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秋の桜海祭編
文化祭ーミス桜海 2回戦③
しおりを挟む「おかーさん!これなに?」
「さくら、それは『ピアノ』っていうのよ。」
おかあさんの実家に行って初めてピアノを見たときの感動を今でも覚えている。
おかあさんは昔からピアノが好きで弾いていたらしく、行くたびに頼んで弾いて貰ったっけ?
「さくらも、そんなにピアノ好きなら家にもっていきましょうか。」
「やったーー、わーーい!」
私はすごく喜んだ。
それからは来る日も来る日も時間があればピアノを弾いてはまっていった。
しかし、中学校3年生ぐらいからは勉強ややらなくてはいけない事が多くなりピアノに触る事がなくなっていった。
(今度また家のピアノでいろいろ弾こうかな……。)
私はピアノに座り一人懐かしむ。
「2年生の染井 桜はピアノを…………。」
「「…………。」」
会場からは声援らしきものが聞こえているが、今の私には届いていない。
(………あ、楽譜どうしよう。)
楽譜なしでも弾けるだろうか。
いや、大丈夫。最近は触ってはないといえ何十回、何百回と弾けるまで弾いたことがある楽曲もある。
それを弾こう……。
私は周りから一切、音がしなくなったタイミングで弾いていく。
(やっぱり覚えているもんだな。)
体が、指が、リズムを覚えていて滑らかに音を繋げていく。
今は私だけの世界。……家でピアノを弾いていた時もこうしていつも没頭していたっけ。
弾いている間にも、いつも何を弾いていたかを思い出し次の曲、また次の曲へと繋げていく。
やっぱり楽しいなぁ。
このままずっと弾けたらいいのにな……。
(…………ん?)
ピアノを弾いていた私だったが、ようやく熱中しすぎていたことに気づく。
私はそのことに気づき今弾いている曲を最後に終了した。
そして席を立ち会場に向かって一礼する。
しかし、会場からは反応がない。
(やばい、少し弾きすぎたかな……。)
「「よかったよーー!」」
「「素晴らしい。」」
誰かがそう言ったことをきっかけに、会場中から声援と拍手が沸き起こる。
拍手がずっとなり止まない。
どうやら私は良い結果を残せたようだ。
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