元ロクデナシで今勇者

椎井瑛弥

文字の大きさ
41 / 273
第四部:貴族になること

聖女の祭り

しおりを挟む
「人が多くないか?」
「多いですね」
 門から入ると、広場っぽいところが人でごった返していた。混み具合は王都の門の近くよりもひどいかもしれない。
 何か騒ぎでもあったのかと思って周りを見たら、そこかしこに垂れ幕や横断幕のようなものが見えた。
「んんっ? 『聖女エミリア輿入れ記念祭開催中』って、お前の祭りか?」
「こんなの想像していなかったですよ⁉」
 エミリアが周りを見て焦り始めた。でもすでに俺たちは町の中だった。どこを見てもエミリアの結婚を祝う祭り一色。そんなところにこの馬車はいる。
 町の中では馬車は人が歩くよりも遅い。しかも人が多いからいつも以上にノロノロ運転になる。いくら歩行者が邪魔でも踏んで進むわけにはいかない。そうすると人に囲まれることになる。
 俺たちの乗っている馬車にはラヴァル公爵家の紋章が貼り付けられている。すでにだいぶ前に途絶えていた家だから、少し前までは見たことがある人はほとんどいなかっただろう。
 ところが俺がラヴァル公爵になり、俺の顔写真と一緒に紋章もデカデカと日報紙に載った。つまり王都や近くの町で暮らす人たちが最近一番よく見たデザインなわけだ。
 電話やネットがあるわけじゃない。情報伝達はそんなに速くない。でも勇者の話で王都は盛り上がり、その日報紙はこのボンにも運ばれてるとなれば、どれだけがうちの紋章に気づくか。そう、あっという間に気づかれた。
 大人が振り向く。子供が指を差す。もし身柄を確保されてパトカーに乗せられたら、こんな感じで報道陣に囲まれるんだろう。もしくは不倫が発覚した芸能人とかな。善悪は全く逆だけど、注目のされ方としてはそんな感じだ。
 さすがに馬車に寄って掴まろうとするヤツは誰もいないけど、遠巻きにかなり見られている。近づいたら失礼という考えでもあるんだろう。次第に周りにいた人たちが馬車から離れた。その代わりに旗が振られる。「おめでとうございます」という声が聞こえる。
 前をエドとカンタンが歩いて歩行者を下がらせてるから少しずつ進んでるけど、ホントに少しずつだ。馬車に向かって頭を下げる者もいれば拝む者もいる。拝んでも何も出ないからな。
 しばらくすると率先して交通整理をする者が現れて、少し進みやすくなった。でも相変わらずノロノロ運転で、歩いた方が早いだろう。
「エミリア、みんながお前を祝ってくれてるぞ。ほら、こうやって手を振ってみろ」
「さすがに恥ずかしいですよ!」
 交通整理の影響か、進む先にいる歩行者が左右に分かれて人垣に変わった。その真ん中を馬車が進む。後ろを見ると旗を振りながら住民たちが馬車の後ろを行進していた。
「今回だけだろうけど、なかなか盛大な歓迎だ。でも訪問の予定は伝えてなかったんだよな?」
「はい。帰れるなら近いうちに一度帰るとは手紙に書きましたが、それだけです」
 町に入ってから一時間くらい経ったか、無事にエミリアの実家に到着した。家というか店舗兼住宅だ。エミリアの実家はクレマン商会という商会を経営していた。
「ボンの町ではからくらいだと昔は言っていました」
「何事も堅実が一番だ」
 俺が言うべきことじゃないけどな。
「調子に乗って大失敗しそうな両親ではありませんので、そこは安心しています」
 エミリアは店の前で待っていた両親を見ながらそう言った。

 ◆◆◆
 
「公爵様、娘をよろしくお願いします」
「礼儀だけは身に付けるようにと教え込みましたが、失礼なことはしておりませんでしょうか?」
「いやいや、エミリアには召喚の直後から大変世話になっている」
 応接室に通され、エミリアのご両親とゆっくりと話をすることになった。父親のジョスさんと母親のアンナさんは普通の人という印象だ。こんな両親がいるなら子供が真っ直ぐ育つだろう。一目でそれが分かるようなご両親だった。
「こちらこそ急にこういうことに決めてしまって申し訳ない。本来なら話は通しておくべきだったろう。だが召喚が終わってエミリアが教会に戻れば、次にいつ会えるかどうかも分からなかったので少し我儘わがままを言わせてもらった」
「いえいえ、エミリアが幸せならそれが一番です。どうしても王都でも女の働ける場所は多くはありません。あの時に教会に入らなければ、この店で下働きを続けるくらいしかなかったでしょう」
 下働きなあ……。商家なら何人も人を雇って儲かってそうだけど、そうでもないのか?
「ところで、ジョスさんがクレマン商会の会長を?」
「いえ、会長はすでに息子のドニに継がせております。私は後見を兼ねた幹部の一人というところです。今日はキューまで用事で出かけていますが、普段は交代で店におります」
 なるほど。会長じゃないのなら何かと頼みやすいか。いずれ商会を作らなければいけないからな。アドバイスをお願いすることもあるだろう。
「今後相談に乗ってもらえれば嬉しいんだが」
「我々でよろしければ」
 よし。これで伝手が増えた。手駒扱いじゃないぞ。あくまで相談相手だ。持参金を受け取るつもりもない。
「ところでお母さん、この祭りは何なのですか?」
「これ?」
 アンナさんはそう言いながら、壁に貼られた『聖女エミリア輿入れ記念祭』という横断幕と、その下にデカデカと飾ってある俺とエミリアの写真というかポスターを指した。手を繋いでるから、修道院を出るときのだな。日報紙で写真は見たけど、これは引き延ばされてるな。
「他に何があるのですか?」
「言葉通りよ。召喚の聖女に選ばれたことだけでもおめでたいのに、勇者様に見初められて輿入れ。これ以上めでたいことがありますか?」
「王都ではこんなことはなかったのですが」
 そう言われればそうだな。日報紙で俺がエミリアをいずれ娶ることが発表されたけど、それについて何か盛り上がった感じはしなかった。出身地ならではの盛り上がりかもしれないな。
「そこは出身地だからでしょう。商人ギルドが頑張って盛り上げてくれるから、私たちは何もしてませんけどね」
「ちょっとやりすぎではありませんか?」
「それくらいこの町が期待しているってことよ」
 アンナさんに言わせると、このボンの町はという以外には特徴がない。だから経済的にはそれなりに潤っているものの、成長という点ではほぼ横ばいだそうだ。
 アンナさんの言いたいことはよく分かる。横ばいなら今はいい。でもそれは成長の見込みがないということだ。多少は上がるかもしれないけど、王都の景気が悪くなり始めたら一気だろう。
 社会経済活動だろうが店の売り上げだろうが、維持するだけなら何とかなる。でも上げようとすれば並大抵の努力じゃ不可能だ。そこを無理して上げようとすると、いわゆるグレーゾーンを飛び出して完全に黒い方に突っ込むしかなくなる。その先はガサ入れ、摘発、逮捕となる。無茶やってなくなった店はいっぱいある。ほとんどの場合は店名と経営者を変えてすぐに復活するけどな。
「エミリア、ここは二人で神輿に担がれよう。とりあえず今だけだ。結婚式が終われば普段通りになる」
「本当ですか?」
「本当よ、記念碑くらい建つかもしれないけど。あの写真のポーズで」
 あれが記念碑になるのか。そんなに悪い構図じゃないな。

 ◆◆◆

「今さらだけど日帰りでよかったのか?」
「はい。あれ以上いると両親も大変なことになりそうで。」
「たしかに列ができてたからな」
 あれからしばらくして、俺たちがいることを聞きつけた町の有力者たちが次から次へと押し寄せてきた。もちろん吶喊とっかんするようなバカはいなくて、礼儀正しく俺の前で頭を下げていたけど、あのままだといつまで握手をしなければならないのか分からなかった。パーティーの記事が原因だろうな。俺の手を取ることがステータスなんだそうだ。
 そんな時にエミリアが「シュウジ様、そろそろ王都に戻る時間です」と言ってくれたので、握手会はそこでお開きになった。機転が利く妻がいてくれてよかった。
「最後は助けられた。帰ったら礼をしよう。何でもいいぞ」
「本当に何でもですか?」
「ああ、俺にできることならな。空を飛べと言われてもそれは無理だ」
 そういえば【飛翔】だったかな、一応空を飛ぶ魔法はある。でも魔力が切れたら落ちるから、せいぜいちょっと浮かぶくらいにしか使わないだろう。
「そんなことは言いません。帰ってから考えます」
「ああ、思いついたら言ってくれ」
 俺たちを乗せた馬車は、行きに三時間、エミリアの家に入るのに一時間、中で一時間、町を出るのに一時間、そして帰りに三時間、合計九時間かけてボンまで行って戻ってきた。俺とエミリアだけなら変装して入れると思うんだけど、ダヴィドはそれを止めそうだからな。さて、次はどうするか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

処理中です...