったから悪いの…ごめん、」




渡邊は裕大に謝るものの、裕大は許そうとはしない。


なぜそんなになってまでも沙奈ちゃんを庇うのか俺には分からなかった。




「謝って済むとでもっ「何の騒ぎだ?」



顧問が、俺たちが騒いでいたことに気づいて近くまでやってきた。

皆違う方向を向いてそっぽを向く。



横目で裕大を見ると、裕大は握り拳を作っていた。







「裕大、今日は帰れ」



「―え…?」



顧問がいきなり、裕大にそう告げる。



「練習前から様子がおかしかったし、今の状態で練習に出られても困る。准、悪いけど裕大を家まで連れて帰ってくれ。お前も今日は上がっていい。」


「…はい」


「裕大…」


裕大に声をかけたが、返事が返ってくることはなかった。




だけど、裕大は俺の顔を見ず、准と一緒に帰っていく。




初めから様子がおかしかった裕大の心を傷つけ、苦しめた。










何やってんだよ、俺・・・




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