108 / 124
秋の桜海祭編
体育祭ークラス別対抗リレーを終えて
しおりを挟む胴上げが終わると、松白君は笑顔でみんなにお礼を言っていた。
松白君のその謙虚さもまた、みんなに好かれる理由なのだろう。
「ほらっ!さくらも松白君に何か言ってあげなよ。」
「えっ?」
ドンッ!
そう言われ私は吹雪に勢いよく背中を押される。
背中を押された私は松白君の前に出て来てしまった。
「おう、さくら勝ったぞ。」
「うん、見てた。凄かったよ。」
この勝負が松白君にとって一つの山場だったようで、いつもの爽やかな笑顔を見せる。
「……にしても、さくらがあんなに大きな声で応援するなんてビックリしたよ。」
「えっ?聞こえてたの?」
「うーん、何でか聞こえてたんだよな。あの大きな歓声の中だったのに。」
不思議なこともあるんだな。
少し恥ずかしい気もするが応援が届いていたのは嬉しかった。
「じゃあ俺、記録係の所に用があるからまた後でな。」
「うん、最後の走っている姿カッコよかったよ。」
そして、私は松白君と別れた。
「へぇ~、さくらも松白君と普通に話せるようになってきてるね。」
「うわっ!ビックリした。」
後ろから吹雪に話しかけられ私は驚いた。
「最初のころは壊れたロボットみたいに挙動不審だったのに。」
「ほら、吹雪。変な事言ってないでテントまで戻るよ。」
「はいはーい。」
みんなクラス対抗リレーで1位を獲った余韻に浸っていたが、まだ体育祭が終わったわけではない。
午前中の競技が終わっただけで、午後からも競技がまだまだある。
私達は切り換えて今一度、気持ちを入れ直した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる