口が悪くてスミマセン。

osho

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夏の合宿編

合宿2日目ー肝だめし前に

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ビーチで指名を受けた数時間後、夜ご飯の時間になった。








しかし、私は合宿での最後の夜ご飯を楽しむ余裕なんてなかった。








最後の夜ご飯はバイキング形式、席も特に決まっていない。







一人でこっそり食べようと思っていた私だったが……。


















「隣に失礼します、染井さん。」









「一緒に食べよう、さくら。」








「私もご一緒させて頂きますね。」








春野ちゃんに吹雪、それに星宮ちゃんがやってきた。










みんなで楽しく夜ご飯を食べよう。












………という訳では無かった。












ご飯を食べ始めて数分……。






いよいよあのことについて聞かれる。










「松白君がいながらどういうことですか?」









春野ちゃんが単刀直入に聞いてくる。










「いや、私にもよく分からな………。」










「彼との面識は?」









(こんな状況前にもあったな。)









そうだ、松白君に告白された時のお昼だ。









「……一回だけ落とし物を拾ってもらった時に見たことがあるだけ。」









私は隠すつもりもなかったので正直に話した。








「えぇっ!!それだけですか。」









春野ちゃんは驚いた声を出す。











「……確かに嘘はついていないようですね。」








もっと何かを期待していた春野ちゃんは静かにご飯を食べ始めた。















「それにしても指名された時、みんな凄かったねー。」









「そうですねぇ。」











吹雪と星宮ちゃんはこの状況を楽しんでいるのだろうか。









でも確かに誰が私を指名すると予想しただろう。















『………よろしく。』








あの時、私の腕を掴んだ彼は確かにそう言った。








その瞬間、隣にいた吹雪と星宮ちゃんは驚きで固まっていた。









二人だけじゃない、その場にいた全員が時が止まったように固まっていた。












そして誰かの大きな拍手とともにみんなが騒ぎだす。









「「きゃーー、さくらちゃんおめでとー。」」








「「うおーーーーー。」」








『パチパチパチパチ。』









もはやお祭り騒ぎ。









私に断る権利なんて当然あるはず無かった。













(はぁ、思い出しただけで疲れる。)













「………それで、さくらは勢也君とはどうするの?」







食べる手を止めて吹雪は、私に質問する。









「私は………。」












「あ、染井さん見つけた!」









話している最中に、急に先生がこっちにやって来た。









「先生?どうしたんですか??」









「ご飯はもう食べた?肝だめしの準備があるんだけどこれる?」










夜ご飯は話ながらも食べていたので問題はなかった。











「はい、私はもう大丈夫ですよ。」












(ん?でも準備って何するんだ。)









リハーサルみたいなのをやるんだろうか。













「先生!もしかして………。」








「そう!用意ができたのよ。」








春野ちゃんは何があるのか分かっているようだ。








吹雪と星宮ちゃんもよく分かっていないようだが、みんなで先生についていくことになった。










  





「先生、何があるんですか?」









「ついたら分かるわ。」









私は先生に黙ってついていくしかなかった。










そして、一つの部屋の前につく。









「開けてみて。」









先生に言われた通り、私はゆっくりドアを開く。









すると、そこには綺麗な和服が飾ってあった。












まさか…………。










私が着るのか?






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