30 / 124
夏の合宿編
合宿2日目ービーチフラッグス④
しおりを挟むび、ビックリした。
まさか、あの時の人だったなんて。
「へぇー、勢也君合宿から帰って来てたんだ。」
「吹雪は勢也君のこと知ってるの?」
私は吹雪に質問する。
「当たり前じゃん。あの有名なイケメンバスケットボールプレイヤー知らない人の方が少ないでしょ。」
(し、知らなかったなんて言えない。)
私は自分の疎さに少し恥ずかしくなった。
「よし、そろそろ向こうに戻ろうぜ。」
「そうだな。」
そう言って松白君と笹山君は召集場所に戻っていった。
そしてビーチフラッグス2周目が始まる。
2周目となると他の人達のレベルも高くなるが、松白君と笹山君はフラッグを勝ち取っていった。
そして、あの人も…………。
順番が回るにつれて走者のレベルが上がるが、松白君と笹山君は順調に勝ち進んでいく。
……が、一つ問題が起こる。
「あちゃ~、ここで当たってしまうのか。」
「仕方ないですよ。」
吹雪と星宮ちゃんが残念がるのも無理はない。
決勝の一つ手前、つまり準決勝で松白君と笹山君が当たってしまったのだ。
ビーチも最高潮に盛り上がっている中、二人はうつぶせになり準備に入る。
「お互いに仲がいいから、負けたくないでしょうね。」
星宮ちゃんの言うとおり、表情は見えないが二人から真剣な空気が伝わる。
きっと好敵手とは、二人の関係の事をいうんだろう。
そしてスターターピストルが構えられ、盛り上がっていたビーチに一瞬の静寂が流れる。
ピストルが鳴らされるその瞬間を待っているのだ。
「よーい………。」
『パンッ』
大きい音が鳴ると同時に二人は走り出す。
スタートはほぼ一緒だった。
しかし、徐々に差がつき決着がついた。
フラッグを勝ち取ったのは松白君だ。
「「わーーーー。」」
『パチパチパチ。』
「いいぞー、ナイスファイト。」
ギャラリーから惜しみない称賛の声と拍手が二人に送られる。
「二人とも、ナイスファイトー。」
私も二人に大声を上げて応援していた。
そして松白君と笹山君の勝負が終わり、いよいよ彼の出番になった。
相手はサッカー部のエース、相手にとっては不足無い。
……が、いざスタートすると勢也君の勝利で終わる。
最初の方に食らいついた相手も凄かったが、途中から空いた差は埋められなかった。
「「ステキー。」」
「「せいやくんカッコいい~。」」
ギャラリーからは黄色い歓声が聞こえる。
しかし、当の本人は歓声には反応せず普通にしていた。
「うわーー、次決勝だよ。こっちまで緊張しちゃうよー。」
そうだ、吹雪が言うように次は決勝だ。
ビーチフラッグスの最後の勝負が始まろうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる