暴君は時には下僕に成り下がる

ruki

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それが和真さんのそばで起きた・・・。

それは思ってもみない事だった。だから冬眠のことは一切話したことは無い。こんな関係になってまだ2週間だし、いつも流されて自分の気持ちを考える余裕がなかったから。でもまさか、こんなに心を許してたなんて・・・。

たしかに今回のことで和真さんへの思いを自覚したけど、その前に冬眠しちゃうとは思わなかった。

和真さん、びっくりしただろうな・・・。
オレ、冬眠中はピクリとも動かないらしいし。知らなかったら死んでると思うよね。

思えば和真さんのあの姿・・・昨日今日であんなに無精髭生えない。クマもできてたし、驚きと言うよりは、もしかしたら心配してくれたのかもしれない。

だからあんなに優しかったのかな・・・。

威圧感も無くなって、ひたすらオレの世話をしてくれた。本当に家来のように・・・いや、家来よりももっと・・・下僕?本当にそんなことまでやってくれるの?てことまでしてくれて・・・。

オレ、いろいろ考えちゃって、勝手に拗ねてバカみたいだ。

まだちょっと立って歩くには足が震えるので、オレは四つん這いになってドアまで行くと、音を立てないようにそっと少しだけ開けた。

隙間から見る和真さんはソファにどっかり座って頭を抱えていた。全体的に疲れが滲んでいる。なんかさっきよりもくたびれた感じ・・・。

いつもはあんなに高圧的でエラそうなのに、今はその面影もない。
こうなったのはオレのせい?
そう思うと申し訳ない気持ちの反面、ちょっとうれしくなった。

和真さん、オレのためにあんなに弱っちゃうんだ。
オレはそのまま四つん這いで和真さんのところまで行き、太ももに手を置いた。
よっぽど疲れていたのか、それまでオレの存在に気づいてなかった和真さんはオレの手にびっくりして顔を上げた。

「あ、綾人・・・!」

「ごめんなさい。オレ、今日がまだ土曜日だと思ってました。ずっと寝ててごめんなさい」

和真さんの太ももにあごを乗せ、ちらりと和真さんの顔を見上げた。

「・・・心配しました?」

「もう・・・大丈夫なのか?」

まだ心配気な顔。

「いっぱい寝たから大丈夫です」

オレは和真さんのももからあごを離して、足の間に身体を入れた。そして首に腕を回して引き寄せるとおでことおでこをくっつける。

「もう大丈夫です。だから・・・」

ぎゅっとして身体を密着させた。そして和真さんの目を見ながら、ゆっくり目を閉じた。その瞬間和真さんの腕に抱きしめられ、優しく唇が重ねられる。
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