口が悪くてスミマセン。

osho

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秋の桜海祭編

文化祭ーミス桜海 2回戦

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2回戦のお題『楽器演奏』





最初は聞き間違えかと思ったが、杏ちゃんの困惑した表情を見る限り、どうやら本当らしい。





2回戦目は「ミス桜海高校を狙う女性ならば、楽器の一つを演奏する教養と能力を持っているだろう」という、とんでもない理由のお題だった。





ステージの上に用意されている楽器の中から一つを選んで演奏し、審査員が採点するらしい。







いつの間にか、ステージの中央にはいくつか楽器が用意されていた。












「ちょ、ちょっと!染井先輩。私、2回戦目『楽器演奏』だなんて聞いてないですよ。」





混乱している杏ちゃんが私に質問をする。









「私も今知ったよ。2回戦目が『楽器演奏』なんて。………杏ちゃんは楽器弾けるの?」





「……下手くそなギターなら、なんとか。」





と、しょんぼりとした杏ちゃんが話す。







一応、ステージの上には一通りの弦楽器は揃っている。





杏ちゃんの弾くことができるギターも置いてある。











問題は私だ………。





ここから見える分では弾ける楽器がない。






どうしよう………。







こうしている間にも一人、また一人と演奏をしにステージに向かう。





(何でみんな当たり前のように楽器を弾けるんだー。)





みんな上手くはないにしろ、きちんと弾いていく。













………いや、何かおかしい。





何で普通に弾けるんだ?







それに伝えられていた内容と違うのに私と杏ちゃん以外、平然としている。









まるで事前に知っていたかのように……。












順番が周りいよいよ橘先輩の番になる。





橘先輩がステージの上から選んだ楽器は『ヴァイオリン』だ。







橘先輩はヴァイオリンを構えると、美しい音色を奏でていく。







「「おぉ。」」





会場からは思わず感嘆の声がもれる。






橘先輩の演奏が終わると、会場中から拍手が沸き起こった。







そして演奏が終わった橘先輩はステージ側の私達の方へと戻ってくる。









「………だから『逃げるなら今の内』って、言ったのですよ?」





そう言って不敵な笑みを浮かべる。









……なるほど、そういうことか。






このミス桜海は、どうやら橘先輩を中心に回っているらしい。




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