口が悪くてスミマセン。

osho

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秋の桜海祭編

体育祭ークラス別対抗リレーを終えて

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胴上げが終わると、松白君は笑顔でみんなにお礼を言っていた。






松白君のその謙虚さもまた、みんなに好かれる理由なのだろう。










「ほらっ!さくらも松白君に何か言ってあげなよ。」








「えっ?」








ドンッ!








そう言われ私は吹雪に勢いよく背中を押される。









背中を押された私は松白君の前に出て来てしまった。









「おう、さくら勝ったぞ。」








「うん、見てた。凄かったよ。」







この勝負が松白君にとって一つの山場だったようで、いつもの爽やかな笑顔を見せる。









「……にしても、さくらがあんなに大きな声で応援するなんてビックリしたよ。」








「えっ?聞こえてたの?」








「うーん、何でか聞こえてたんだよな。あの大きな歓声の中だったのに。」








不思議なこともあるんだな。






少し恥ずかしい気もするが応援が届いていたのは嬉しかった。








「じゃあ俺、記録係の所に用があるからまた後でな。」








「うん、最後の走っている姿カッコよかったよ。」







そして、私は松白君と別れた。















「へぇ~、さくらも松白君と普通に話せるようになってきてるね。」







「うわっ!ビックリした。」







後ろから吹雪に話しかけられ私は驚いた。









「最初のころは壊れたロボットみたいに挙動不審だったのに。」







「ほら、吹雪。変な事言ってないでテントまで戻るよ。」







「はいはーい。」






みんなクラス対抗リレーで1位を獲った余韻に浸っていたが、まだ体育祭が終わったわけではない。







午前中の競技が終わっただけで、午後からも競技がまだまだある。







私達は切り換えて今一度、気持ちを入れ直した。




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