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最終部:領主であること
洋モノ
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《それでシュウジはどうしてこの世界に来たノ?》
「俺は勇者として呼ばれたんだ」
《オウッ! ユーシャショーカン⁉》
さすがオタクだ。ラノベとか読んでるんだろう。マンガやアニメかもしれないのか。
《ひょっとしてスゴイ人なの?》
「今年からこの一帯の領主になった」
《それじゃ庭にいたドラゴンは?》
「ダンジョンで助けたら従魔になった。名前はトゥーリアだ」
《オウッ! ドラゴンナイト!》
身振り手振りが大きくて、アメリカ人ならこうってイメージするアメリカ人だ。
ドラゴンナイトって竜騎士のことだ。よく日本ではドラグーンとか呼ばれるけど、あれは竜騎兵。鉄砲などで武装した騎兵のことだ。ドラゴンに乗るのは英語ではドラゴンナイトやドラゴンライダーと呼ばれる。これはワンコから教わった。
エルシーに限った話じゃないけど、欧米から日本に来る留学生の多くは日本オタクだ。大体がマンガやアニメ、サムライ、ニンジャ、ゲイシャ、カワイイ文化のどれかにハマる。もちろん禅や茶道とかの本来の日本文化も好きだけど、まずは秋葉原だったな。エルシーもその一人だ。
ヘッドドレスまで完備したフリフリのロリータファッションに身を包んだ金髪碧眼の外国人からいきなり「ドューハヴァミニッ?」って話しかけられたら逃げたくなる気持ちも分からなくもない。でも外国から来た観光客からすると、話しかけようとしたら逃げられるってショックだろうからな。俺は片言だったけど道案内とかはできるようにしていた。そもそもレストランで外国人の接客もしたから、注文を受けるくらいはできた。
それからどうして焼き肉に行くことになったのかは忘れたけど、黒いスーツを着た俺とロリロリした服装のエルシーが揃って焼き肉店に入ったらみんなが振り向いたのは覚えている。
それからしばらく俺はエルシーにこの国のことなどを教えた。この大陸にある国のことや俺がどういう立場にあるかなど。事あるごとに「オウッ!」とか「ワオゥ!」とか「オウノウッ!」とか反応してくれたけど、あまりにも回数が多いから洋モノのAVみたいになった。
さて、今後どうするかはエルシー次第だけど、言葉が通じないと生活自体が難しい。【翻訳】を身に付けたとしても、誰も言葉が理解できない可能性がある。ベースが日本語、しかも一文字ずつズレているって有様だ。【翻訳】でも分からないってことは、おそらく言葉として認識されていない。そのあたりはミレーヌかフランが戻ってきたら聞こうと思っている。
◆◆◆
「ミレーヌ、何か分かるか?」
先に帰ってきたのはミレーヌだったので、エルシーを調べてもらうことにした。俺にはステータスを見ても分からなかったからだ。
「そうですね……はい。おそらくエルシーさんは正規の手続きを踏まずにこちらに来てしまったようで、データが破損しています」
「不法入国みたいなものか」
「いえ、もっと深刻です」
ミレーヌによると、世界とは石けんの泡の内部のようなもので、隣の世界とは泡という壁で隔てられている。召喚とはそこに出入り口を作る作業で、これをしないと壁を突き破って移動することになり、肉体や魂に取り返しのつかないダメージが入るそうだ。自分から意識してそうしようと思わなくても、何かのトラブルでそうやって突き破ることがあると。
「例えば……そうですね、家に入る際には玄関から入りますよね?」
「そりゃそうだな」
家なら裏口もあるけど。マンションなんかはないか。
「もし玄関が開かないので窓から入るとしましょう。でも窓にも鍵がかかっていました。仕方がないので窓を壊して入るとします。ところがうっかり手を滑らせて頭から飛び込んでしまったらどうなりますか?」
「割れたガラスで血まみれになるよな?」
「はい。彼女はその状態です」
話を聞いていたエルシーが真っ青な顔になった。深刻とか血まみれとか言われたらな。
「それは直せるのか? そこが大事だと思うんだけど」
「はい。言語に関するスキルは私でも問題ありませんけど……」
「けど?」
「魂の方は私では直せません。でもシュウジさんが抱けばすぐに直りますよ」
「ホワイ?」
エルシーと話をしていたからか、つい英語が出た。
「シュウジさんは以前にエルシーさんを抱いたそうですから、魂の繋がりができています。眷属になってますね」
「あ、いつの間に?」
いつもの俺の眷属って言葉があった。さっきはなかったはずなのにな。
「ですのでシュウジさんがエルシーさんを抱けばエルシーさんの魂はある程度修復されます。女性を抱くだけの簡単なお仕事です」
横を見るとエルシーはうんうんと頷いていた。
「エルシーとは細かな駆け引きは必要なかったけどな」
◆◆◆
「さすがシュウジのディックはホンダじゃなくてモンスタートラックね」
「ホンダも悪くないぞ」
エルシーがベッドで大の字になりながらそんなことを言った。モンスタートラックってのはピックアップトラックとかに人の身長くらいあるタイヤを取り付けた文字通りバケモノみたいなトラックだ。普通にレースもあって迫力は半端ない。重心が高いからクラッシュすると転がるぞ。
それで抱いてる途中で思い出した。ワンコとは別の意味でエルシーは底なしだった。日本に比べれば開放的なアメリカだけど、エルシーはその中でもかなり開放的だと思う。楽しむのが一番。セックスはコミュニケーション。だからより自分と体の相性のいい男を探す。俺にはそんな感じに思えた。
「言葉も直ったみたいだから大丈夫だろう」
さっきからエルシーはこの国の言葉を話している。どうも俺が抱くことでこちら側の人間だと認識されたらしく、それで言葉が理解できるようになったらしい。
「それで今後どうしたい?」
俺が気にするのはそこだ。ここにいてもいいし出ていってもいい。やりたいことがあれば探せばいい。
「シュウジの近くは楽しいことが多いと思うの。ここにいてもいい?」
「もちろんだ。それならあとでみんなに紹介する」
「俺は勇者として呼ばれたんだ」
《オウッ! ユーシャショーカン⁉》
さすがオタクだ。ラノベとか読んでるんだろう。マンガやアニメかもしれないのか。
《ひょっとしてスゴイ人なの?》
「今年からこの一帯の領主になった」
《それじゃ庭にいたドラゴンは?》
「ダンジョンで助けたら従魔になった。名前はトゥーリアだ」
《オウッ! ドラゴンナイト!》
身振り手振りが大きくて、アメリカ人ならこうってイメージするアメリカ人だ。
ドラゴンナイトって竜騎士のことだ。よく日本ではドラグーンとか呼ばれるけど、あれは竜騎兵。鉄砲などで武装した騎兵のことだ。ドラゴンに乗るのは英語ではドラゴンナイトやドラゴンライダーと呼ばれる。これはワンコから教わった。
エルシーに限った話じゃないけど、欧米から日本に来る留学生の多くは日本オタクだ。大体がマンガやアニメ、サムライ、ニンジャ、ゲイシャ、カワイイ文化のどれかにハマる。もちろん禅や茶道とかの本来の日本文化も好きだけど、まずは秋葉原だったな。エルシーもその一人だ。
ヘッドドレスまで完備したフリフリのロリータファッションに身を包んだ金髪碧眼の外国人からいきなり「ドューハヴァミニッ?」って話しかけられたら逃げたくなる気持ちも分からなくもない。でも外国から来た観光客からすると、話しかけようとしたら逃げられるってショックだろうからな。俺は片言だったけど道案内とかはできるようにしていた。そもそもレストランで外国人の接客もしたから、注文を受けるくらいはできた。
それからどうして焼き肉に行くことになったのかは忘れたけど、黒いスーツを着た俺とロリロリした服装のエルシーが揃って焼き肉店に入ったらみんなが振り向いたのは覚えている。
それからしばらく俺はエルシーにこの国のことなどを教えた。この大陸にある国のことや俺がどういう立場にあるかなど。事あるごとに「オウッ!」とか「ワオゥ!」とか「オウノウッ!」とか反応してくれたけど、あまりにも回数が多いから洋モノのAVみたいになった。
さて、今後どうするかはエルシー次第だけど、言葉が通じないと生活自体が難しい。【翻訳】を身に付けたとしても、誰も言葉が理解できない可能性がある。ベースが日本語、しかも一文字ずつズレているって有様だ。【翻訳】でも分からないってことは、おそらく言葉として認識されていない。そのあたりはミレーヌかフランが戻ってきたら聞こうと思っている。
◆◆◆
「ミレーヌ、何か分かるか?」
先に帰ってきたのはミレーヌだったので、エルシーを調べてもらうことにした。俺にはステータスを見ても分からなかったからだ。
「そうですね……はい。おそらくエルシーさんは正規の手続きを踏まずにこちらに来てしまったようで、データが破損しています」
「不法入国みたいなものか」
「いえ、もっと深刻です」
ミレーヌによると、世界とは石けんの泡の内部のようなもので、隣の世界とは泡という壁で隔てられている。召喚とはそこに出入り口を作る作業で、これをしないと壁を突き破って移動することになり、肉体や魂に取り返しのつかないダメージが入るそうだ。自分から意識してそうしようと思わなくても、何かのトラブルでそうやって突き破ることがあると。
「例えば……そうですね、家に入る際には玄関から入りますよね?」
「そりゃそうだな」
家なら裏口もあるけど。マンションなんかはないか。
「もし玄関が開かないので窓から入るとしましょう。でも窓にも鍵がかかっていました。仕方がないので窓を壊して入るとします。ところがうっかり手を滑らせて頭から飛び込んでしまったらどうなりますか?」
「割れたガラスで血まみれになるよな?」
「はい。彼女はその状態です」
話を聞いていたエルシーが真っ青な顔になった。深刻とか血まみれとか言われたらな。
「それは直せるのか? そこが大事だと思うんだけど」
「はい。言語に関するスキルは私でも問題ありませんけど……」
「けど?」
「魂の方は私では直せません。でもシュウジさんが抱けばすぐに直りますよ」
「ホワイ?」
エルシーと話をしていたからか、つい英語が出た。
「シュウジさんは以前にエルシーさんを抱いたそうですから、魂の繋がりができています。眷属になってますね」
「あ、いつの間に?」
いつもの俺の眷属って言葉があった。さっきはなかったはずなのにな。
「ですのでシュウジさんがエルシーさんを抱けばエルシーさんの魂はある程度修復されます。女性を抱くだけの簡単なお仕事です」
横を見るとエルシーはうんうんと頷いていた。
「エルシーとは細かな駆け引きは必要なかったけどな」
◆◆◆
「さすがシュウジのディックはホンダじゃなくてモンスタートラックね」
「ホンダも悪くないぞ」
エルシーがベッドで大の字になりながらそんなことを言った。モンスタートラックってのはピックアップトラックとかに人の身長くらいあるタイヤを取り付けた文字通りバケモノみたいなトラックだ。普通にレースもあって迫力は半端ない。重心が高いからクラッシュすると転がるぞ。
それで抱いてる途中で思い出した。ワンコとは別の意味でエルシーは底なしだった。日本に比べれば開放的なアメリカだけど、エルシーはその中でもかなり開放的だと思う。楽しむのが一番。セックスはコミュニケーション。だからより自分と体の相性のいい男を探す。俺にはそんな感じに思えた。
「言葉も直ったみたいだから大丈夫だろう」
さっきからエルシーはこの国の言葉を話している。どうも俺が抱くことでこちら側の人間だと認識されたらしく、それで言葉が理解できるようになったらしい。
「それで今後どうしたい?」
俺が気にするのはそこだ。ここにいてもいいし出ていってもいい。やりたいことがあれば探せばいい。
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