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エピローグ
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白波坂の夕焼けは、今日もやさしかった。
彩香は、守の少し後ろを歩きながら、
どら焼きの包み紙を指先でくるくる回していた。
「今日の、ちょっと美味しかったね」
何気ない声。
けれど守の胸には、あの日の沈黙がまだ残っている。
「……せやな」
短く返すと、彩香はふわっと笑った。
その笑顔を見るたびに、守は言えなくなる。
——本当のことなんて。
誰かを庇ったことも。
自分だけが悪者になったことも。
彩香に知られたら、きっと心配させる。
迷惑をかけたくない。
それだけだった。
彩香は、そんな守の気持ちに気づかないまま、
袖をそっとつまんだ。
「ねぇ、明日も一緒に帰ろ?」
「……ええよ」
その仕草が、どうしようもなく甘くて、
どうしようもなく切なかった。
夕焼けの影が二人を長く伸ばしていく。
その影の先に、いつか訪れる“衝突の日”があることを、
まだ彩香は知らない。
そして守もまた、
彼女が泣きそうな顔で怒る未来を、
まだ想像すらしていなかった。
本編第5話へ続く...
彩香は、守の少し後ろを歩きながら、
どら焼きの包み紙を指先でくるくる回していた。
「今日の、ちょっと美味しかったね」
何気ない声。
けれど守の胸には、あの日の沈黙がまだ残っている。
「……せやな」
短く返すと、彩香はふわっと笑った。
その笑顔を見るたびに、守は言えなくなる。
——本当のことなんて。
誰かを庇ったことも。
自分だけが悪者になったことも。
彩香に知られたら、きっと心配させる。
迷惑をかけたくない。
それだけだった。
彩香は、そんな守の気持ちに気づかないまま、
袖をそっとつまんだ。
「ねぇ、明日も一緒に帰ろ?」
「……ええよ」
その仕草が、どうしようもなく甘くて、
どうしようもなく切なかった。
夕焼けの影が二人を長く伸ばしていく。
その影の先に、いつか訪れる“衝突の日”があることを、
まだ彩香は知らない。
そして守もまた、
彼女が泣きそうな顔で怒る未来を、
まだ想像すらしていなかった。
本編第5話へ続く...
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