転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第1章 誕生期

1.4.1 少しおおきくなりました

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 僕はもうじき1歳になるようだ。

 ここまですくすくと元気に育っている。

 最近になって皆が話している言葉が理解できるようになった。

 転生後の名前はジルベール・クロスロード。

 メリーナ様に言われた通り前世の名前は思い出せない。
 ほんとに記憶喪失の状態だ。記憶があるのはひかれる直前の事。

 ひかれた時の痛みを覚えていないのは幸いだ。
 死んだと言うことを自覚しているのはメリーナ様とのやり取りを覚えているからだろう。

 それでも、夜中に前世の夢を見たときは目が覚めた時に本当に死んだのかと疑問に思うことがあった。
 だが目を開けると前の世界とは違う景色が広がっている。
 それを見てやはり夢ではなく転生したのだなと思うのだ。

 それにしてもメリーナ様は暫く前世のことを思い出さないって言っていたはずなのに、前世があることは生まれた直後から思い出している。

 もちろん前世の知識もある。
 言われたこととの違いも、体が動かない不自由さにも戸惑いがある。

 もう少し大きくなってから思い出したかった。

 ただ幸いなことに意識のある時間は少ない。
 こうして意識があるのは、昼間と夜の僅かな時間だけだ。
 成長と共に意識がはっきりする時間は徐々に増えてきているが。

 現在、お乳はとっくに卒業し離乳食になった。
 おっぱいを飲んでいるころの記憶は先ほどの通り曖昧なのだ。
 ほとんど覚えていない。

 ただ、この若くてきれいな女性がおっぱいを飲ませてくれたことを覚えている。

 そして最近周りの状態もわかってきた。

 この若くてきれいな女性の名前はアメリ。
 他にお乳をくれた人はいない。
 おそらくこの人が母親だと思う。

 最初のころだけ、誰もいないときにママですよーと言っていたのを覚えている。

 普段はこのアメリが僕の面倒を見てくれる。
 金髪で緑色の眼でとてもきれいな人だ。

 そしてとても若い。
 おそらくだが20歳前ではないだろうか。

 彼女は、いつも青系の服を着ていることが多い。
 美人でスタイルも良い。やさしさ満点の笑顔で僕の面倒を見てくれる。
 僕の大好きな人だ。

 次によく見るのは、”おばあさま”と呼ばれている茶髪で黒い目をしている女性。
 目と髪だけなら日本でも良く見かけていたが顔の作りが全く違う。
 とても整った顔で色も白い。
 かつてはとても美人だったのだろうと予想させる。姿勢も良く、身分の高さを感じる。

 彼女が、たまにアメリに指導している姿を見かける。
 少し厳しい印象がある女性だ。

 そして、朝と夜だけしか会わないがリリアーナと呼ばれる女性。
 総合した情報によると、この人が登録上の母親らしい。
 金髪で緑色の目。アメリに良く似ている。
 30を超えていると思うが定かでは無い。

 ほかには侍女を3人ほど見かける。
 20から30歳ぐらいの女性だ。
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