口が悪くてスミマセン。

春の始まりの季節編

雨のち晴れ

放課後の出来事である。


私は学校の入り口で立ち尽くしていた。





「あー、最悪だ。」










突然、大雨が降ってきたのだ。





朝の天気予報では言ってなかったのに。







先生に頼まれた仕事をやっている時に、雨が降りだしていたのは知っていた。






そこからすぐに止むだろうと思い、待っていたのが間違いだった……。








(今は家に親はいないし、傘を勝手に借りるのも悪いし、誰かに傘を持ってきてもらうってのもなぁ…………。)







あいにく今日はどの部活もない。






今誰かが学校残ってくれてたらありがたいけど……。
















そうやって入り口で茫然ぼうぜんと待っていると一人傘を差して、帰ろうとしている人が見えた。






誰かは分からないけどこの人を逃したら、チャンスはもう無いかもしれない。





 

私は決心して声をかけた。






「ごめん、少しだけで良いから傘入らせてくれない？」






すると傘を差していたその人は振り向く。













「「あっ！」」










お互いに思わず声が出てしまった。










傘を差していた人は松白君だった。








「こんな時間まで松白君何してんの！？」










松白君は笑って答える










「先生に頼まれた仕事が遅くなっちゃってさ。」