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春の始まりの季節編
桜海高校四大名物? 松白 操
しおりを挟む「さくらちゃん!ご飯たーべよ。」
吹雪にとんでもない状況を見られたその日の昼休み、ニッコニコでご飯の誘いがきた。
「……………い、嫌です。」
「そうかぁ、残念だなぁ。そしたら私は新聞部の友達とご飯食べようかなー。」
「分かった!分かったから。」
わざとらしく言う吹雪に私はおとなしく従うしかなかった。
いつもと同じ吹雪と屋上で食べる昼ごはんなのに、今日は変な緊張感がある。
まるでテレビとかでみる刑事さんに事情聴取受ける犯人みたいな………。
(とりあえずお茶でも飲んで落ち着こう……。)
「で、松白君と付き合ってんの?」
思わず、お茶を吹き出しそうになる。
「つ、付き合ってないって。」
「え~~、あんなことしといて?」
今日の吹雪は楽しそうだ。
私は逃げるために購買部に行くことにした。
しかし、ある人に止められる。
「染井さん、これ買いに行くんですよね?差し上げます。だから話を続けてください。」
(げっ。)
新聞部の春野 ちゃんだった。
桜海のネタの臭いがするところには必ずいるという………。
しかも、私の買いに行くものがばれてる。
最悪な二人に囲まれた私は諦めるしかなかった。
「別にあれは…………たまたまの事故だから、本当に何もないって。」
告白されたことは黙っておこう。
「へぇ、あれが事故ねぇ。」
「吉野さん!あれって何なんですか?」
春野ちゃんは目を輝かせている。
私よりもよっぽど、この人のほうが毒があるのではないのだろうか。
「お願い!春野ちゃん新聞には載せないで。」
「洗いざらい喋ってくれたら良いですよ。」
最悪だ………。
私は告白された事をのぞき、全部話すことにした。
二人はニヤニヤしながら話を聞いている。
全部話し終えたら、春野ちゃんは口を開いた。
「…………で、本当にそれで全部なんですか?」
(す、鋭い)
「ま、良いでしょう。このネタは温めておくことにします。」
私の話に満足したのか楽しそうだ。
すると、春野ちゃんはここで気になることを話した。
「あの松白さんと、染井さんがですか…………偶然というか、運命というか。」
「え?春野ちゃんどういうこと。」
春野ちゃんは話す
「染井さんが四大名物に入ることがなければ、元々は松白さんが四大名物に入る予定だったんですよ。」
意外だった。
確かに良い人なのは分かるけど、四大名物に選ばれる程のことではないし。
春野ちゃんは続きを話した
「松白君はですね、いろいろ噂がありまして中学時代は不良少年だったとか、イタズラっ子だったとか…………。」
吹雪は思わずつっこむ、
「人違いじゃないの?」
「そうなんですよねぇ、あくまで噂ですから人違いの可能性もありますし、なにより証拠になるようなものもないですもんね。」
春野ちゃんは困ったように話す。
あの松白君に変な噂があるのには驚いた。
『キーンコーンカーンコーン』
いつの間にか昼休みは終わろうとしていた。
「吹雪、急ごう。」
吹雪と急いで教室に戻ることにした。
「また何かあったら教えて下さいね。」
春野ちゃんは楽しそうに自分の教室へと戻っていった。
(あの松白君がか……………。)
私は昼休みの話しの事を気にしながら、午後の授業を受けた。
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