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夏の合宿編
合宿1日目ー雑談『ジャンプ力』
しおりを挟む「さくら!おそーい。」
部屋に戻ると吹雪に怒られた。
「何かあったんですか?」
星宮ちゃんは心配して聞いてくる。
「心配することは何もないよ!一つ落し物を拾い損ねていただけだから。」
私は二人に待たせたことを謝りながら次の集合場所へと向かった。
今度集まった場所は大広間みたいなところだった。
主な話しの内容はこの後の風呂の事や簡単な明日の諸注意についてだった。
そしてその後、一度班ごとに集まり簡単に明日のルートと行き先の確認を行う。
先生によれば天気は晴れるということだったので特に問題はなかった。
私達の班はそんなに見て回る所も少なかったので確認はすぐ終わる。
なので、他の人達が終わるまで私達は喋って待つことにした。
私はふと笹山君に喋ってる最中に気になっていることを話した。
「笹山君って、あの壁の模様までジャンプして届く?」
さっきの人が飛んだ高さと大体同じくらいの高さの模様を私は指差した。
「いや、俺じゃ届かないな。……って、どうしたんだ急に?」
「え、な、何となく男子のジャンプ力を知りたくなったからさ。」
「なんだそれ。」
そういって笑われた。
でも、笹山君でも届かないのか。
やっぱりあの人は本当に凄いジャンプ力だったんだな。
「あ、みさなら届くんじゃないか。」
そういって松白君に私がさっき話した疑問を聞いてくれた。
「んー、どうだろう。試してみるか。」
そういって松白君は軽く踏み込んだ後、ジャンプした。
が、惜しくも模様まではあと少しだった。
だが、それでも高いジャンプ力である。
「あ~、あと少しだったのに。」
本人は少し悔しそうだ。
「ごめんね、飛んでくれてありがとう。」
私はそういって松白君にお礼を言った。
(あの人も松白君も凄いなぁ。)
私もみんなが見てないうちにこそっとジャンプしてみた………。
当たり前だが到底叶うわけがなかった。
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