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「どうして、僕はパーティに入っちゃだめなんだろ……」
リーシュはパーティに属した経験がなく、ソロの冒険者だった。もう少し強くなればパーティに入れるようになるのだろうかと思っていたが、何時まで経っても師匠の了解を得られなかった。
「オークだって1人で倒せます。そろそろ僕もパーティに入っても大丈夫じゃないですか?」
痺れを切らして師匠に聞いてみたが「お前には無理なんだ」と口を濁すだけで、リーシュが満足するような回答は得られなかった。
「強くなるには、パーティのほうが効率いいのになあ」
それはリーシュのことがギルドで噂になっているからだったが、リーシュ本人は知らなかった。リーシュは記憶を失うことが出来ても、一度広がってしまった噂は消すことが出来なかった。
「ダンジョンで壁に挟まれた女」「ゴブリンに孕み袋にされた女」という過去の出来事が起因となり、「すぐにヤれる女」としてリーシュの評価は最低レベルのものになっていた。
「僕、何かした……?」
記憶を消去されたリーシュは、冒険者たちの蔑んだような視線を向けられる原因が分からず、俯いた。冒険者、特に男の冒険者は、リーシュの体を舐め回すように見た。
その性的で、いやらしい視線に、リーシュは耐えることが出来なかった。
すれ違いざまに見知らぬ人間から「この雌豚が」「よう、でか乳」と中傷を受けたことも2度や3度ではなかったし、露骨に夜の誘いを受けることが増えた。
「もしかして娼婦と間違われてる……? おっぱいが大きくて目立つから? ……服装が悪いのかなあ……」
そのためリーシュは、服装も肌の露出を控えるようになった。
リーシュはパーティに属した経験がなく、ソロの冒険者だった。もう少し強くなればパーティに入れるようになるのだろうかと思っていたが、何時まで経っても師匠の了解を得られなかった。
「オークだって1人で倒せます。そろそろ僕もパーティに入っても大丈夫じゃないですか?」
痺れを切らして師匠に聞いてみたが「お前には無理なんだ」と口を濁すだけで、リーシュが満足するような回答は得られなかった。
「強くなるには、パーティのほうが効率いいのになあ」
それはリーシュのことがギルドで噂になっているからだったが、リーシュ本人は知らなかった。リーシュは記憶を失うことが出来ても、一度広がってしまった噂は消すことが出来なかった。
「ダンジョンで壁に挟まれた女」「ゴブリンに孕み袋にされた女」という過去の出来事が起因となり、「すぐにヤれる女」としてリーシュの評価は最低レベルのものになっていた。
「僕、何かした……?」
記憶を消去されたリーシュは、冒険者たちの蔑んだような視線を向けられる原因が分からず、俯いた。冒険者、特に男の冒険者は、リーシュの体を舐め回すように見た。
その性的で、いやらしい視線に、リーシュは耐えることが出来なかった。
すれ違いざまに見知らぬ人間から「この雌豚が」「よう、でか乳」と中傷を受けたことも2度や3度ではなかったし、露骨に夜の誘いを受けることが増えた。
「もしかして娼婦と間違われてる……? おっぱいが大きくて目立つから? ……服装が悪いのかなあ……」
そのためリーシュは、服装も肌の露出を控えるようになった。
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