37 / 48
37.誰がための
しおりを挟む
店員が押し開く扉を潜って石畳を踏む。まだ高い位置にある太陽が目に眩しい。
「素敵なお店をご紹介下さってありがとうございました。とても美味しくて楽しい時間を過ごせました」
「気に入っていただけたのなら何よりです」
「いつかソフィアを誘っても構いませんか? キャラメルソースできっと驚くと思うので」
「ええ、もちろんです」
目を輝かせるであろう親友を思うとその日が待ち遠しい。あのケーキを選んだカレンを見るレグデンバーもこんな気持ちだったのかもしれない。
「少し通りを歩きませんか? この職人街には実売している店舗もあるので散策に向いているのではないかと思います」
そう言われて立ち並ぶ建物を改めて見回せば、通りに向けて大きなガラス窓を設えている店舗が多い。
「観劇の日には気付きませんでした」
「夜道ではわかり辛かったでしょうね。気になる店舗があればゆっくりご覧になって下さい」
「はい、楽しみです」
カレンが店舗側になるように立ち位置を変えたレグデンバーと歩き始める。独特な作業着姿の職人やお仕着せを身に着けた使用人らしき人影が行き交うこの通りは食堂で働くカレンにはどこか居心地が良い。
(ここはお皿の専門店かしら……こっちのお店にはナイフとフォークがたくさん並んでいるわ)
通り過ぎざま、窓際にずらりと並べられた商品を眺めていく。それぞれが専門店だけあって陳列された品々の豊富さは目を見張るものがある。
カンカンと金属を叩く音が微かに響く中、食器や調理器具を扱う店を横目に歩いているとレグデンバーが屈むようにして話し掛けてきた。
「この先は服飾の品を扱う店舗が並ぶのでカレンさんの興味を惹くものがあるかもしれませんね」
「私、衣類にそれほどこだわりは……」
「仕立屋ももちろんありますが、紡績や染織の工房もあるので品揃えは随一ですよ。例えば刺繍糸とか」
はっと目を見開いた。
ドレスや装飾品ならガラス越しに流し見るだけで十分だけれど、刺繍糸ならじっくりと手に取って見てみたいし、気に入るものがあれば購入したい。
ソフィアに教えるついでの手慰みで再開した刺繍だったが、材料を購入し仕上げた作品を形に残すことは、労働で給金を得る自分自身を認めることにも繋がっていた。
「是非見てみたいです」
「そう仰ると思っていました」
あっさり掌を返した自分を恥じるものの、カレンが気に入るだろうと提案してもらえたことを素直に嬉しく思った。
予定を決めずにその時々で思うままに行動する、とはレグデンバーの談だが、ケーキにしろ刺繍糸にしろ彼が差し出すのはカレンの好みを考慮した上での選択肢ばかりだ。
(素晴らしいお人柄だわ。それに……)
多種多様の帽子が展示されたガラス窓を通りすがりに覗き込み、その刹那ガラスに反射したレグデンバーの表情を窺う。
彼からすれば後頭部を見せているカレンなのに、向けられている視線は優しく緩んでいる。
どうして、と思う気持ちは未だ拭えない。しかし彼に伝えられた想いを疑う気持ちはもう薄れつつあった。
「あっ、こちらのお店でしょうか?」
「そのようですね。入りましょう」
いくつかの店舗をやり過ごした後、目的地に辿り着いた。窓際には見るも鮮やかな色とりどりの布地が天井から吊るされている他、艶やかな糸や縫い付け用の天然石、繊細に彫られたボタンが並べられており、ひと目で目当ての店だとわかる。
レグデンバーが開いてくれた扉の内側にそっと足を踏み入れると思いの外に店内は広く、カレンの想像を上回る量の生地や刺繍糸が商品棚を埋め尽くしていた。
「いらっしゃいませ。何をお探しでございましょう?」
「好きに見させてもらっても?」
「もちろんでございます。ご用の際にはお声掛け下さいませ」
身なりの整った老齢の店主は朗らかにレグデンバーとやりとりすると、カレンにもにっこりと一礼して店の奥に引き下がっていく。
「私は門外漢ですし、ゆっくりご覧になりたいでしょうから別行動にしましょうか」
「はい、あの、レグデンバー副団長のご迷惑にならない形でお願いします」
カレンに合わせてもらっている自覚はあるのでそう答えれば、ふっと吐息で笑われた。
「どう転んでも迷惑にはなり得ませんけれどね。店内を回っていますので気の済むまでどうぞ。後で落ち合いましょう」
見送るように言われてしまえば行動に移す他ない。軽く会釈をしてからぐるりと視線を巡らせて、少し先に刺繍糸の棚があるのを見つけてそちらに移動した。
(あぁ、なんてたくさんの数……)
レグデンバーの手前、落ち着いた態度を装っていたが、入店してからというもの心がずっとそわそわしていた。
ソフィアと出掛ける商店もそれなりに充実した品揃えだと思っていたけれど、それを遙かに上回る糸が色の波を作っている。圧倒的な色彩が目に眩しい。
「綺麗……」
持ち上げた一束を眼前に翳せば、思わず感嘆の言葉が口をついて出た。
日頃購入するものに比べれば値は張るが、この絶妙な色合いと光沢を見れば納得もいく。微妙に移り変わっていく多様な色を目で追いながら、頭の中ではどんな刺繍を刺すかという算段に意識は飛んでいた。
(三角巾に刺すのもいいけれど……)
そっと背後を窺う。逞しい背中をこちらに向けたレグデンバーはゆったりとした動きで飾られた商品を眺めている。
(私の刺繍をお礼にだなんて、おこがましいかもしれない)
過去の自分なら、そう押し止めてしまっていたと思う。
(でも、レグデンバー副団長はきっと受け取って下さる)
ソフィアに贈ったリボンの刺繍を羨ましいと言ってくれた。
男性への贈り物じゃなくて良かった、とも。
観劇の日には自らの意思でカレンをエスコートしてくれたし、今日の外出も彼からの誘いで美味しいケーキまでご馳走になった。
(私にはこれくらいしか出来ないけれど)
再び陳列棚に向き合う。
彼に似合う色はどんな色だろうか。瞼の裏側に思い浮かべたレグデンバーを透かすように並ぶ糸に目を走らせる。
(そうだわ、生地も買わないと……ハンカチが良いかしら。騎士様が持つならしっかりした生地? そちらの色は何色が……)
どんどんと思考は広がっていくが、それでもカレンは緑がかった灰色の瞳を懸命にこらす。
レグデンバーのことを思って、ひたすらに色を探し続けた。
◇◆◇
「……申し訳ありません。随分とお待たせしてしまって」
頭を下げて謝罪するカレンの手には買ったばかりの刺繍糸とハンカチが収められた小さな紙包み。
選び抜いたそれらを持って会計に向かったとき、レグデンバーは店主と談笑していた。おそらくカレンが悩みに悩んで取捨選択している間、店内を見回っても尚時間を持て余したのだろう。壁の掛け時計はすっかり針を進めていた。
待たせてしまったことへの申し訳なさに加え、贈る予定の張本人に購入品を見られまいと挙動不審になるカレンをレグデンバーは咎めることもせず、「真剣に見入っていましたね」と温かく迎えてくれた。
そして今、店から出て改めて謝罪するカレンに彼は再度笑顔を向けた。
「気の済むまで、と言ったでしょう。カレンさんがどれほど刺繍に熱意を注いでいらっしゃるかを知れて嬉しいですよ」
あなたに贈るものを選んでいたから、知らず時間を掛けてしまったのです。
そう言ったなら彼はどんな顔をするのだろうか。
もちろん、刺繍を仕上げるまでは内密なので打ち明けることは出来ないけれど。しかしレグデンバーならきっとそんなことですら、嬉しいと応えてくれそうな気がした。
「私一人で楽しんでしまって恐縮ですが、満足のいくお買い物が出来ました。連れてきて下さって本当にありがとうございます」
自然と溢れる笑みで礼を述べれば、レグデンバーの目尻も一際下がる。
日射しに照らされた甘いチョコレート色の髪、睫毛の影を受けて濃く輝く藍色の瞳。普段の騎士服よりも簡素で落ち着いた色合いの衣装。
見慣れたはずの笑顔なのに、食堂で見掛ける彼とはどこかが少しずつ違う。
カレンもまた自分自身に確実な違いが生じていることを自覚していた。
ただ優しいとばかり思っていた笑顔を見せられると胸の奥底からほかほかと温かい気持ちが沸き起こり、同時に鼓動が早まっていく。ばっちりと視線が絡み合ってしまえば刹那挙動を忘れてしまう。
「このまま散策を続けますか? 少し歩けば噴水で有名な広場もありますが」
「他のお店も気になるのでもう少し見て回っても構いませんか?」
「もちろんです。疲れたときは仰って下さい」
また肩を並べて歩こうかと動き始めたとき、通りに一台の馬車が入ってきた。道幅は狭くないのでそのまま店舗際に沿って進んでいると、二人の進行方向で馬車は停車する。
御者が扉に張り付く様を見て違和感を覚えた。通りを行き交う人々の多くは職人かお仕着せ姿の使用人で、御者に丁重な扱いをされるような人物像とはかけ離れている。
不躾だとわかっていても何となく視線を外せずにいると開かれた扉から年嵩の男性が降り立った。その身体の影に女性が続く。
金髪の女性だった。
「素敵なお店をご紹介下さってありがとうございました。とても美味しくて楽しい時間を過ごせました」
「気に入っていただけたのなら何よりです」
「いつかソフィアを誘っても構いませんか? キャラメルソースできっと驚くと思うので」
「ええ、もちろんです」
目を輝かせるであろう親友を思うとその日が待ち遠しい。あのケーキを選んだカレンを見るレグデンバーもこんな気持ちだったのかもしれない。
「少し通りを歩きませんか? この職人街には実売している店舗もあるので散策に向いているのではないかと思います」
そう言われて立ち並ぶ建物を改めて見回せば、通りに向けて大きなガラス窓を設えている店舗が多い。
「観劇の日には気付きませんでした」
「夜道ではわかり辛かったでしょうね。気になる店舗があればゆっくりご覧になって下さい」
「はい、楽しみです」
カレンが店舗側になるように立ち位置を変えたレグデンバーと歩き始める。独特な作業着姿の職人やお仕着せを身に着けた使用人らしき人影が行き交うこの通りは食堂で働くカレンにはどこか居心地が良い。
(ここはお皿の専門店かしら……こっちのお店にはナイフとフォークがたくさん並んでいるわ)
通り過ぎざま、窓際にずらりと並べられた商品を眺めていく。それぞれが専門店だけあって陳列された品々の豊富さは目を見張るものがある。
カンカンと金属を叩く音が微かに響く中、食器や調理器具を扱う店を横目に歩いているとレグデンバーが屈むようにして話し掛けてきた。
「この先は服飾の品を扱う店舗が並ぶのでカレンさんの興味を惹くものがあるかもしれませんね」
「私、衣類にそれほどこだわりは……」
「仕立屋ももちろんありますが、紡績や染織の工房もあるので品揃えは随一ですよ。例えば刺繍糸とか」
はっと目を見開いた。
ドレスや装飾品ならガラス越しに流し見るだけで十分だけれど、刺繍糸ならじっくりと手に取って見てみたいし、気に入るものがあれば購入したい。
ソフィアに教えるついでの手慰みで再開した刺繍だったが、材料を購入し仕上げた作品を形に残すことは、労働で給金を得る自分自身を認めることにも繋がっていた。
「是非見てみたいです」
「そう仰ると思っていました」
あっさり掌を返した自分を恥じるものの、カレンが気に入るだろうと提案してもらえたことを素直に嬉しく思った。
予定を決めずにその時々で思うままに行動する、とはレグデンバーの談だが、ケーキにしろ刺繍糸にしろ彼が差し出すのはカレンの好みを考慮した上での選択肢ばかりだ。
(素晴らしいお人柄だわ。それに……)
多種多様の帽子が展示されたガラス窓を通りすがりに覗き込み、その刹那ガラスに反射したレグデンバーの表情を窺う。
彼からすれば後頭部を見せているカレンなのに、向けられている視線は優しく緩んでいる。
どうして、と思う気持ちは未だ拭えない。しかし彼に伝えられた想いを疑う気持ちはもう薄れつつあった。
「あっ、こちらのお店でしょうか?」
「そのようですね。入りましょう」
いくつかの店舗をやり過ごした後、目的地に辿り着いた。窓際には見るも鮮やかな色とりどりの布地が天井から吊るされている他、艶やかな糸や縫い付け用の天然石、繊細に彫られたボタンが並べられており、ひと目で目当ての店だとわかる。
レグデンバーが開いてくれた扉の内側にそっと足を踏み入れると思いの外に店内は広く、カレンの想像を上回る量の生地や刺繍糸が商品棚を埋め尽くしていた。
「いらっしゃいませ。何をお探しでございましょう?」
「好きに見させてもらっても?」
「もちろんでございます。ご用の際にはお声掛け下さいませ」
身なりの整った老齢の店主は朗らかにレグデンバーとやりとりすると、カレンにもにっこりと一礼して店の奥に引き下がっていく。
「私は門外漢ですし、ゆっくりご覧になりたいでしょうから別行動にしましょうか」
「はい、あの、レグデンバー副団長のご迷惑にならない形でお願いします」
カレンに合わせてもらっている自覚はあるのでそう答えれば、ふっと吐息で笑われた。
「どう転んでも迷惑にはなり得ませんけれどね。店内を回っていますので気の済むまでどうぞ。後で落ち合いましょう」
見送るように言われてしまえば行動に移す他ない。軽く会釈をしてからぐるりと視線を巡らせて、少し先に刺繍糸の棚があるのを見つけてそちらに移動した。
(あぁ、なんてたくさんの数……)
レグデンバーの手前、落ち着いた態度を装っていたが、入店してからというもの心がずっとそわそわしていた。
ソフィアと出掛ける商店もそれなりに充実した品揃えだと思っていたけれど、それを遙かに上回る糸が色の波を作っている。圧倒的な色彩が目に眩しい。
「綺麗……」
持ち上げた一束を眼前に翳せば、思わず感嘆の言葉が口をついて出た。
日頃購入するものに比べれば値は張るが、この絶妙な色合いと光沢を見れば納得もいく。微妙に移り変わっていく多様な色を目で追いながら、頭の中ではどんな刺繍を刺すかという算段に意識は飛んでいた。
(三角巾に刺すのもいいけれど……)
そっと背後を窺う。逞しい背中をこちらに向けたレグデンバーはゆったりとした動きで飾られた商品を眺めている。
(私の刺繍をお礼にだなんて、おこがましいかもしれない)
過去の自分なら、そう押し止めてしまっていたと思う。
(でも、レグデンバー副団長はきっと受け取って下さる)
ソフィアに贈ったリボンの刺繍を羨ましいと言ってくれた。
男性への贈り物じゃなくて良かった、とも。
観劇の日には自らの意思でカレンをエスコートしてくれたし、今日の外出も彼からの誘いで美味しいケーキまでご馳走になった。
(私にはこれくらいしか出来ないけれど)
再び陳列棚に向き合う。
彼に似合う色はどんな色だろうか。瞼の裏側に思い浮かべたレグデンバーを透かすように並ぶ糸に目を走らせる。
(そうだわ、生地も買わないと……ハンカチが良いかしら。騎士様が持つならしっかりした生地? そちらの色は何色が……)
どんどんと思考は広がっていくが、それでもカレンは緑がかった灰色の瞳を懸命にこらす。
レグデンバーのことを思って、ひたすらに色を探し続けた。
◇◆◇
「……申し訳ありません。随分とお待たせしてしまって」
頭を下げて謝罪するカレンの手には買ったばかりの刺繍糸とハンカチが収められた小さな紙包み。
選び抜いたそれらを持って会計に向かったとき、レグデンバーは店主と談笑していた。おそらくカレンが悩みに悩んで取捨選択している間、店内を見回っても尚時間を持て余したのだろう。壁の掛け時計はすっかり針を進めていた。
待たせてしまったことへの申し訳なさに加え、贈る予定の張本人に購入品を見られまいと挙動不審になるカレンをレグデンバーは咎めることもせず、「真剣に見入っていましたね」と温かく迎えてくれた。
そして今、店から出て改めて謝罪するカレンに彼は再度笑顔を向けた。
「気の済むまで、と言ったでしょう。カレンさんがどれほど刺繍に熱意を注いでいらっしゃるかを知れて嬉しいですよ」
あなたに贈るものを選んでいたから、知らず時間を掛けてしまったのです。
そう言ったなら彼はどんな顔をするのだろうか。
もちろん、刺繍を仕上げるまでは内密なので打ち明けることは出来ないけれど。しかしレグデンバーならきっとそんなことですら、嬉しいと応えてくれそうな気がした。
「私一人で楽しんでしまって恐縮ですが、満足のいくお買い物が出来ました。連れてきて下さって本当にありがとうございます」
自然と溢れる笑みで礼を述べれば、レグデンバーの目尻も一際下がる。
日射しに照らされた甘いチョコレート色の髪、睫毛の影を受けて濃く輝く藍色の瞳。普段の騎士服よりも簡素で落ち着いた色合いの衣装。
見慣れたはずの笑顔なのに、食堂で見掛ける彼とはどこかが少しずつ違う。
カレンもまた自分自身に確実な違いが生じていることを自覚していた。
ただ優しいとばかり思っていた笑顔を見せられると胸の奥底からほかほかと温かい気持ちが沸き起こり、同時に鼓動が早まっていく。ばっちりと視線が絡み合ってしまえば刹那挙動を忘れてしまう。
「このまま散策を続けますか? 少し歩けば噴水で有名な広場もありますが」
「他のお店も気になるのでもう少し見て回っても構いませんか?」
「もちろんです。疲れたときは仰って下さい」
また肩を並べて歩こうかと動き始めたとき、通りに一台の馬車が入ってきた。道幅は狭くないのでそのまま店舗際に沿って進んでいると、二人の進行方向で馬車は停車する。
御者が扉に張り付く様を見て違和感を覚えた。通りを行き交う人々の多くは職人かお仕着せ姿の使用人で、御者に丁重な扱いをされるような人物像とはかけ離れている。
不躾だとわかっていても何となく視線を外せずにいると開かれた扉から年嵩の男性が降り立った。その身体の影に女性が続く。
金髪の女性だった。
109
あなたにおすすめの小説
姉の婚約者と結婚しました。
黒蜜きな粉
恋愛
花嫁が結婚式の当日に逃亡した。
式場には両家の関係者だけではなく、すでに来賓がやってきている。
今さら式を中止にするとは言えない。
そうだ、花嫁の姉の代わりに妹を結婚させてしまえばいいじゃないか!
姉の代わりに辺境伯家に嫁がされることになったソフィア。
これも貴族として生まれてきた者の務めと割り切って嫁いだが、辺境伯はソフィアに興味を示さない。
それどころか指一本触れてこない。
「嫁いだ以上はなんとしても後継ぎを生まなければ!」
ソフィアは辺境伯に振りむいて貰おうと奮闘する。
2022/4/8
番外編完結
【完結】異世界からおかえりなさいって言われました。私は長い夢を見ていただけですけれど…でもそう言われるから得た知識で楽しく生きますわ。
まりぃべる
恋愛
私は、アイネル=ツェルテッティンと申します。お父様は、伯爵領の領主でございます。
十歳の、王宮でのガーデンパーティーで、私はどうやら〝お神の戯れ〟に遭ったそうで…。十日ほど意識が戻らなかったみたいです。
私が目覚めると…あれ?私って本当に十歳?何だか長い夢の中でこの世界とは違うものをいろいろと見た気がして…。
伯爵家は、昨年の長雨で経営がギリギリみたいですので、夢の中で見た事を生かそうと思います。
☆全25話です。最後まで出来上がってますので随時更新していきます。読んでもらえると嬉しいです。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
【完結】灰かぶりの花嫁は、塔の中
白雨 音
恋愛
父親の再婚により、家族から小間使いとして扱われてきた、伯爵令嬢のコレット。
思いがけず結婚が決まるが、義姉クリスティナと偽る様に言われる。
愛を求めるコレットは、結婚に望みを託し、クリスティナとして夫となるアラード卿の館へ
向かうのだが、その先で、この結婚が偽りと知らされる。
アラード卿は、彼女を妻とは見ておらず、曰く付きの塔に閉じ込め、放置した。
そんな彼女を、唯一気遣ってくれたのは、自分よりも年上の義理の息子ランメルトだった___
異世界恋愛 《完結しました》
【完結】あなたの色に染める〜無色の私が聖女になるまで〜
白崎りか
恋愛
色なしのアリアには、従兄のギルベルトが全てだった。
「ギルベルト様は私の婚約者よ! 近づかないで。色なしのくせに!」
(お兄様の婚約者に嫌われてしまった。もう、お兄様には会えないの? 私はかわいそうな「妹」でしかないから)
ギルベルトと距離を置こうとすると、彼は「一緒に暮らそう」と言いだした。
「婚約者に愛情などない。大切なのは、アリアだけだ」
色なしは魔力がないはずなのに、アリアは魔法が使えることが分かった。
糸を染める魔法だ。染めた糸で刺繍したハンカチは、不思議な力を持っていた。
「こんな魔法は初めてだ」
薔薇の迷路で出会った王子は、アリアに手を差し伸べる。
「今のままでいいの? これは君にとって良い機会だよ」
アリアは魔法の力で聖女になる。
※小説家になろう様にも投稿しています。
【完結】初恋相手に失恋したので社交から距離を置いて、慎ましく観察眼を磨いていたのですが
藍生蕗
恋愛
子供の頃、一目惚れした相手から素気無い態度で振られてしまったリエラは、異性に好意を寄せる自信を無くしてしまっていた。
しかし貴族令嬢として十八歳は適齢期。
いつまでも家でくすぶっている妹へと、兄が持ち込んだお見合いに応じる事にした。しかしその相手には既に非公式ながらも恋人がいたようで、リエラは衆目の場で醜聞に巻き込まれてしまう。
※ 本編は4万字くらいのお話です
※ 他のサイトでも公開してます
※ 女性の立場が弱い世界観です。苦手な方はご注意下さい。
※ ご都合主義
※ 性格の悪い腹黒王子が出ます(不快注意!)
※ 6/19 HOTランキング7位! 10位以内初めてなので嬉しいです、ありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。
→同日2位! 書いてて良かった! ありがとうございます(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
愛されなかった公爵令嬢のやり直し
ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。
母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。
婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。
そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。
どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。
死ぬ寸前のセシリアは思う。
「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。
目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。
セシリアは決意する。
「自分の幸せは自分でつかみ取る!」
幸せになるために奔走するセシリア。
だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる