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1部 誕生編
アメリ・アインスロット
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結婚して2年。気晴らしに一度実家に帰った時、長兄が侍女に手を出して生んだ子が、長兄にいじめられているのを発見した。
長兄は、不貞を責められ、妻に対して立場がなくなり、結局、子にあたっていたのだ。貴族の妻であれば、子を作った侍女を褒めこそすれ、責めるなどありえない。
兄の妻は、商人の娘。
平民だ。
貴族教育を受けずに、顔だけで選ぶからこういう事になるのだ。平民出身の妻は、このイジメを止めず、煽っていた。
子供の体に無数のアザがあり、怖がって震えていた。抱きしめてあげると声にださず、すすり泣きしていた。
あまりの扱いに怒りがこみ上げ長兄に文句を言って、引き取った。それがアメリ・アインスロットだ。
アメリを引き取った時子供のいなかった旦那はすごく喜んだ。
しかし、旦那が近づくと震えて動けなくなるのを見て驚いていた。
事情を聞いた後も、すぐに引き取りに賛成してくれた。
父も母も、反対は無く、特に母はアメリを可愛がってくれた。
アメリの教育は私が直接教えた。貴族としてのマナーや、姿勢、心構えなどは母が指導してくれた。
アメリは、父のカインとも仲が良かった。カインが得意な算術は、彼が教えてくれたので、その時は、よく3人で話をした。
旦那とアメリとゆっくりと友好関係を築き上げ、アメリが10歳の頃には親子のように触れ合えるようになっていた。
私とお父様との関係は3年たっても子どもができずその後アナベルとの行為の時も避妊はやめた。
しばらくは、父、息子の両方から寵愛を受けるも、残念ながらであった。
5年たって父様からの進言で、その関係をやめることになった。
父カインはリリアーナが37歳の時に、はやり病で突然亡くなった。
アナベルは、喪の服した1年後に伯爵家を継ぐことになっていた。悲しみの中ではあるがアナベルが伯爵家を継ぐならば、いよいよアナベルの子供が必要である。
リリアーナは自分は子供ができないから、アナベルに妾を取って、子をなすように進言する。
アナベルは、初め抵抗していた。
しかしリリアーナがしつこく言うので、アメリならば抱けると言ってきた。
アメリは、男性恐怖症の認定を受け、学院に通うことは無く、試験だけで卒業できた。
もちろん主席の成績であったが、学院の授業を受けていた訳ではないので公にはなっていない。
そしてこの時、アメリはこの時成人の16歳になったばかり。子を産める年にはなっていた。
リリアーナは驚いた。
我が子同然に育ててきたアメリを、妾にするなど到底許容できる話ではなかった。
しかし、アナベルは、リリアーナ以外は愛せないが、アメリはリリアーナに似ているから愛せるかも知れないと。
悩んだが、アメリの気持ちが一番大切だ。
アメリは小さい頃のいじめのせいで、そもそも男性恐怖症だ。
この10年の生活でアナベルとの中は良いが、親子のような関係。果たして子作りができるとは思えなかった。ところがアメリと話をしたら、リリアーナが望むなら、アナベルなら大丈夫だと。
でも、二人きりにはなりたくないから、必ず隣にいて欲しいと。
なんて母思いの子でしょう。私はそのいじらしさに感動しました。子が出来たら、正式に子供として養子に迎える。そう約束しアメリに頑張ってまらいました。
結果、僅か、3ヵ月後には妊娠が発覚。
あらためて、自分が子をなせなかった体であった事を認識し女性としての自信を失うも、よくよく考えると自分は生粋の文官。そんなことよりも自分のやれることをやらなければと、自分を奮い立たせ準備に奔走した。
子どもが8ヶ月に育った頃、大規模な魔物の群れが発生し、アナベルは討伐隊を率いて討伐に向かった。
この頃アナベルは、中隊長であった。伯爵の地位と共に、大隊長が目の前だった。
しかし、アナベルは帰ってこなかった。
今回は2中隊で向かった討伐隊だったが、2割が死亡。3割が重軽傷と、半数近くの損害が出た。
複数個所に同時に魔物が出没したせいで、戦力を分散せざるを得なかったために、一番運の悪い隊となった。
それから2ヵ月後、ついに待望の赤ちゃんが生まれた。
それも両眼が金色と言う、皆の希望に答えた子供が。
長兄は、不貞を責められ、妻に対して立場がなくなり、結局、子にあたっていたのだ。貴族の妻であれば、子を作った侍女を褒めこそすれ、責めるなどありえない。
兄の妻は、商人の娘。
平民だ。
貴族教育を受けずに、顔だけで選ぶからこういう事になるのだ。平民出身の妻は、このイジメを止めず、煽っていた。
子供の体に無数のアザがあり、怖がって震えていた。抱きしめてあげると声にださず、すすり泣きしていた。
あまりの扱いに怒りがこみ上げ長兄に文句を言って、引き取った。それがアメリ・アインスロットだ。
アメリを引き取った時子供のいなかった旦那はすごく喜んだ。
しかし、旦那が近づくと震えて動けなくなるのを見て驚いていた。
事情を聞いた後も、すぐに引き取りに賛成してくれた。
父も母も、反対は無く、特に母はアメリを可愛がってくれた。
アメリの教育は私が直接教えた。貴族としてのマナーや、姿勢、心構えなどは母が指導してくれた。
アメリは、父のカインとも仲が良かった。カインが得意な算術は、彼が教えてくれたので、その時は、よく3人で話をした。
旦那とアメリとゆっくりと友好関係を築き上げ、アメリが10歳の頃には親子のように触れ合えるようになっていた。
私とお父様との関係は3年たっても子どもができずその後アナベルとの行為の時も避妊はやめた。
しばらくは、父、息子の両方から寵愛を受けるも、残念ながらであった。
5年たって父様からの進言で、その関係をやめることになった。
父カインはリリアーナが37歳の時に、はやり病で突然亡くなった。
アナベルは、喪の服した1年後に伯爵家を継ぐことになっていた。悲しみの中ではあるがアナベルが伯爵家を継ぐならば、いよいよアナベルの子供が必要である。
リリアーナは自分は子供ができないから、アナベルに妾を取って、子をなすように進言する。
アナベルは、初め抵抗していた。
しかしリリアーナがしつこく言うので、アメリならば抱けると言ってきた。
アメリは、男性恐怖症の認定を受け、学院に通うことは無く、試験だけで卒業できた。
もちろん主席の成績であったが、学院の授業を受けていた訳ではないので公にはなっていない。
そしてこの時、アメリはこの時成人の16歳になったばかり。子を産める年にはなっていた。
リリアーナは驚いた。
我が子同然に育ててきたアメリを、妾にするなど到底許容できる話ではなかった。
しかし、アナベルは、リリアーナ以外は愛せないが、アメリはリリアーナに似ているから愛せるかも知れないと。
悩んだが、アメリの気持ちが一番大切だ。
アメリは小さい頃のいじめのせいで、そもそも男性恐怖症だ。
この10年の生活でアナベルとの中は良いが、親子のような関係。果たして子作りができるとは思えなかった。ところがアメリと話をしたら、リリアーナが望むなら、アナベルなら大丈夫だと。
でも、二人きりにはなりたくないから、必ず隣にいて欲しいと。
なんて母思いの子でしょう。私はそのいじらしさに感動しました。子が出来たら、正式に子供として養子に迎える。そう約束しアメリに頑張ってまらいました。
結果、僅か、3ヵ月後には妊娠が発覚。
あらためて、自分が子をなせなかった体であった事を認識し女性としての自信を失うも、よくよく考えると自分は生粋の文官。そんなことよりも自分のやれることをやらなければと、自分を奮い立たせ準備に奔走した。
子どもが8ヶ月に育った頃、大規模な魔物の群れが発生し、アナベルは討伐隊を率いて討伐に向かった。
この頃アナベルは、中隊長であった。伯爵の地位と共に、大隊長が目の前だった。
しかし、アナベルは帰ってこなかった。
今回は2中隊で向かった討伐隊だったが、2割が死亡。3割が重軽傷と、半数近くの損害が出た。
複数個所に同時に魔物が出没したせいで、戦力を分散せざるを得なかったために、一番運の悪い隊となった。
それから2ヵ月後、ついに待望の赤ちゃんが生まれた。
それも両眼が金色と言う、皆の希望に答えた子供が。
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