【完結】侯爵夫人は今夜も夫を拒めないので、快感レッスンに通って離婚を目指します!

紅位碧子 kurenaiaoko

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本音(オズワルト視点)

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 しかし、何だか最近妻の様子が以前と違うように感じていた。いや、何だか毎日ウキウキしていて、楽しそうなのだ。心配になり執事に聞くも特に不振な行動はないという。

(跡継ぎを作る前に、愛人を作ることだけは避けてもらわねば……)

 もし愛人がいるのであれば、しばらくは会わないように釘を指すつもりだ。

(まあ、そうは言っても、自分にも秘めた最愛の人がいるのだからな……)

 あまり他人のことを言えた義理ではないのだ。

 結婚前から逢瀬を重ねている秘めた恋人がいることは、この屋敷で知る者は。もちろん、身体の関係もある。

(後継ぎが出来たら、逢瀬を再開しよう……)

 そう心に決め、結婚してからは逢瀬をやめていた。

(妻はそれに気が付いてしまったのだろうか?)

 女性は勘が鋭いという。自分の何気ない会話やしぐさなどから夫の気持ちが自分にないことや、他に向いていることに気が付いたのだろうか?そういえば、婚約してからも、プレゼントを贈ったこともなければ、デートをしたこともなかった。考えてみたら、よく嫁いできてくれたものだ。

(だから自分も楽しもうとしている……?)

 が、不審な行動がないのであれば問題はない。

 妻は、良くやってくれている。
 社交も、家のことも、卒なくこなしていると執事から報告が上がっていた。

(これが理想の妻というやつなのかも知れないが……)

 妻のことはもちろん、愛情はない。
 後継ぎのために、義務的に閨を行っているに過ぎない。
 
 (いつ妊娠するだろうか……)
 
 月のものが来ていない限り、毎晩行為を行ってはいるが、一向に懐妊の気配はなかった。
 
 妻も苦痛だろうが、私だとてかなり苦痛だ――。

 早く最愛の人と身体を重ねたい。
 気持ちを確かめ合いたい。
 そう思いながら、今夜も妻を抱かなくてはいけない――。

 こんな調子では、神様は子供を授けてくれないのではないか――?
 そんな気さえしている。

 今夜も足取りは重かった。
 
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