口が悪くてスミマセン。

osho

文字の大きさ
86 / 124
秋の桜海祭編

文化祭ーミス桜海 決勝戦⑧

しおりを挟む

そろそろで私達の番になる。





私は頭の中でやるべきことをイメージした。












「さくら、緊張してる?」





私のことを心配した松白君が話しかける。









「ううん、大丈夫。やることをイメージしていただけだから。」







「そっか、それなら良かった。」
  







そんな松白君は緊張していないのだろうか?





表情には出ていないあたり、松白君のことだからいろいろと気を使ってくれているのだろうな。









「ん、どうした?」






 
「えっ?な、なんでもないよ。」







私は思わず目をそらす。












「さくらー。」






ちょうどその時、吹雪がこちらにやってきた。





何か手に持っているがなんだろうか?








「これ、履いてみて。」





そういって渡してきたのは高価そうなヒールだった。








「え、こんなのどこから見つけてきたの?」







「いいから、いいから。」






履いてみてって言われても、サイズの問題もあるだろうし、そんな簡単には……。












「…………。」






私の足にピッタリだった。








「お!ピッタリだ。どう?歩けそう?」





吹雪に言われ歩いてみたが、普段の靴よりか歩きづらいものの違和感なく歩くことができた。







「良かった、じゃあ頑張って。松白君、さくらのこと頼んだよ。」






「おう、任せとけ。」






そういって吹雪は自分の持ち場へと帰っていく。








それにしても、このヒールどこから持ってきたのだろうか?





どこかで見たことがある気もするが…。















「……さくら。」





松白君が右手を差し出す。










「うん。」






私はその手を左手で握り一緒に歩いていく。







いよいよ時間になったのだ。





あとは、やるべきことをやるだけだ。









そして私達は会場に入っていく。











会場に入ると私達の姿を見て様々な声が上がる。








不思議なことに私は動揺することは無かった。









松白君の表情をみてみたが、松白君も問題なさそうだ。





むしろ、完全にスイッチが入っていて別人のようにも感じる。









………ちょっと、かっこいいな。







普段はあんなにニコニコしてる松白君が、今は凛々りりしい顔した王子様なのだ。








すごく頼もしいことこの上ない。









私はライトや音響の方にいる仲間達の方を見た。







みんな腕を大きく丸にしている。







どうやら準備ができたようだ。











(……よしっ。)







そして、私は一歩目を踏み出した。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...