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秋の桜海祭編
文化祭ーミス桜海 決勝戦前②
しおりを挟む私は気持ちを落ち着かせるために、会場である体育館から一度出て外の空気を吸いに行った。
次の決勝戦までは時間がそんなに無いので、少ししか外に出れないが今の私には充分な休息だった。
………外ではいろんな人達が文化祭を楽しんでいる。
幸せそうな笑顔が私の緊張をほぐす。
「………お、おねーちゃん。」
「ん?」
私は女の子に声をかけられていることに気づいた。
女の子はもじもじしている。
「どうしたの?」
私は屈み女の子と視線を合わせる。
「………決勝戦がんばってね。応援してるから。」
女の子はそれだけ言うと恥ずかしくなったのか走ってどこかへ去って行った。
「ふふふ。」
そうか、私達が桜海祭で桜海高校に憧れたように今度は私達が夢を見せる番なのか。
「……頑張らなきゃな。」
私は最後に深呼吸をして、控え室に戻ることにした。
(…………………。)
私は控え室のドアの前に立ったときに違和感を感じた、なんだかやけに中が騒がしい気がする。
私は恐るおそるドアを開けた。
「えっ!」
中には様々な道具を持ったいろんな人達がいた。
一目見て分かったのは、テレビとかで見るような芸能人をメイクする人だということだ。
(何でそんな人がここにいるのだろう。)
いろいろ考えていた矢先、スタッフの人に決勝戦が始まるのでステージに来てほしいと連絡がきた。
ミス桜海高校決勝戦……。
何が待ち受けているのだろうか。
「みなさま大変お待たせしました。ただいまよりミス桜海高校決定戦決勝戦を行います。」
アナウンスが流れ私は気を引き締める。
「まずは、決勝戦まで勝ち上がった二人に登場して頂きましょう。」
先に橘先輩が出ていったのを確認して、私も続けてステージに出る。
「「わーーーー!」」
「「頑張れーーー。」」
私達がステージに出ると会場は盛り上がった。
決勝戦ということもあって会場は熱を帯びている。
「それでは、決勝戦で戦う二人に意気込みを聞きましょう。」
そういうと橘先輩にマイクが渡される。
「ここまで応援していただいた皆様のためにも、この勝負に勝って優勝を飾りたいと思います。」
そう言うと応援してくれている人に笑顔で手を振った。
さっきまでの橘先輩とは別人みたいに笑顔で良い人を演じているようだ。
そんなことを思っていると続けて私にマイクが渡される。
「絶対に負けません。必ず勝ってみせます。」
多くは語る必要は無い。
私は思っていることを素直に話した。
「「わーーーー。」」
「「いいぞー!」」
私達の意気込みを聞いた会場にいる人達はさらに盛り上がる。
「さぁ、二人の気合いの入った意気込みを聞いた所で決勝戦のお題の発表に入ります。」
ミス桜海高校決勝戦。
話しによれば毎年おとぎ話や童話のタイトルを使ったお題になるというが、今年は何になるのだろう。
そして今年のお題は発表された。
「今年の決勝戦のお題は【シンデレラ】です。」
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